勇者の屋守と地獄の女神
此処は迷いの竹林の最奥部に在る永遠亭。最初に幻想郷のエベレスト妖怪の山のエンジニア河童、河城にとりにとある要件を頼みに寄った。次にフラワーマスター風見幽香と毒人形メディスン・メランコリーを上から探して最後に客の居ない待合室に入った。
「「こんにちはー」」
緑のヤモリっぽい方は薬草に詳しい自称最強勇者ブレード。馬鹿である。隣の小さい少女がメディスン。知識は余り無い。其の二人が共に挨拶をする。
奥から付けうさ耳の女性が現れる。
「嗚呼。ブレードさんにメディか。師匠はいま御客様と対話中だから薬草と毒は私が預かって置くわ」
月から来た兎、鈴仙・優曇華院・イナバ。そう言う彼女の顔色は悪かった。まるで地獄を見た様な。
「宜しくー」
「先客か。そうだ、もう少しでヒナイが来る筈だから準備しとくと良いぜ」
ヒナイとはブレードの心友。幼い頃からのとは言わないが、共に育った仲だ。
「と言う事は妹紅も来ると」
「嗚呼。姫と喧嘩しなけりゃ良いな」
「てゐの罠に掛かってなければ良いけど」
心配事は沢山有る。
そんな中、メディは廊下の方をずっと見て居る。何かを感じて居るのだろう。段々増して行く負のオーラか殺気かを。
「なあ鈴仙、永琳は誰と話してんだ? 地獄の奴か?」
「私の他にも毒を操る妖怪が居るの? 」
「解る? 」
鈴仙の顔が引きつりまくる。強敵中の強敵と言う事だ。
「はーい」
向いていた廊下の奥から変なTシャツやろゲフンゲフン黒地に白の字やハートマークがプリントされたTシャツを着た女性が入って来た。彼女はヘカーティア・ラピスラズリ。地獄の女神だ。
「誰だ」
「女神」
「えええ」
三文字で聞くブレード。三文字で返す優曇華院。三文字で驚くメディスン。
「何よ其れ! 神への冒涜よん!? 」
三人の反応を見激怒した女神。
「いいや、俺が神だ! 」
ブレードよりも作者の方が創造主への冒涜をして居るがな。
サソリ:うわ、ちょ、やめ、石投げな((
「幽香だったら鼻で笑いそう」
「取敢えず、ヘカーティアさんの相手を宜しく頼むわ。メディもおいで」
「はーい」
「おい鈴仙! メディ! 置いてくな! 」
ブレードは二人に置いて行かれた。勇者には解る。優曇華院は逃げた。
「貴方もあの兎を鈴仙って呼ぶのね。所で、外の竜って貴方のお仲間かしらん? 」
右手の行き場を失ったブレードの背中に言う。
「黄色の皮膚に角の生えた奴だったらピー助だな」
途端に地獄の女神とやらはニヤリと微笑む。勇者は寒気を覚える。
「あの子を私に( 」
「だが断る」
「彼奴は俺の移動手段で俺の家族だ」
「拒否が早いわよ」
「知らん奴に渡して溜まるか」
二人分の足音が聞こえる。
「ヘカーティア、話は終わったわ。帰りましょう」
ブレードには見覚えの無い女性が月の頭脳八意永琳と一緒に現れた。彼女は月の都襲撃作戦を企てた純狐。
「あら純狐、無理だったのね」
「おーい永琳、何が有ったんだよ」
「優曇華をくれないかって( 」
「あーそうだヒナイがもう来る頃だなー。ヘカテーとやらはさっさと裏口から出ろよな! 」
颯爽と出入り口から外に出る。
優曇華院の身に碌な事は滅多に起こらない。ブレードは恐怖した、純狐に。彼女から途轍も無い殺気を感じた。何度も何度も幾度と無く感じた殺気全てを纏めた様な量の殺気を感じた。しかし澄み切って居た。
門の方を見ればヒナイと妹紅が既に来ていた。リヤカーの上の老人は何かを拝んで居た。