365 腐海からの使者3
9月になってからの体育授業は体育祭の練習に費やされている。
まだまだ残暑が続く中での練習は汗もかくし、なかなかだるい。
体育祭で二年の男子が行うのは、体操演技というか集団ダンス。
最初はラジオ体操みたいなゆっくりしたテンポから始まり、曲調のアップダウンに合わせて、移動しながら集団ダンスへと移行していく。列によって色の違うカラー手袋を着けており、同じ手袋を着けている者が同じタイミングで躍る。
前半は腕をバタバタ振ってシンクロさせたり、右へ左へとウェーブを作ったりと上半身を使うものが多い。後半は、少人数で始まるダンスから徐々に人数が増えていき、最終的に全員が同じ振り付けで踊る。
身体全体を使うので思った以上に疲れる。
ダンスが得意な奴らは先頭で苦手な奴らは後部側だ。
その他の男子は概ね身長で分けられ、俺や太一はほぼ真ん中あたりにいる。
女子の団体演技はチアリーディング。銀色を主に少しづつカラーの違う色が混ざったポンポンを使っている。二年女子の伝統行事で、もう十年近く続いているそうだ。
振り付けが男子より複雑なので覚えるのも大変だろう。
男女とも晴れの日はグラウンドで、雨の日は体育館で練習を行っている。男子がやっているとき女子が休憩を兼ねてギャラリー役、女子の時は男子がその役を担ったりもする。少しでも見られることに慣れるためというのが趣旨らしい。女子も一部を除き、大体の者がクラスに関係なく身長順で並んでいる。俺と仲の良いグループの長谷川、川上、柳瀬はほぼ同じ身長なので近いところに固まっていた。響は演技の上手な先頭グループにいて、そこには大熊や佐渡島もいる。あと知った顔でいうと、牧瀬が先頭に近いグループ、西本が後ろ側のグループに混ざっていた。
そんな女子の練習風景を、休憩していた俺と太一は並んで眺めていた。
音楽に合わせて握られたポンポンが上下左右と、時にダイナミックに、時にリズミカルに動と静を巧みに使い分けながら軽やかに踊る。息がぴったり合って揃った時は、思わず見ている方が「おおっ!」と感嘆の声をあげてしまうほどだった。
「おい明人」
「何だ、太一」
「いい感じに揺れてるな」
「ああ、そうだな」
「ちなみに何が揺れていると思う?」
少なくとも太一が言うからにはポンポンじゃないだろう。
自称おっぱい星人の太一だ。こいつの視線は女子の胸に向いているのだろう。
太一の好みは巨乳。巨乳だったら何でもいいというわけではなく、それなりのこだわりはあるらしい。
太一が恋の相手として諦めようとしている長谷川も、諦めるために選んだ相手の愛も巨乳だ。
夏に見た二人の水着姿からいうと、どちらも立派なものを持っていた。
長谷川は愛と違って着痩せするタイプ。普段の制服姿は愛のように胸が目立っているわけでもない。
同じタイプで言うなら響も長谷川と同じだ。立派なものを持っているのに制服の時は目立たない。
太一が周りを気にしながら俺の肩に手を回しグイっと引っ張り込む。
「明人……例のやつどこまで見た?」
周りに聞こえないように太一はボソッと耳打ちしてきた。
俺も周囲に気を配り、太一にだけ聞こえるように返す。
「……まだ全部読めてない」
「そうか。俺はあと二冊で終わりだ。戦友が免疫のない俺らが見ても害がないように、イチャラブ系を厳選してくれたからな。強引なやつとかなかっただろ?」
「マジか……その戦友とやらに感謝だな。ストーリー的にも読める内容だった」
相手の名誉のためか、名前は伏せられたままだがマジで感謝したい。
ひそひそと話し合っていると、後ろから変な声が聞こえた。
「むほぉっ!?」
その声に頭を寄せ合っていた太一とともに振り返ってみると、そこには顔を赤らめて目をキラキラさせた伊織さんの姿があった。何故ここにいる!?
「明人君写真撮らせてねー! そのまま、絶対そのままで!」
伊織さんは素早く鞄の中から携帯を取り出すと、俺らに向けた。
パシャシャシャシャシャシャシャシャシャと、連写する音が聞こえる。
「体操着で密着! 肩組んで密着!」
ああ、伊織さんもう我を忘れているな。きれいな顔しているのに残念な人にしか見えない。
興奮する伊織さんの横に、白衣姿の文さんが立っていてニコニコした顔を俺たちに向けている。
そうか、伊織さん今日も取材だって言ってたけど、うちへの取材だったのか。
文さんめ、わざと隠してたな。
伊織さんは写真を撮り終え、素早くチェック。
「いける! これならいける! これならご飯三杯いけるわ!」
あなた小食なんだから、そんなに食べられないでしょう。
「来てすぐにこういうのがいただけるとは、明人君最高だよ!」
興奮して俺に抱き着いてくる伊織さん。
てか、所構わず抱き着いてくるの止めてください。
そういうので最高と言われても全然嬉しくない。
文さんが俺たちに近づき、目線を合わせるようにしゃがみ込む。
伊織さんが俺の背中に抱き着いたままぐりぐりと額を擦り付けているけど、気にしたら負けだ。
「伊織さんに今日は全学年が体育祭の練習するよって教えたら、来たいって言いだしてね。今朝、校長先生に相談したらすぐに許可をくれたよ」
そんなんでいいのか校長。
「そんな簡単に許可貰えたんですか? BLって健全な部類じゃないでしょう。教育現場的にはよろしくないんじゃ?」
「そこは伏せたよ。BLは芸術なのに誤解している人が多いからね。高校生のじゃれあいとか青春を謳歌しているところを取材させてもらいたいと校長先生には伝えてある。伊織さんの目的そこだし、ファンの一人としてはお手伝いしたい」
文さん、伊織さんの書く小説にぞっこんだもんな。
「先生たちに取材の件言ってくる。伊織さん行きますよ」
「はーい。すぐ行きます」
文さんは立ち上がり、伊織さんとともに体育教師の下へと向かって行った。
体育教師に紹介され挨拶する伊織さん。人当たりの良い笑顔を向ける伊織さんに、男性教師たちは伊織さんの美貌に逆に緊張している様子。腐ってるけど、まれに見るような美人だしな。分からないでもない。ああいう姿を見ると、姉妹なのに美咲とは全然違う性格だと思う。美咲なら確実に文さんの背中に隠れてオドオドしたままだろう。
「お姉さん、顔は似てるけど中身が違うな」
「ああ、家でもそんな感じだよ。美咲とはやっぱり違う」
俺たちの休憩時間が終わり、男子はダンスの練習を再開。
入れ替わりのように女子たちが休憩に入った。
単純な動きの一曲目はみんなの動きが合ってきている。
少し踊りやフォーメーションが複雑になる二曲目以降で遅れやずれがパラパラと目立つ。
「おいっ! そこ後ろずれてるぞ。ちゃんと曲聞いて合わせろ」
体育教師からの檄が飛ぶ。
伊織さんというギャラリーが傍で見ているからか、いつもより熱心な気がする。
グラウンドの隅で休憩する女子たちが俺たちの練習を見物している。単なる冷やかしなのか、意中の人がいるのか、「ちゃんと踊れ~」とか「〇〇君がんばってー」とか声援も聞こえる。
そんな中、俺たちに視線を向けるより、伊織さんに視線を向けている者が何人かいた。
響、長谷川、川上、柳瀬の4人だった。響の隣には牧瀬も一緒にいたが、牧瀬は気にしてないようだ。何やら響以外の3人は眉をひそめている気がする。響はいつもどおり無表情のままだから分からないだけだが。4人はちらちらと伊織さんを何度も気にしていた。何か気になることでもあるのだろうか。
一通り流して本日の男子の練習は終了した。
後半はステップやら手の動きやらが激しくてかなり疲れた。
男子と入れ替わりで女子の練習が再開。
入れ替わる途中ですれ違った川上に「藤原さん何で来てるの?」と聞かれた。
取材だよと答えるとさらに不思議そうな顔をした。
すると川上の横にいた柳瀬が「この間と乳が違う」と言い出した。
そこでピンとくる。
「ああ、あれ美咲じゃないぞ。美咲のお姉さん」
「えっ!?」
どうやら川上らは美咲だと思っていたらしい。
姉妹だけあって似てるからな、
遠目に見て美咲に見えたんだろう。
☆
「今日も多いな」
いつもの体育館の脇にある木陰で昼食中なのだが、今日も人口が多い。
俺、太一、響は一学期からの継続なのだが、二学期になってから人が増えた。
増えたメンバーというのが長谷川、川上、柳瀬だ。
以前からたまに参加したりしていたのだが、二学期になってから固定した。
俺の仲良しグループ+響という構成が出来上がった。
まあ、ここまでは分かる。川上や柳瀬は響とも交流があるし、長谷川はもう言わずもがなだ。
「響さん、ちょっと明人さんに寄りすぎじゃないですか?」
「あら、そういう愛さんこそ便乗して明人君に近づいているじゃない」
一学期に何度か一緒に食べたことがあったからか、愛たちもここで食べるようになったのだ。
花音や留美も、愛の必死のお願いという脅し(クラスのみんながいる前で土下座してお願いしたらしい)に屈したらしく、もう何も言わずに付き添っている。
おかげで毎日賑やかというか騒がしい。
まあ、これもぎりぎり許容しよう。
「おい、太一。お前の肉団子と私のししとうを交換しないか?」
「それ絶対等価交換じゃないっすよね? 嫌いなのを自分が好きなのと交換しようとしてるだけっすよね?」
何故か、会長たちまで参加してる。
柏木さんはともかく、大熊や佐渡島まで。
おかげで大所帯になり、やけに目立っている気がする。
「どうした木崎? 箸が進んでないぞ。きれいどころに囲まれて喉が通らないか?」
「会長……確かにみんな可愛いけど、もっと落ち着いて食べたい」
「楽しいからいいじゃないか。食事は楽しむものだぞ」
言ってることは分かるけど、おとなしいのは花音、西本、佐渡島くらいであとは騒がしい。
西本と佐渡島は元々仲が良いのか、二人で雑談しながら食事を進める。いたってマイペースで平和な感じだ。
平和じゃない感じなのは――。
響は愛だけでなく大熊とも火花を散らす時がある。
愛はすぐに暴走するので、響か留美が体を張って阻止。
南さんは響にすぐちょっかいをかけ、振られると柏木さんに甘える。
会長と柏木さんはあまり仲が良くなく、よく喧嘩する。
川上と柳瀬は煽りの才があるのか、火に油を注ぐ発言が多く、長谷川は鎮火担当のように仲裁役に回っている。
太一は巻き込まれたり、八つ当たりされたりして可哀想な時がある。
頼むから飯時くらいは落ち着いていてほしい。
一騒ぎ起きては落ち着くの繰り返し。楽しいのは楽しいのだけれど、もうちょっとゆっくり味わいたい。
それぞれに持参の弁当を抱えているのだが、響だけは例外である。
前も二段重ねの重箱弁当で量が多かったのだが、今日はそれをさらに上回る三段重ねだ。
中身もぎっしり詰まっていて、これは一体何人分なんだと思える量である。
高級素材もふんだんに使っており、味付けもプロが作っただけあって美味い。
だが、適切な量という点では間違っているとしか言いようがない。
響の弁当は大きな重箱で、明らかに響の食べられる量(元々響は食が細い)を超えている。
俺や太一が分けてもらっても、消化しきれないほどだった。
「響の弁当は量を明らかに間違ってるよな?」
「二学期になってから一緒に食べる人数が増えたでしょ? それに私のお弁当はどうせ食べ切れないし、お抱えシェフがお弟子さんたちを鍛えるついでに作っているいわゆる試作だから、皆に提供しても全然問題ないわ。ちゃんと報告はしてるのよ。で、人数が増えたことを言ったら結果こうなったわ」
ああ、ここにいるみんな響の弁当をつまんでるしな。
俺たちも美味いおかずが増える、響も食べ切れないから残すことへの罪悪感がなくなるで、お互いWIN-WINの関係が成立していた。それが裏目に出たらしい。
だが、それを喜ぶやつもいる。
「こんだけあるなら遠慮しなくていい?」
目をキラキラと輝かせる会長だった。
兄弟姉妹の数が9人と数が多い会長の家では飯時の諍いが多いらしく、おかずの取り合いなど日常茶飯事らしい。だからなのか、会長は食に関してだけは貪欲だ。
「兄ちゃんや弟たちがガツガツ食うから私の取り分が減るんだ」
と、会長は重箱から魚の切り身をつまみながら言った。
同じ金持ちでもある南さんは俺たちと似たような質素なお弁当だ。
弁当の中身は柏木さんと同じで、柏木さんが作っているらしい。
昔は豪華な弁当だったが、周りと同じようなお弁当が食べたいと、柏木さんに相談したのがきっかけだそうだ。一人だけ豪華な弁当というのは気恥ずかしいものがあったそうだ。
変態だけど一応そういう心は持っているらしい。
だが、それは南さんの弁当をあてにしていた北野さんにはショックだったようだ。
「華の弁当は私の楽しみだったのに……。見ろ、おかげで私の胸は成長が止まった」
北野さんは自分の胸を撫でまわして言った。
まあ、確かに会長の胸はここにいるメンバーの中では控えめな方だ。
この人が言うと嫌味に聞こえないから不思議だ。
「それは関係ないでしょう。あなたの家で胸が小さいのは舞だけじゃない」
「そこ! なんで姉妹の中で私だけ胸がないの? おかしいと思わない? 同じもの食べてるんだよ」
「彼に大きくしてもらえばいいじゃありませんの」
南さんの言葉に会長は、口をパクパクとさせて顔を赤くした。
北野さんは男勝りでぶっきらぼうな性格をしているが、こう見えて彼氏持ちだ。
彼氏は先代の生徒会長で今は清和大学に通っている。
「い、いや。そういうのはまだ早いから。あの人もそう言ってくれてるし」
どうやら彼氏とは純情なお付き合いをしているらしい。
「セックスはまだでも、キスぐらいはしたのでしょう?」
南さんは恥ずかしさや照れなど一片も見せずにずばずば言う。
「セ、セセセセセックスとかいうな!」
「舞は相変わらずそっち方面は照れ屋さんなのね」
「お前がおかしいんだ! 見ろ、周り――あれ?」
顔を真っ赤っかにしてるのは花音だけで、その他は何やら会長を期待した目で見ている。
「ほら、ごらんなさい。みんなも気になってるみたいよ? 今日は舞の彼氏との楽しいお話を聞かせていただきたいわ」
南さんは意地悪そうににんまりと笑って言った。
「言わないから! 絶対言わないから!」
俺も少しばかり気になる。
俺も恋愛というものを学びたい。
「南さん、会長の彼氏さん――先代の会長ってどんなタイプなんです?」
「草食系で牧場にいる羊を思い出すような、ここにいる人で言うなら、西本さんと同じタイプですわ」
ああ、癒し系の人なんだ。
「そこっ! 余計なこと言うな!」
「会長は彼のどういうところが好きに?」
愛が便乗してきた。この手の話題は愛の大好物だ。
川上がメモを、柳瀬が携帯を素早く取り出す。
みんなの視線が会長に集まり、逃れられないと判断したのか、いつもの豪快さなど微塵も見せずに照れたように答える。
「……えーっと、一緒にいて落ち着くところかな。ほ、ほら、私こういう性格だから男受けよくないんだけど、彼の場合はそういうのお構いなしに全部包んでくれる感じで……そういうところが……好き」
段々とトーンダウンしていき、最後は会長らしくない聞こえるか聞こえないくらいの声で言った。
もう顔から耳から首筋まで真っ赤っかで、こういう北野さんはすごく珍しい。
「彼氏に甘える舞をみたら皆さん引くと思いますわ。こう見えて舞も乙女ですから」
「うるさい! ああっ、もうこの話止め止め――ああ、そうだ。そういえば木崎が一緒に住んでる藤原さんが学校に来てたね。何しに来てたの? 華は藤原さんじゃないって言ってるんだけど」
何とか話を変えようとする会長。
もう少し話を聞きたいところだが、あまりいじりすぎて豹変しても怖いからな。
「南さんの言ってることも合ってますよ。あの人は美咲じゃなくて美咲のお姉さんです」
「あんな顔が二人もいるの!?」
まあ、確かにきれいな顔してるんですけど、二人揃って中身は残念なんです。
「南さんはよく分かりましたね? 遠目だと俺も見間違うくらいなのに」
「私、女性の顔を見間違うことは決してありませんの」
そういう人でした。
「お姉さん小説家なんですよ。体育祭の練習を取材したかったみたいです」
「へえ、そうなのか。体育祭の取材か……体育祭、私らも今年で最後なんだよな」
「成績不振で留年すれば、来年も参加できますわ。舞なら可能性がありますもの」
「おい華、縁起でもないこと言うなよ!」
「冗談ですわ。私がいるのに留年なんてさせませんわよ」
ここにいる北野さん、南さん、柏木さんは三年生で受験が控えている。それぞれ大学に進学予定だ。
そのことを口にすると、北野さんは少しだけ顔を曇らせた。
「うちはさー、兄ちゃんと姉ちゃんらは高校出てすぐに働いた。兄ちゃんらからはお前は大学に行けって言われてる。そういうときだけ上ぶるんだよ。兄ちゃんらの期待に応えないとね」
大学費用がいかに大きなものか会長も分かっている。
兄弟姉妹の人数が多い会長は、自分も大学に行くことを諦めていた。だが、両親を始めとした長兄、次兄、長女から会長は進学を諦めていたことを「勝手に決めるな」と、叱られたらしい。その後の家族会議で進学を希望することが決まり、北野さんはそれがきっかけで生徒会入りを目指すことにしたという。
「まあ、動機は不純で内申点稼ぎだよ。でもやるからにはちゃんとするつもりだった」
そんな北野さんを陰から支えるのが南さん。
「頭の弱い舞だけに任せておいたら企画なんてものはなくてよ」
「お前は企画できるくせに、実行力とか決断力が乏しいだろ!」
「そういうのは舞の仕事ですわ!」
会長と副会長はなんやかんやと良いペアだと思う。
中学からの付き合いだそうだが、南さんは北野さんのことを人間的に尊敬している。学力優秀の南さんが会長と柏木さんに高校に上がるときも勉強を教えていたそうだ。
「当時も冷や冷やしたものですわ。雪ちゃんは大丈夫でしたけど、舞の場合ギリギリだったものですから」
「ごめんって――でも、ここに来て良かった。こうやって一年から三年まで集まって昼ご飯食べるとか最高じゃん」
「何をもう終わりみたいなことを言ってるんですの。まだまだイベントは山ほどあるのですからね。表だったところは実行委員会に任せるにしても、裏方や後始末は私たちの仕事ですのよ」
「へいへい、分かってますよ。交代するまでは気を緩めないさ」
人数が多くて騒がしい昼食だけれど、その反面、人との交流が心地よく、いつまでも続いて欲しいと思うのもまた事実だった。
お読みいただきましてありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。