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帰路  作者: まるだまる
367/406

363 腐海からの使者1

 夏休みが終わり新学期が始まった。 

 我が校の始業式は9月1日。この日は防災の日でもある。

 始業式のあと、防災訓練を行ってからHRののち解散となる。

 我が校では年に3回こういった訓練が行われ、4月は火事を想定した訓練、9月は地震を想定した訓練、そして3学期には市が主催する防災訓練に参加する。


 いつだって天災は予告などしてくれず、不意に襲ってくるものだ。訓練したほうがいいのは分かっているが、いまいち現実感がないのが難点なところか。


 まずは実際に起きた地震で被害を受けた学校のビデオ映像を体育館で見せられた。

 実際に被災した人から、なくて困った物の紹介もあった。

 そういえば、家に非常持ち出し袋なる物がしまってある。確かリュック型のものだった。

 当時、母親から万が一家で一人でいた場合に地震災害が起きたときは、これを持って逃げなさいと言われた記憶がある。まだ家族の関係がよかったころの記憶だ。嫌なことだけど、大事なことを思い出した。


 見終わったあと、教室に戻ってから避難訓練の放送がかかるまで教室で待機。

 

 待っている間に担任の菅原先生から、大きな地震で扉や窓が歪んで開かなくなった話や、余震で割れた窓ガラスが落ちてきて、通行が困難な状況も起こりうる話を聞いた。訓練ではそういう状況が体感できない。

 こういうところがいまいち現実感に乏しいところだと思う。


 そうこうしているうちに、『防災訓練、地震が発生中』と放送が入る。

 お約束のように机の下に身を隠す。小学生の頃からやっているが、その頃に比べて体が大きくなった今では、身を隠しきれてないように思う。頭隠して尻隠さずを地でやってる気がする。


 それから『防災訓練、地震が収まりました。在校生は誘導に従ってグラウンドに避難してください。窓に近づかないように注意して避難してください』と、放送が入った。

 

 先生の誘導に従い避難開始。

 

「はい、慌てないで、走らないように。足元、周りの状況を確認しながら進むように」

 通路にはすでに配置についた先生たちが生徒たちを誘導していく。

 

 階段の踊り場から聞こえる誘導の声。

 腕章を巻いた生徒が誘導を手伝っていた。


「足元注意して、押さないように、順番に」


 聞いたことのある声だと思ったら、生徒会長の北野さんだった。

 玄関脇には響の姿もあった。前は気が付かなかったけど、生徒会が誘導役に当たっていたのか。姿は見えないけれど、南さんや西本もどこかにいるのだろう。俺が知らなかっただけで、生徒会は色々なところで活動しているようだ。


 無事に防災訓練が終わり、それぞれの教室で戻ってHR開始。

 このあとは連絡事項を聞いて解散だ。


「はい、お疲れ様。それじゃあHR始めようか」

 

 担任の菅原先生がなんだかいつもよりもご機嫌なのが気になる。GW明けのときとは大違いだ。なんというか幸せオーラというのだろうか。時々思い出したように笑顔が垣間見え、傍から見ていても何か嬉しいことがあったんだろうと分かる。

 菅原先生には坂本先生と違って彼氏がいるという噂だが、その彼と何かあったのだろうか。


 HR中に夏の課題や通信簿などの提出物をそれぞれ提出。

 課題に苦労した太一や川上もしっかりと提出した。

 そのあと簡単に秋の行事説明が行われ、秋のイベントの多さに先の苦労が目に浮かぶ。


 2学期は9月半ばに体育祭、月が変わってすぐに修学旅行。月末に中間試験、11月半ばに文化祭、12月の二週目には期末試験と毎月何かしらのイベントが待っている。

 それぞれ準備も含めて冬休みの始まる12月後半まで3か月半でこなさなくてはならないのだ。

 響から聞いている生徒会の情報では既に下準備は終えていて、各種イベントは実行委員会にバトンを渡し、生徒会としてはサポートするだけらしい。これは毎年の生徒会が同じように行っていることのようだ。

 

 俺が楽しみにしているのは京都への修学旅行だ。

 俺自身行ったことがないだけに、日本が誇る歴史的な観光名所を満喫したい。

 限られた時間の中でどこまで見れるか分からないけれど、可能な限り見て回りたい。


 菅原先生から説明が終わり、そろそろ解散かなと思っていると、俺の視界に変なものが映った。

 通路からこそこそ隠れて教室を覗いている生き物がいる。

 その生き物の名は――坂本亜紀。我がクラスの数学担当であり、E組の担任である。

 うちのクラスより先にHRが終わったらしい。


 坂本先生と菅原先生は同じ大学出身の先輩後輩だ。

 年齢的に同時期に在学していたわけではないが、坂本先生は菅原先生を「かんちゃん」と呼んで可愛がり、菅原先生は坂本先生を「あっきー先輩」と呼んで懐いている。公私ともに仲の良い間柄だ。

 菅原先生は教師になってから経験値が乏しく、言わば修行の身。

 そんな菅原先生を坂本先生はよくサポートしている。


 今日もそうなのかと思ったのだが、今日の坂本先生は少し様子が違った。

 何だろう、あの身にまとっている負のオーラは。

 ドロドロしいというより禍々しい。

 通路から一番遠い窓際に座る俺の席からでも遠目で分かるほどだった。

 なんとなく予想できるのは、坂本先生が夏の婚活をまた失敗したってところか。

 俺は去年の夏休み明けにその状態を知っている。

 なんせ去年の担任だ。婚活に失敗して、かなり落ち込んでいたのは覚えてる。

 E組連中も可哀想だな。

 坂本先生の放つ瘴気に当てられてなければいいが。


 坂本先生の視線の先は菅原先生で、その一挙一動をじっくりと見ている感じだ。

 ああ、あれか。

 菅原先生が幸せオーラを出しているから気になってるんだな。

 坂本先生は人の幸せオーラに敏感だ。

 なんでそこまで敏感なのかはあえて説明をやめておこう。


 俺のほかに何人かが坂本先生の存在に気付く。

 みんな見て見ぬふりをしようとするのは、禍々しい気配を感じたからか。

 特に通路側のやつらは見たら命にかかわると本能的に感じているのか、決して坂本先生に視線を向けず、みんな緊張した面持ちになっている。太一も気付いているようで既に体を震わせている。 

 そんな中、我がクラスの常識筆頭、最前列マイスターこと赤城さんがすっと手を挙げた。

 急に目の前の赤城さんが手を挙げたので、菅原先生も軽くびっくりした。

「赤城さんどうしたの?」

「先生はこの夏休みにいいことあったんですか? すごく嬉しそうなんですけど」

「えっ!? もしかして態度に出てる?」

「はい、すごく」

「……えっと、まだ正式には決まってないんだけど、言っちゃうね」

 本当はすごく言いたかったのだろう。

 とても嬉々としている。

「先生はこの夏お付き合いしている彼からプロポーズされました!」

 菅原先生は頬を染めながら言い切った。

 クラスの反応は二分した。

 先生に同調するように嬉々する者と恐怖する者。

 前者は坂本先生の存在を認識していない、後者は認識している者だろう。

 俺は当然、後者だった。そして、赤城さんも俺と同じ後者だった。

「先生、今日は一日気を付けてください」

「え、何で?」

「アレが怖いからです」

 赤城さんは直接見るのが怖いのか、顔を向けずに通路に向かって指差す。

「アレ?」

 菅原先生は指差された方向へ視線を向けると、ぎょっとしてその場で固まった。

 菅原先生の顔がさぁっと一気に青くなる。

 おそらく坂本先生と目が合ったのだろう。

 菅原先生はそのままその場で倒れ、気を失った。

 

 うちのクラスは始業式初日のHRから菅原先生を保健室へ搬送やら、坂本先生を菅原先生に近づけさせない戦いが始まるなどの大騒ぎとなってしまった。(クラスの勇気ある有志が身を張って守り抜いたらしい。)

 まあ、一日経てば坂本先生も忘れてケロッとしているから、菅原先生も幸せオーラを自制して、話題にさえ出さなければ大丈夫だろう。

 しかし、坂本先生は本当に段々と妖怪化してるような気がする。


 ☆


「――と、まあ、こんなことがあった」

「……それは菅原先生もお気の毒ね。……あれは関わらない方がいいわ。クラスにいると自分の運気がどんどん下がっていく気がしたもの」

 俺の話を聞いて響も青い顔で答える。

 どうやら坂本先生は自分のクラスでも瘴気をずっと放っていたらしい。


 HRが終わって、クラスの仲の良いメンバーに響と愛が加わった面子で集まって雑談。

 部活も生徒会もなく、みんなそれぞれ今日は帰るだけだったのだが、ちょっと雑談してから帰ろうとなった。俺もバイトまでは時間があるので、今日はゆっくりしてから帰る予定だ。

 まだ晃が夏休み中なので我が家にいるから美咲の飯も問題ない。

 大学生は休みが長いと言っていたが、羨ましいのもあるけれど、本当にそれでいいのかと思う。

 

「二週間で体育祭とかきつくね?」

「日程的にそれはしょうがないわ」


 話題は二週間後に行われる体育祭のことだった。

 我が校の体育祭は各組で5つの組に分かれて編成される。

 A組なら1年から3年までが同じ組だ。

 とはいっても、一緒になってやるのは応援合戦くらいで、各種競技は各学年ごとだ。

 応援合戦は実行委員とは応援団が結成されて行うので、その指示に従うだけだ。

 


「愛は運動音痴なので足を引っ張ってしまいます。団体と個人の一つずつしか出ませんけど」

「団体競技ってなんだったっけ?」

「おいおい明人、もう忘れたのかよ。綱引きと20人脚だっただろ」

 ああ、あれか。あれ小学生の時もやったけど意外ときついんだよな。

 リズムとか歩幅とかきっちり揃うとマジで速いけれど、愛には苦手な部類だろう。

「愛は綱引きに出るつもりです」

 綱引きの場合、姉妹揃って馬鹿力の愛にとっては有利と思える。

 ただし、リミッターが外れていた場合に限るだろうが。

 響からの報告によると、普段の愛は自分が何もできないと思い込んでいて、いわばリミッターが作動している状況らしい。愛の気分によってかなり幅も変わるらしく、響ですら窮地に追い込まれることもあるという。

「二年生のは?」

「二年生は男女混合大縄跳びよ。どのクラスが一番残っていられるかの耐久レースね」

「学年ごとの個人競技は何をやるんですか? 一年生は障害物競走って聞きましたけど」

「二年生は着衣競走だね。別名コスプレ競走ともいう。柳瀬的にも盛り上げたいところだが、自分の学年だから放送できないのが残念だ」

「たいてい男子の方に女装が入ってるからね。去年はなかなか見ごたえがあった。新聞部は稼ぎ時でもあるから写真撮りまくりだけどね」

 新聞部は校内イベントの写真を貼りだして希望者からの発注を受け付けている。

 あくまで利益が出ないようにしているらしいが、秘密裏に色々と商売しているという噂は絶えない。

「あれは悪意を感じたぞ。筋肉モリモリの奴がミニスカとか、デブのや奴に魔法少女の格好とか誰得だよ?」

「「面白ければそれでいいじゃん」」 

 川上と柳瀬が真面目な顔で言った。

 こいつらはそういうやつだった。

「残念ながら今年はそういった競技はないわよ。全部教員側で没になったから。個人競技は徒競走だけよ」

「マジで!? それってつまんなーい」

「リレーを盛り上げたいっていうのが、教員側からの意見よ」 

「まあ、盛り上がるのは最後のリレーだよな。各学年からの選抜だし、響は今年も出るんだろ?」

「いえ、今年は私も制限対象になるみたい」

「東条さんぶっちぎりだもんね。陸上部より速いのなんて普通いないよ?」

「陸上部も出れるんですか? そんなの反則じゃないですか!」

「ああ、違う違う。陸上部は制限あるよ。でも、東条さん制限ある陸上部より速いのよ」

「うらやましい限りです。愛なんて亀なのに」


 瞬歩が使えるくせに何を言ってるんだろう。

 それに俺を追いかけてきたあの足、あの速さは響でも無理だと思うぞ。

 俺だって短距離ならば太一には負けるが足の遅い方じゃない。


「去年はその件で揉めたのよ。まあ私も二年連続で出なくていいから助かるけれど、他の競技に回されても出るからには勝ちに行くわ」

 勝負ごとにこだわる響の場合、参加したが最後、手を抜くことは絶対にしないだろう。



 ☆


 響の迎えが来たので解散することにした。

 太一とともに帰路へと向かう。

 太一にとってはかなり遠回りとなるのだが、俺の家に寄る予定だ。

 帰る前に太一の分も食事を用意してもらうよう晃には連絡しておいた。


「お前が帰りに俺んちに寄るなんて、何かあったのか?」

「……お前に渡しておきたい物がある。家に着いてから見せる」


 なんだかもったいぶった言い方の太一だった。


 家に着いて、美咲と晃の出迎えを受ける。


「ただいま」

「明人君お帰り~。太一君もいらっしゃい」

「こんちわっす。お昼ごちそうになります!」


 それから食事を一緒に済ませ、俺の部屋へと移動。

 太一は部屋に入るなり、俺の部屋の鍵をかけた。


「おい、何で部屋の鍵をかけるんだ?」 

「今、美咲さんたちに部屋に入られたらまずい。お前にお宝のおすそ分けをしようと思ってな」

「お宝?」


 太一はカバンの中から紙袋を取り出す。

 

「これは今日入手した戦友からの譲渡品だ。夏コミで手に入れたらしい」

「もしかして……アレ系か?」

「ああ、俺もまだ見てないから中身はどうとは言えんが、かなりのものらしい」


 紙袋の中から薄っぺらい本が10冊ほど出てくる。

 どの表紙も萌え可愛い女の子だった。端っこにR18とか成人指定とか書かれている。


「どうやって手に入れた?」

「そいつには成人の兄貴がいる。頼んだらしい」

「マジか!?」 

「うちは、母さんはスルーしてくれるけど綾乃が駄目だ。見つかったらびりびりに破かれて捨てられる。明人もこういうの生で持ってないだろ?」

「うん。たまにネットでちらっと見るくらいにしてる」


 そう、俺だって男だ。そういったものに興味はある。

 以前はバイト生活に身を投じていたのもあるが、てんやわん屋に勤め始めてからは少しばかり買ったりもしていた。買ったといってもちょっぴりエロイ未成年でも購入できるレベルで、成人指定やR18のものはいまだに買ったことがない。買う勇気がないのだ。

 

 太一からネットでそういうのが見れると教わり、俺は家に本を置いておくのを止めた。

 それがちょうど美咲が家に居候しに来るちょっと前の話だ。

 響や愛、それと目の前にいる太一がこの部屋の中を捜索したときも、そういった物が出ないのは当然だったのだ。


 そう頻繁に見てるわけではないが、その日の刺激があまりにも激しかった場合は活用させてもらったりしている。賢者モードとはよくいったものだ。

 

 ネットで見れるといっても、それはほんの一握りであり、太一が安全だと教えてくれたものしか俺は見ていない。

 コミケでしか手に入らないものもあると聞く。

 太一が出した紙袋の中にはそれそのものが入っていたのだった。

 俺は一冊手に取る。思わずごくりと生唾を飲み込んでしまう。

 パラパラとめくるとそれはもう『表現を控えさせていただきます』レベルのものだった。


「全部俺が持って帰って綾乃に見つかったらアウトだ。あらかじめお前に一部を託したい。頼むぜ親友」

「任せろ親友。命に代えても太一から託されたこの本は俺が死守する」

「よし、それでこそ我が親友。読み終わったものから互いに渡しあうでいいな?」

「ああ、それでいい」

「とりあえず明人よ。今のうちに隠しとけ。後でじっくり見ればいい」

「わかった。一応お前も隠し場所は知っておいてくれ。俺に万が一があったときは処分を頼む」

「任せろ。今度俺の家にきたら俺も教える。俺の時も頼むぞ」

「任せろ。男の約束だ」


 男の熱い約束が交わされた。

 

 ☆

 階段下に降りると、ちょうどリビングから美咲が出てきた。

 晃が一緒にいないのは珍しいな。


「あれ? 太一君もう帰っちゃうの?」

「あ、ちょっと用事があるんで。お邪魔しました」


 太一は帰って自室の隠す場所を検討するらしい。

   

「今、晃ちゃんに羊羹ようかんの基礎を教わって、できたから二人にも味見してもらおうかと思ったんだけど」

 嫌な予感しかしねえ。

「おい美咲、その晃さんの姿がないけどどこだ?」

「……ここ」

 リビングの扉が開けられて、そこに横たわる晃の姿があった。

「晃さん、倒れてるじゃん!」

「晃ちゃん今日はちょっと調子悪いって言ってたし、元気な明人君たちなら耐えられると思うんだよ」

羊羹ようかんは耐えて食べるものじゃねえ! 太一、すぐに帰った方がいい」

「いや、それより晃さんは大丈夫なのかよ?」

 丈夫な晃だ。とりあえずは死んでねえだろ。

「二人とも食べてくれるよね?」

 じりじりと寄ってくる美咲から太一をかばうようにして後退。

「太一はやらせねえ」

 太一を逃がすように玄関の扉を開けると、そこには思いもよらぬ人が立っていた。


「ぐったーいむ!! いただきますっ!」


 そう言って親指を立てると、太一をかばう俺に向かって、スマホを構えてパシャパシャ撮りまくる。

 その人は有名(?)BL作家、馬串刺突先生こと藤原伊織。


 美咲の姉だ。 

 お読みいただきましてありがとうございます。

 次回もよろしくお願いします。

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