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帰路  作者: まるだまる
136/406

135 迷路3

 モニターに『報酬の鍵をお渡しします。グループ全員のカードをかざして下さい』と表示された。

 カードをかざし終えると、モニターに『麒麟きりんの鍵を手に入れました』と表示された。


「……麒麟の鍵、そんなの説明にあったか?」

「あのダルマは、鍵は二つ用意しろと言っていたわね……」

「だよな、あと何がいるのかわからないな」

「とりあえず、もう一つ、キーマスターを探しましょう」


 また迷路をスタート地点へと戻るように逆走していく。

 いくつかの分岐点を超えて戻っていくと、キーマスターを見つけた。

 キーマスターを見つけたというより、人だかりを見つけたが正解なのだが。

 別のグループがキーマスターに挑戦中だった。


「ついでだからやり方見とこうぜ」

「そうね」


 近くに行って、見てみると最初に見た機械と同じタイプ。ボタンが四つ付いていた。


『さあ、次の問題、いくぞ?』

 キーマスターのモニターにはカブトムシのキャラが映っている。

 どうやら、ここのナビキャラのようだ。


『問題:化学式 C6H4Cl2はどれか?』

『A:ニトログリセリン』

『B:クロロベンゼン』

『C:クロロニトロベンゼン』

『D:パラジクロロベンゼン』


 なんだこの問題? そんなのわかるわけねえだろ。こんなにハイレベルなのも出るの?

「これ簡単じゃん! DだよD。歌の動画で見たことあるもん」

 問題をやっていたグループの女の子が言うなりDのボタンを押す。

 いや、それ出処が信頼できるの?

『ピロリロリローン♪ 正解だ。おめでとう。これでクリアだ。鍵を授けよう』

 正解なのかよ⁉ 


 前のグループが鍵を取得して移動を開始する。

 移動する際に俺たちにペコっと頭を下げてきたので、こちらも頭を下げる。

 礼儀には礼儀で返すのが俺の主義だ。

 

 空いたキーマスターに、響と二人カードをかざす。

 画面の端から見たことがある猿が二匹トコトコと現れる。

 一個目の鍵を手に入れた時に現れた猿だ。

 カブトムシじゃねえのかよ。


「また、こいつらか?」

「私たちのナビパートナーなのかしら? 変えてもらいたいわね」

『やあ、また会ったね』

「会いたくねえよ」

「明人君、モニターに話しかけていると変な人に見えるわよ?」


 中の猿が二匹とも何故か大げさに笑っている。

 まるで俺を笑ったかのようだ。むかつく。


『ここではクイズに五問答えてもらうよ。君たちが三問正解すれば鍵をあげるよ』

 左の猿が簡単に説明する。

 右の猿は、また正拳突きを繰り返している。それに何の意味があるのか教えてくれ。

 モニターにクイズ説明が浮かび上がる。これも時間制限型のようだ。

 五問中、三問間違えた時点で、五分間再挑戦できなくなるようだ。

 四択クイズなら、なんとかなるだろう。わからなくても四分の一だからな。


『では第一問いっくよー♪』

『問題一:京都タワーの高さで正しいのはどれ?』


『A:131メートル』

『B:120メートル』

『C:100メートル』

『D:97.4メートル』


「知らねえよ!」

「なぜ京都タワーなの?」

 京都に行ったこと無いし、形もわからねえよ。

 どうやら響も分からない様子。


「どれだ?」

「ひとつだけ小数点があるのはフェイクかしら?」

「東京タワーは333メートルだろ」

「ヒントにならないわ」

 カウントダウンが進む。


「とりあえず一番高いのにしよう」

 ポチッとAのボタンを押すと。


『ピロリロリロ~ン♪ 正解!』

 四分の一の確率に成功した。次の問題に期待しよう。

 モニターの猿たちも喜んでいる。お前ら踊れないのなら無理して踊らなくていいぞ?


『次の問題いってみよー♪』

 猿の合図で新しい問題が表示される。



『問題二:京都市内の通り名で、正しいのはどれ?』


『A:下駄屋町通り』

『B:為替町通り』

『C:衣装棚通り』

『D:鍵屋町通り』


「また京都かよ?」

「京都検定にでも出てきそうな問題ね」

 全くわからない。そもそも、こんな通り名が本当にあるのか?


「この字だったかしら? ……余計な文字がはいっているようで自信がないわ」

 響も悩んでいる。容赦なく進むカウントダウン。


「響、間違ってもいいから選べ!」

「これで!」

 選んだのはDのボタン。


『ピロリロリローン♪ 正解! すごい!』


「あら正解だったわ?」

「おお、運がいい。あと一問だこれならいける」


『次の問題いってみよー♪』

 猿の合図で新しい問題が表示される。


『問題三:京都と名のつく駅から行ける一つめの駅名で、間違ってるのはどれ?』


『A:二条駅』

『B:五条駅』

『C:東寺駅』

『D:東福寺駅』


「どんだけ京都が好きなんだよ?」

「偏ってるわね……」

「響わかるか?」

「東が二つあるのが気になるのだけれど」

 響も完全にお手上げのようだ。

 いや、もうこれ完全にわからない。勘に頼るしかない。


「直感でCだ! 東が二つあるなら、そのどっちかがフェイクだろ」

 Cのボタンを押した。


『ブッブー♪ 残念でした~。間違えちゃったねー』

 くそ。答えはなんだったんだ?


『次の問題いってみよー♪』

 猿の合図で新しい問題が表示される。

 おい、答え教えろよ。夜に眠れなくなるだろ。

 容赦なく次の問題が提示される。


『問題四:明智光秀が築城させたのは、次のうちどれか?』


『A:田辺城』

『B:福知山城』

『C:伏見桃山城』

『D:二条城』

 

「……これ京都の文字ないけど京都の問題だよな」

「……二条城と伏見桃山城は京都にあるわね」

「俺はわからん」

「これはBね。この数年後に本能寺の変を起こしたはずですもの」

 響が絶対の自信を持って答えた。これは安心できそうだ。

 Bのボタンを押すと『ピロリロリローン♪ 正解! おめでとう。鍵をプレゼントするよ』

 猿が画面の中で端から端まで走り回って喜ぶ。


「やっぱりイライラするわ」


 モニターに『報酬の鍵をお渡しします。グループ全員のカードをかざして下さい』と表示された。

 カードをかざし終えると、モニターには『鳳凰ほうおうの鍵を手に入れました』と表示された。


「……なんだかゲームの世界みたいだな」

「他にもあるなら、次は四神獣あたりかしら?」

「玄武とか白虎とかか? 意外だな、響がそういうのわかるって思わなかった」

「母が、そういうのに詳しいのよ。私には意味がわからないけれど」

 静さんは、おそらくゲームで覚えたに違いない。

 とりあえず鍵を二つ手に入れたことだし、一度関門に行ってみることにした。



 関門までの道のりを早足で抜けていく。右へ左へと進んでいく。

 ようやく関門のところまで戻り、機械にカードをかざしてみる。

 カードをかざすと鍵が表示された。画面の端からヒゲダルマが現れ、鍵を掴む。


『ほほう、鍵を持ってきたか。では、今日の組み合わせを発表しよう……』


 もったいぶったように瞼を閉じるヒゲダルマ。

 目をクワっと見開くと同時に、『鳳凰と麒麟じゃあ!』と、言った。


「一発来た!」

「あら……少し残念」

 無表情に言うので残念そうな顔には見えない響だった。


 なにはともあれ関門突破だ。次のステージへゴー。

 お読みいただきましてありがとうございます。

 次回もよろしくお願いします。


『問題三:京都と名のつく駅から行ける一つめの駅名で、間違ってるのはどれ?』

『A:二条駅』

『B:五条駅』

『C:東寺駅』

『D:東福寺駅』

|ω`)問題の答えはAの二条駅でした。間に丹波口駅があります。

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