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ホワイトクエレブレ  作者: うじきんとき
9/34

竜人の戦慄

トノバ・デマーレ ♂ 21歳

目が鋭く痩せ型 額には1つのクリスタル 色はグリーンである。

彼は二か月前 ここに赴任した。

赴任先は王国領北端辺境の城塞都市ザント

ノーサン子爵直属第1師団


彼はプライドが高かった、額のグリーンクリスタルがその性格を助長させた。

協調性もなくそんな性格もあり、孤立していった。


自分が親衛隊ではなく、辺境の、しかも子爵の隊に配属された事に不満を抱いていた。


「デマーレ殿、出陣招集がかかりましたのでご準備下さい。」

と伝令の兵士が伝えてきた。


彼は何も言わず立ち上がったが、彼の目の奥には光る何かがあった。



ノーサン・グレイ子爵の元にはザント北西へと続く街道沿いに

二人の竜人がザントに向かっていると報告を受けていた。


竜人は滅多に現れる事はない、現れるとしてもいつも必ず一人だ

なのに今回は二人

一騎当千とも言われる竜人が二人である。

彼らは味方ではない、が敵でもない。

アルフノーテス山脈に踏み込みクリスタルを狙う馬鹿な連中がいるのだが

そう言った事があると、事と次第によっては

使者を派遣してくることがある。

今回もそれなのか? なら何故二人?


「第一師団に戦闘準備をさせろ」

「はっ」


と副官に指示を出した。

怪訝そうな顔をする副官ではあったが何も言わなかった

そう戦力差は歴然ではあるが、敢えて敵意は無いと言う形なのだ。


まぁ、会って真意を確認するしかあるまいな。 と心の中でノーサンは呟いていた。



ノーサン子爵直属第1師団は竜人の目撃があった街道を隊列を組んで北上していた。

暗黒騎士

 ブルー 20

 レッド 20

暗黒戦士

 ブルー 60

 レッド 20

レンジャー隊

 ブルー 20

召還師

 ブルー  4

呪術師

 ブルー 16

付与魔術師

 ブルー  4

魔術師

 ブルー  9

 レッド  6

 グリーン 1

僧侶

 ブルー 14

 レッド  6

ノーサン子爵

の総勢201名である。


騎士を先頭に、戦士、レンジャー、キャスター、最後尾には僧侶といった

縦の陣形である。


竜人二人が視認できるあたりでノーサンは隊列の先頭まで移動した。


「止まれ」

右手を挙げてノーサンは指示を出す。

その指示に合わせて、隊列は停止した。

レンジャーの臭覚スキルで視認されない位置で戦闘のバフは全て掛かっている状態

戦闘する気は無いが臨戦態勢である。

指示するまで手は出さないように伝えてある。


そこでノーサンはゆっくりこちらに歩んで来る二人の竜人を観察した。

二人とも青紫の肌の色をし、身長は2メートルくらいで大柄

装備といっても腰布しか巻いておらず、

一人はその腰に頭部は30センチ程度のメイス2本を左右に

ぶら下げているだけ、もう一人に関しては武器すら携帯していなかった。

が、その姿を見てもなお、ノーサンは恐怖で緊張していた。


その中二人の竜人は少しずつ近寄ってきた。


ノーサン前方20メートルくらいに近づき、ノーサンが言葉を発しようとした


その瞬間


部隊後方で あろうことか ・・


「エレメンタル インスェ」

魔術師の攻撃呪文を詠唱する呟きが


と、耳が、脳が感知した まさにその瞬間


武器も持たない竜人の一人は詠唱を始めた

そう、トノバの正面まで駆け抜け彼の顔面を殴りつけ

殴りつけられた彼の顔は一瞬で粉砕、

続けざまにその竜人は少し腰を落とすと左手を地面に落とし、そこを中心に開脚旋回

竜人の回転する足で周囲のキャスターを薙ぎ払い、

中腰の姿勢に移行した竜人は傍に立つキャスターに対して手のひらをキャスターに押し当てる

ように正拳突きをし、その勢いで吹き飛ばされたキャスターは、

その後ろにいるキャスター数名を巻き込みぼろ屑のように吹き飛ばされ

その吹き飛ばされる体より早く移動した竜人は更に奥へと移動し

更に同様に次々とキャスターを吹き飛ばし始めた。


その竜人と同じタイミングでもう一人の竜人も動いていた、

彼は最初に左右のメイスを逆手に交互に持ったかと思うと、

ノーサンの視界から消えた

正しく言うとヘルムを被った彼の頭は斜め後方に位置していた副官の胸元に吹き飛んでいたのである。

もう一人の竜人はその後、自分の前方にいる者に対して軽く流れるように1発ずつ

メイスを水平に振り回し、メイスの先端が当たった部分は鎧を装備していてもそのまま

えぐれたように吹き飛んだ、

盾があろうが剣を持ってようが全く関係なかった

メイスの軌道の空間には、何も存在しない、出来ない程の力の暴力である。


部隊がその一瞬の力の暴力に対して恐怖へと感情が移行する次の瞬間

虚を突かれ胸元にノーサンの頭部を含むヘルムを持った副官が叫んだ。


「ま、 まってくれ! 降参する 待ってくれ」と


二人の竜人はその声に反応し、動きを止めたのである。


その一瞬の出来事で部隊は

死者49名 負傷者3名の被害を受けたのである。


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