レブ
ゼノは単身で出かけようとする事に執事であるバックスは
従者を伴わず出歩くのは危険ですと言ってきたが
従者を今から雇っている時間もないので
バックスに信用出来る従者を雇っておくよう指示を出し邸宅を後にした
邸宅を出たゼノはそのままの足で、昨日とった宿へ向かい、
その宿でレンジャー装備に着替えて宿を後にした。
冒険者ギルドに寄り、荷馬車の手配をしてもらい
手配してもらっている間に、旅行鞄とヨーマに似合いそうな
洋服を買っておいた。
そしてその後借りた荷馬車で自分の村へと戻ったのだった。
我が家についた頃は日はとっくに暮れていた。
家ではヨーマが待っていた。
「ただいま戻ったよ」
「おかえりなさい あなた」
ヨーマは家を出る時と同じ様子だったので
何事もなかった事に一つ胸をなで下ろした
が、彼は同じ様子でないことはすぐにわかったのである
彼女は拾ってきたこの子を完全に我が子の様に扱い話す姿に
「でね、この子ったら全然泣かないのよ」
「レブったら寝てばっかりで動かないから心配なのよね」
って、レブって誰だ?
「レブ?」
ヨーマは勝手にこの子に名前を付けていた。
別にいいけど、相談してくれてもいいじゃ無いかとゼノは少し寂しかったが
ヨーマが付けたんだからまぁいいかと勝手に納得して
「いい名前だな」
ヨーマはニッコリしてそうでしょと言った顔をするのでゼノはそれ以上何も言わなかった。
赤ん坊の名前は
レブ・トルーマ ♂0歳である。
「なあ、レブをどう育てているんだ?」
ふとゼノは母乳が出ないヨーマがどうやって母乳を与えているか疑問に思って聞いてみた。
「そうなのよ、私はお乳が出ないから近所で山羊のミルクを分けてもらい口うつしであげてるのよ」
一瞬ゼノはギョッとしたが、仕方ないなと考え話題を切り替えた
「クリスタルが思った以上に高く売れてな、ザントに家を買った。」
「えっ、そんなに?」
彼女は家を買った事実とそんな高く買い取ってもらえたんだと知り
嬉しそうな目をしていたが、ゼノは話を続けた
「で、早速だが今からその家に引っ越すぞ 支度をしてくれ」
「ああ、金は十分にあるから身一つでいいからな」
と、彼女が行動する前に付け加えた。
ゼノは町で購入した旅行鞄にクリスタルを詰め込み、
ヨーマとレブを荷馬車に乗せ、村を後にしたのだった。
戻ったゼノは途中で冒険者ギルドに寄り、更に35金貨を手に入れていたのである。
子供の名前はちゃんと夫婦で話し合って決めましょう。