AshTray
最後、だよね。
そう言いながら、濡れたベッドに手を伸ばす。
くすんだランプ。
ぴゅうぴゅうとなる窓。
枕元には、明日の天気。
腕の下に、君の髪。
下には、もみくちゃに乱れたシーツ。
どんなにどんなに燃え上がったとしても。
最後の最後は、湿気を帯びて。
結局、不完全燃焼。
四角い角と、角を見つめながら。
流れる水の音を聞く。
ざぁざぁ。
煙をあげながら、一息。
赤い火も、もう消えた。
大きく吸い込んでも、その香りが肺を満たすことはない。
もう、咳き込むこともない。
開け放たれたドアの外に。
そこまで言って、何を想像しているの?
冷たい吸殻が一本。
お疲れ様でした。おやすみなさい。