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ホリック・ワーカー  作者: 舌百合
序章 ゲーム開始
2/11

2

・・・ゲーム開始当日・・・


 ようやくこの日がやってまいりました。この1ヶ月は仕事ができないことがこんなにも苦痛なのかと思い知らされたので早く働きたい。労働バンザーイ!

おっとテンションがおかしいことになっている。落ち着かないと。

 原因はわかってるのだけれども・・・台所から聞こえる朝ごはんを音のせいだと思う。寝て起きても愛ちゃん帰ってなかったよ!?


 愛ちゃんと朝ごはんを食べたあと、スタートまで時間がまだあるのでゲームの設定を思い出すことにする。

ゲームの世界は良くある中世あたりでプラスとして魔法とかの技術は発達している。だが銃も作れるので結構その辺は適当みたいだ。作るのは難しいらしい。

 このゲームは、ジョブ・スキル・アビリティ・アーツ・スペル・ファクトリーのレベルを上げて強くなっていくシステムだ。といっても最終的に重要なのはプレイヤースキルらしいがどのゲームでもそうだろう。

ジョブは最初の一つは始めるときに設定でき、あとはクエストをクリアするジョブを追加できる。

スキルとアビリティは、その行動をしていると手に入る。アーツとスペルとファクトリーはスキルの習得やレベルの上昇で覚えるらしい。

ジョブ以外は手に入れられる量の制限はないらしい。いろいろやりたい私にとってはすごくありがたい。


 あと重要そうなのは、モンスターを倒しても自動で戦利品が手に入るのではなく、死体を自分で剥ぎ取らないといけないらしい。この仕様のせいでR18なのだろう。


 どんなことができるかいろいろ想像していると、愛ちゃんに声をかけられた。ゲーム開始の時間になったそうで、私はゲームの機械のカプセルに横になる。

愛ちゃんはまだいるが気にしないことにして、頭付近にあるゲームを起動するためのボタンを押すと、眠るように意識が落ちていった。





====================================


 気がつくと暗い空間に立っていた。

技術の進歩に感心しているとアナウンスが聞こえてきた。


<こんにちは>


<現在インストールされているゲームはフリーダム・ヴァーチャル・リアリティ・オンラインです>


<このゲームを開始しますか> <Yes or No>


 ゲーム選択画面か。たしかにこれが無いと困るわな。昔より進化しているがこの辺は変わらないもんだと勝手に納得しYesを押す。


<それでは開始いたします。お楽しみくださいませ>


 すると今度は白い空間に飛ばされた。どうせまたアナウンスがあるだろうとのんびり待つ。すると半裸の女性が出てきた。


<私はこの世界の生命を司る女神ヴィタリス>


<これから新たな旅人に祝福を与えます>


<この世界でのあなたの名前を教えてください>


 自分のことを自称女神だと言う変な女性だった。

顔は美人さんでスタイルも抜群に良かったが、服装が白い布を身体に巻きつけているだけであり、その布もなんか透けていて痴女に見えスゴク残念な感じである。

ゲームの開発者の趣味で、無理やり着せられているのだったら可哀想なのだが・・・


 言ってる内容はゲームのスタート時に良くあるテンプレみたいなことだ。

この可愛そうな女性を私にはどうすることもできないので進めることにした。


「シルフィード」


<名前はシルフィードで間違いないですか?> <Yes or No>


 Yesを押す。

名前の由来は、自分の名字の風間の風からである。昔ゲームをしていたときにこの名前をよく使っていた。

ゲームに風の精霊が出てくると、名前が同じことが多くて混乱することが多かったが、それも面白かったのでありだろう。


<次は種族を教えてください>


 目の前に大きな白いパネルが出てきてリストが表示された。


<ヒューマン、エルフ、ドワーフ、獣人、鱗人、・・・・・>


 いっぱいあったので面倒になりシルフィードという名前から合いそうなエルフを選択すると


<エルフ、ダークエルフ、シーエルフ、フォレストエルフ、・・・・・・>


 またいっぱい表示されたのでこれもエルフにする。だんだん適当になっていく。種族とかもっと少なくていいだろうに。私は仕事がしたいのだ。


<エルフでよろしいですか> <Yes or No>


 Yesを押す。次はなんだと思っていると


<最後にジョブを教えてください>


 やったー!! 仕事だー!! と思ってリストを見ると莫大な量の項目が並んでいる。視るのも嫌になってきたが、一応戦闘系を選択してみると


+戦闘系

 +近距離物理系

  ・特化型<・剣士・斧士・拳士・蹴士・槌士・爪士・刀士・盾士>


  ・凡庸型<・近士・戦士・格闘家>


 +中距離物理系

  ・特化型<・槍士・鎌士・鞭士・杖士>


  ・凡庸型<・中士>


 +遠距離物理系

  ・特化型<・弓士・銃士・投士>

        ・

        ・

        ・


 私は、リストをそっと閉じた。

こんなの全部確認するだけで時間どれだけかるんだ。時間はあるがすべて確認してたら時間がいくら有っても足りないだろう。。

 自分で一つ一つ確認するのを諦め、こんな時のためにいる目の前の女神(笑)に直接聞くことにした。


「女神(笑)様、生産職で特にたいへんな仕事はなんでしょうか」


<なにか軽く馬鹿にされた気がするのですが>


先生の知り合いの天才さんすごいんだな。こんな感情の機微にも対応できるものを作るとは。


「気にしないでください。女神(笑)様にもいつか良いことありますよ。頑張って生きてください」


<なぜ同情されたのかわかりませんがお答えします>


<農家、樵、鉱夫などはまだ誰も選択してないですし、テストプレイの際たいへんすぎると報告(苦情)が上がっていましたのでそのあたりかと>


 フムフム。すべて肉体労働的に楽しそうだ。だが考えてみろ農家だと私の好きなジャガイモが食べ放題か(違います)。毎日ジャガイモ祭りか最高だな!!

農家に決定だ! 私はジャガイモが大好物だからな。煮てよし!炒めてよし!揚げてよし!!


「農家でお願いします」


<ジョブは農家でよろしいですか> <Yes or No>


 結構会話して選んだはずなのに聞いてくるとはやはり女神(笑)は残念な女性だな。諦めてYesを押す。


<では確認させてください>


<名前シルフィード 種族エルフ ジョブ農家 でよろしいですか> <Yes or No>


 確認されると名前に違和感が・・・。このままだと「農家なのにシルフィードwww」になるだろう。

そんなことになったら目の前の残念女を、「自称女神www」と馬鹿にできなくなる。


「すみませんが名前だけ変更をお願いします」


<わかりました。何にしますか>


「シードでお願いします」


<名前シード 種族エルフ ジョブ農家でよろしいですか> <Yes or No>


 ふむ。ただ名前を短縮しただけだが農家らしく見えるだろう。少しジャガ男にしようか迷ったが・・・

一応違和感がないか確認してYesを押す。


<旅立ちの時が来ました。あなたの旅路に祝福があらんことを>


 女神(笑)に微笑まれると意識が落ちていく。さすがに急すぎるな。もうちょっとなんとかできなかったのか。


 やっぱり女神(笑)最後まで残念だった。

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