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ホリック・ワーカー  作者: 舌百合
第1章 仕事
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6

 納屋の修理も終わり、荒地の開墾を始め1週間たった。

その間マリーちゃんとはたまに会話したが、他の同業者さんたちとは会話できていない。話しかけられたのも最初のあの一回のみだ。

たまに食堂で見かけてもみなさん忙しいのか、急いで食べ終え食堂を出て行く。仕事場も違うので出会う機会も少ないがみなさんに負けないように頑張らなくては。


 なので寝る時間と飯の時間以外は荒地を耕していたが、とうとうこのときがやってきてしまった。

 今まで私を支えてきてくれたみんなが逝ってしまった。みんなのおかげで今の私が居る。みんながいなければここまで続けれなかった。感謝の言葉を送りたいありがとう。



 というわけで納屋にもともとあった錆びたクワ達がすべて壊れてしまいました。すべて錆びていたのでいつかは壊れると思っていましたがここまで持つとは驚きです。

納屋にあったのは5本だったのでもっと早くに壊れてくれると思っていたんだが・・・っと本音が出てしまった。


 壊れたクワはどこに言ったかというと、空気に溶けるように消えてしまいました。たぶんこのゲームの仕様でアイテムの耐久値なくなったらこんな風になくなるのでしょう。

 私はアイテムの詳細が見えないので勘でしかわかりませんが、錆びたクワ達のおかげで壊れそうな感じはわかりましたのでそのことには感謝ですね。

 まぁこれでオッチャンに新しいクワの催促ができます。まぁオッチャンなら準備できているはず。

しっかりとしたクワなら壊れることにビクビクしながら振らなくてもいいので今からすごく楽しみです。


 まだ夕方にはなっていませんが、オッチャンの家に向かいます。もしいなくても待っていればいいでしょう。今他にできることないですし。


 走って向かっているとオッチャンの家が見えてきました。いつ見ても素晴らしいです。私もいつかあんなに威圧感のある家を建ててみたいものですね。


 家のそばまで行くと女性の方が庭で手入れをしています。


「あの、すみません」


「は~い。なにか家に御用かしら~」


「オッチャンじゃなくて、ここのご主人はいらっしゃいますか?」


「あら~わたしの旦那さまに用事なの~?」


 目の前の女性がオッチャンの嫁さんだと聞いて私は驚いてしまった。

見た目が20代後半ぐらいでほんわか美人さん。服装はメイド服といえばいいのだろうか、そんな服を着ているので使用人の方だと思っていたが。

しかしやるなオッチャン、こんな美人さん手に入れそして自分好みの服を着せるとは。さすができる男はおそろしいぜ。


「奥方様でしたか、失礼いたしました」


「そんなに大層なものじゃないわよ~気にしないで~」


「そう言っていただけると助かります。私は先日から西の方にある納屋に泊めていただいてるものです。道具が壊れたため伺いました。すみませんが呼んでいただいてもよろしいでしょうか?」


「あら~あなたが旦那さまが言っていた面白い方ね~」


「面白い?」


「あらやだ~ごめんなさいね~すぐ呼んでくるわね~」


 そう言って家に入っていった。私は何か面白いことしたっけなぁ。

・・・思い浮かばん。ただ縄で縛られて荷馬車に入れられここに連れてこられて案内してもらっただけだよな。他になにかあったか?

少し悩みながら待っているとオッチャンが家から出てきた。


「おう、ニイチャン久しぶりだな。やっと来たか、待っていたぜ」


「おう。オッチャンも元気そうでなによりだ」


 10日ぶりぐらいにあったが変わりなさそうだ。奥さんは出てこないみたいだな。


「ニイチャンそれでどうする? 荒地の開墾、諦めるか続けるか?」


「何言ってんだ。続けるに決まってるだろう。だんだんやり方もつかめてきたんだぜ」


「ニイチャンならそういうと思ってたぜ。そのために新しいクワ用意しておいたぞ」


 そういってクワを持ってきてくれた。


「初心者用の銅製のクワだがニイチャンにはちょうどいいものだろう」


「おお、オッチャン大事に使うよ。もしかしてそれ新品か」


「そうだぞ。ニイチャン用に発注して作ってもらったんだ。どうせすぐ使い潰しそうだから同じの3本作って貰ったから、2本壊れそうになったら持ってきな。修理に出してやるぜ」


「さすがだぜオッチャン。よくわかってる」


「あの荒地の開墾は、結構な無理言ってるのはわかってるから気長に頑張れよ」


 初心者の道具の扱いなんて酷いものだ。どんなに気をつかっても、熟練の方々には負けてしまう。だからこそいっぱい経験して、身体に覚えこませないとな。


「そうだ、そろそろ飯の時間だな。ニイチャンうちで食べてくか?」


「いや、今は女神様の飯を食べたいから遠慮するわ」


「女神様ってのはよくわからんがうちの嫁さんの飯もうまいから今度一緒に食おうや」


「わかった、そのときは頼む」


 そろそろ飯の時間なのでオッチャンと別れ、納屋に貰ったクワを置き急いで食堂に向かう。

もう通いなれた道なので道中死ぬこともなく食堂に着き、女神マリーちゃんの飯を食べ和やかに会話をし終わると真っ暗になるまで貰ったクワを振る。


 クワが良くなったことで作業は捗るがこれは道具の力なので過信せずこれからも自身を鍛えて頑張って逝こう、と誓うシードだった。

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