短編だ、短編。
コウジと、アキラと、ユキは近所に出来たカフェにいた。コウジはスペシャルティコーヒー、アキラはエスプレッソ、ユキは抹茶ラテ。それそれ黙って、カップ半分ほど飲んだ後で会話が始まった。
コウジ「うまいな、うまい。」
アキラ「そうだね、うまい。」
ユキ「おいしい。抹茶が濃すぎなくて。甘さもちょうどいいし。」
コウジ「ユキ、いいのかい?」
ユキ「いいのかいって、何が?」
コウジ「抹茶ラテって、ほら…。」
ユキ「甘くないのかってこと?」
コウジ、黙って頷く。
ユキ「糖質取らないようにはしているけど…。だって、ほら…。」
ユキはコウジにメニューにある抹茶ラテを指さす。
ユキ「はちみつだし…。人工甘味料じゃないから…。」
コウジ「なるほど…、だってさ…。」
二人が話している間にコーヒーを飲み干していたアキラにコウジはメニューを見せる。
アキラ「うーん…。」興味なさそうに、メニューを脇に置く。
アキラ「すいません、もう一杯スペシャルティコーヒーを。」
ユキ「全然聞いていない、この人。私たちが、いないみたい。」
アキラ「そんなことは、無いんだけど…。なんていえばいいのか…、頭が痛くなるんだよね。二人の話を聞いていると。リズム感が違う気がして。」
コウジ「リズム感?」
アキラ「そう、リズム感。早すぎて、追いつけないんだよ。君らの会話に。俺には早すぎるよ。」
ユキ「そうじゃないでしょ、アキラ君って。ずっと一人でいるから、日常会話にまで支障をきたしているんじゃない?外出たほうがいいよ、本当に。」
アキラ「そんなことは…。だって二人とは、ずっと一緒でしょ。いつも二人とは会っているし…。」
コウジ「そんなことより、そろそろここ出ない?一時間近くいるでしょ?」
ユキ「ほんとだ、もう帰ろう。」
アキラ「そうだね、そうしよう。」
アキラは慌てて立ち上がると三人分の会計を済ませた。
コウジ、ユキ「あざーすっ。」
コウジ、ユキと話しながらアキラは一人自宅へ戻った。




