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剣聖の時代の魔法使い  作者: あんはつ
サハラ迷宮異変編
5/13

4 答え合わせののち異変

魔法使いにも種類がある。みんなが知っている手で持つ杖を使う者、大きな両手杖、もしくは大杖と呼ぶものを使う者から杖を使わない杖なし、水晶などの魔力のこもったものや本人と馴染みの深い物を使い魔法を発動する者もいる。剣に魔法をまとわせて戦う魔法剣士などもおり、魔法騎士と言っても銃やムチやハンマーを使う者もいる。

「さて、授業に戻ろう。」


ナイアが辺りを見渡しながら言った。

「なんだかすごいことになったわね、、、こんなに魔法使いが多くて魔力が濃くなったの意外と初めてかも。」


「ごめんね、他の機会に協会の話をしようと思ったんだがあまりにも良いタイミングだったからな、今やってしまった。」

「さて話を戻して、普通の発展魔法ならサブの適性の魔法で解眼は確かに不可能だ、回復魔法のみを除いて。」

「魔法は大昔の動物たちが作った生存のための一種の手札だと言われている、というより事実だな。この魔法が生まれた時から何万年も経った今、ほとんどの動物が魔法を持っているがそれで火とか水、風ならまだしも、もし発展魔法と戦う時ただ生物を治す魔法じゃジリ貧だろ?生物が進化する時もおそらくそう考えたんだろう、だからか回復魔法だけ風魔法の適性がかなり高いんだ、防衛や反撃を行えるようにな。ちなみに回復魔法の習得が難しいのもこれが原因だ、だって他の魔法は手札を増やすためにどれか一個の魔法の適性が高いのに、回復は中途半端な適性しかないんだから一個魔法覚えるのにもかなり苦労する。」


ロンドが言った。

「それだからといって別に解眼ができるんですか?」


「そう思うだろ、しかし回復魔法の魔核はそもそもの仕組みが違うんだ。」

そういうとカラスは先ほどのサブの杖ではなく胸元のメインの杖を出し気づけば全員もといた講義室に戻っていた。


ティラナが言った。

「カラス生徒の前だからって調子乗って使いすぎちゃダメよ、また寝るわよ。」


「大丈夫だティラナさんよ、今回はこれがある。」

そういうとカラスは着ていたコートから一つの小瓶を取り出して、それの中身を飲み干した。

「いやぁやっと聖水が業者から届いてな、これでバンバン使えるぜ。」


それを聞くとヨハネスが。

「よっ、聖水中毒者。」


カラスはヨハネスに空き瓶を向けながら。

「うるせぇ!これは特注だよ!わざわざ主治医と三年話して作った方の聖水だ、市販と一緒にするな。」


「へぇお前やっとそれ使う気になったのか、冒険者の時はまずいまずい言って飲まなかったろ。」


「教師が魔法の使いすぎでしょっちゅう倒れたらやばいだろ、我慢してんだよ。」


生徒たちは

(我慢するぐらいならバンバン使わなかったら良いのに。)

と思った。


カラスは収納魔法で空き瓶を治すと。

「こんな話はいいんだ、さて回復魔法の魔核の仕組みを説明しよう。」

そういうとカラスは黒板に図を書いた。

「左のこっちが一般的な発展魔法、こっちが回復魔法だ。」


リガが言った。

「なんで発展魔法の方にはメインとサブに仕切りがあって回復魔法には仕切りがないんですか?」


「いい着眼点だ、リガに一点。」


ナイルが立って言った。

「点数システムなんて聞いてないわよ!」


「お、じゃあナイルが仕切りのない理由を言えたら5点やろう。」


ナイルは腕を組んで考えながら言った。

「え、そうねオーバーヒートしにくいって言っていたから基礎魔法みたいにきっとメインとかサブがなくて単一の核なのよね、きっと。」


「まぁよし!いいだろう5点!」


「イエーい」


ナイルは満足そうに座った。


プラタが言った。

「でもその仕切りがないなら回復と風の境界線がないことになるから魔法式に魔力を流し込む際に魔法式が焼けたりしないんですか。」


「しないんだなこれが、これが回復魔法のいいところよ、回復魔法はそういうふうに同時に進化した魔法だからそういう常識を無視できる。」

「俺も完全には理解しきれてないが簡単にいうとだな、回復魔法は風魔法とは違うが極限まで風魔法と近い魔法と言えるんだ、だから回復魔法はメイン、サブの概念がないために風魔法の解眼が可能というわけだ。はぁ疲れた、ここまで長かった。」


ヨハネスが手を叩きながらいった。

「カラス先生いい授業だったぞー、ヒューかっこウィー。」


「ヨハネス決闘の続きをしても俺はいいんだぞ。」

カラスが杖を取り出しながら言った。


「アッスイマセン。」


その場にいた生徒は

(こんなヨハネス先生初めてみた。)

と思ったことだろう。きっとそう。



カラスは中央の椅子に座り聖水をまた一本飲んだ。


「よしじゃあもういいだろうさっさと出ていきやがれ。」


チュニスが不機嫌になりながら言った。

「え!なんでよ〜私まだ遊びたい〜。」


ティラナとヨハネスが生徒たちを講義室の外に押していきながら言った。

「はいはい、カラスもやることがあるのよ、行った行った。」


「じゃあカラス、その研究終わったらまた見せてくれよな。」


「あぁ、いつもみたいに見せるよ、じゃ。」


先程まで賑わっていた講義室と裏庭はいつの間にか静まり返った。


カラスは講義室の扉の鍵を閉めると、こう言った。

「わざわざあいつらが気を使って出て行ってくれたぞ、用があるならさっさと言ってくれ、俺はさっさとここを俺色に改造したいんだ。」


講義室の後ろ側から一つの扉が現れ、その扉から一人の大杖を持った女性が現れた。

「久しぶりね、だいたい四年だったかしら。」

カラスは鋭い眼光をその女に向け、手を横に少し向けた。

「そんな怖い顔しなで頂戴よ、興奮してきちゃうじゃないの。」


「驚いたな前に会った時はそこまでの変態じゃなかったと思うんだけどな、もしかして夜の仕事でもやり始めたのか?」


「あら〜そんな言葉使って、誘っているのかしら?」


両者の間で睨み合いが起きると、先に女性が折れた。


「私の街を歩けばどこだろうが「ロウヒ様!」って聞こえるのよ、それぐらい私『回復の賢者』として成長してるのに貴方私より強いっておかしいでしょ。ねぇ〜そろそろ代替りしてよ〜。」


ロウヒという女性はカラスの足元にしがみついた。


「何回その話すんだよいやだって何回も言ってんだろ、それに自分から代わりたがるってどうなってんだよお前。」



ロウヒ・ダルク、現在の八賢者は名家のもの達がいるが、その中で唯一名家ではなく大賢者の家系の人間である。

彼女はその美貌からファンクラブまであるが、ロウヒはただの変態である。



カラスはロウヒを振り払うと無理やり椅子に括り付けた。

「何回も言うが!俺は賢者にはならんしその理由はこれ以上地位も名誉も金もいらん!ほんとに何回言えばわかるんだよ。」


「だってぇ、私じゃあまりにも任務が過酷すぎるの!かといって就任してそんな立ってないから跡継ぎもいないし良い弟子は出てこないのよ。貴方しかいないのよ、跡継ぎは!」


「はぁもう疲れるわーなんで魔法省といい魔法使いの団体どもはこうも役立たずが多いのだか。」


「賢者として反論したいのに正論すぎてぐうの音もでないわ。」


「じゃあさっさと帰ってくれ。」


「いやなもんよ!べー。」


「よしじゃあ前回と同じように風でお屋敷まで飛ばしてやるよ。」


「あぁ待って待って、今回は勧誘だけじゃなくて他にもあるの。」

ロウヒは風魔法を使って椅子ごと破壊すると、小さな巻物を一つ取り出した。

「これを貴方にメーディアからよ。」


カラスは巻物を受け取ると中身を読んだ。

「、、、これは事実なんだろうな。」


「私も疑ったわよこんなの信じたくないもの、でも事実ね、うちの占い師も他の賢者のところでもそんなこと言い出したから確定事項なのでしょう。」


カラスは教卓に向かい八枚の紙に文字を書き込むとそれをロウヒに手渡した。

「これをそれぞれの賢者に、これはお前のやつな。」


「私賢者であってパシリではないのだけれど、まぁ良いわよ状況が状況だもの、じゃあね。」


そう言うとロウヒは扉に入ると扉は自然と消えていった。


「はぁ、これでせっかくの四連休が消えるのかなぁ、いや、さっさと終わらせれば一日、二日は行けるか。」

「まぁなんにせよ色々やることが増えたな、一個ずつでも、終わらせるか。」

そう言うとカラスは講義室から出ていった。

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