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剣聖の時代の魔法使い  作者: あんはつ
サハラ迷宮異変編
10/13

9 決戦(1) 昔話

大賢者はなぜ一人しかいなかったのだろうか?これは魔法使いなら一度は思うのではないだろうか、大賢者はこの世で一番強い魔法使いなのは皆が知っているが、この「大賢者」誰かの名前でもなければ誰かの二つ名でもない立場の名前である。ではなぜこの名称が個人の名前のように使われているか、それは一人しかいなかったから、ではなぜ一人しかいなかったのか、それはこの世で唯一の『三つ目』の魔法使いだからである。

魔法使いにも「バグ」がある、それは固有魔法ではない、いや固有魔法はバグではあるがこれ以上ではない。それはこの世界で『複眼』という。複眼は非常に稀、生まれただけで人生勝ち組になれるほどに稀であり貴重であり才能なのである。複眼は普通みたいに者ではもちろん無い、複眼は魔核を二つ以上持つもののことを言う。複眼はまだまだ未知のものだがわかっている法則が一つ存在する、それは相性の悪い基礎魔法の適性が二つ以上手に入れた際に現れるものである。複眼のものは魔核が二つ以上あるため魔力を普通のものより多く持っているのが特徴であり特筆すべきなのは相性の悪い二つの魔法を同時発動ができることだろう、例えば火の適性の魔核と水の適性の魔核を持つ複眼はもちろん火の魔法と水の魔法の同時発動はもちろん両方メインの魔法のためすんごく強い。ん?なぜ賢者に複眼がいないか?それは嘘だ、二人いる、が普段は隠しており一つに専念している。だって複眼といえど魔法一個覚える時間は単眼と変わらないのに複数の適性の魔法を覚えようと思うと普通に大変、なので一つの属性の魔法を覚えるのがコスパがいいのだ。


さて、ここらでお気づきになる方が出てくるだろう。実は昔まで複眼は双眼と呼ばれていた、なぜなら人類の目は二つしかないからどんな複眼だろうが二つの適性が上限だと思われていたのである。だがその常識は今から数世紀前に打ち崩された、それは光・闇・回復、それぞれのあまりにも相反した魔法の適性を持ったものが現れたからである。そのものこそがあの大賢者、ニコラス・ダルク。この世の生物で最も魔力を持ち最も魔法を理解し最も多くの魔法を習得し最も多くの特級魔法を開発し最も多くの解眼を持っていて最も魔法界、いや人類に貢献したあまりにも偉大すぎる人間である。




「からすさーん。」


「どうしたレヴィ、あと数日で決戦だってのにそんなに気楽な声出せていいな。」


「そんなこと言わないでください!レヴィはカラスさんに聞きたいことがあってここに来たんです。」


「なんだい?」


「カラスさんは大賢者とお会いしたことがあるんですか?」


カラスは少し驚き後ろに少しだけのけ反り黙った。

「、、、」


「大丈夫です、レヴィは誰にもこれを言いません。あっ、これはティラナさんとヨハネスさんが教えてくれました。」


カラスは安堵の息をした。

「そうか、まぁレヴィは確かに気になるよな、いいよ教えてあげるよ。」



あれは6年前、学園を卒業した時だった。

「カラスちゃん、ママとパパはこれから仕事に戻んなくちゃだから、ごめんね。」


「いいってわかったから、何回も聞いたよそれ。」


「じゃーねー。」


「能天気な親だな。」

カラスは玄関から手を振って見送った。

「、、、あなた誰ですか。」

そう言うと家の脇から一人の30後半に見える男が出てきた。

「流石は歴代最高の主席さんだね、いやー嬉しい嬉しい気づかれなかったらどうしようかと思ったよ。」


「俺は普段本絵を読む時好きで読んでいるがたまになんの役に立つんだろうと思う時があったが今役に立つとは思いませんでしたよ、ニコラスさん。」


ニコラスは少し驚くとメモ帳に何か書き出した。


「、、、何書いてるんですか。」


「俺は回復魔法で寿命を伸ばしていたんだがその理由がある、なんだと思う?」


「なんでしょう、、、死への恐怖とか。」


「それは戦争の時に自然に消えてしまったよ、不正解。」


「あなたのおかげで平和ボケしてる民に対してそんなこと言わないでくださいよ。」


「ごめんごめん。じゃあさっさと答え合わせだ。」

ニコラスはそう言うとメモ帳を見せた。

「一個は魔法に未練があったからと、これだ!」


「なんですかこのグラフ。」


「今まで俺の名前を呼んだ数十億人が最初に俺の名前をなんと言ったかで、ほとんどは大賢者とかなんだけど少数派で俺の本名で呼ぶ奴がいるんだよ、その奴らがどんなタイプなのか分析したかったんだよ。」


「そんな理由で延命するってニコラスさんって変わってますね。」


そう言うとニコラスはメモ帳を懐にしまってニヤリと笑った。

「こうでもないと大賢者はやれないよ。」



「いやー悪いね家に入れてもらって。」


「悪いと思ってるならそんなジロジロとうちの中見ないでもらいますか。」


「あは、ごめんごめん。」


「それで、死んだはずの大賢者が私になんの用ですか。」


「死んではないさ、肉体はもうないけどそんなもん魔法があればどうでもなるから魂だけ残していつでも今みたいにできる様になってるだけだよ。」


「いろんな書物で大賢者は自身の命を代償に世界に平和を作ったと聞いたのですが。」


「それは俺の作り話だよ。あ、このこと候補生と俺以外に言ったら殺すからね。」


「そんなに軽く言わないでもらえますか、、、冗談じゃない。」


「そんな顔しないでよー。」


「てか候補生ってなんですか。」


「あぁ、大賢者候補生だよ。」


「、、、え?」


「いやだから大賢j」


「それはわかってますよ、いやまぁある程度察せますけどもしかしてですか?」


「察しがいいねぇそう言う若い子好きだよ。そう、君は大賢者候補生になったの、つまり俺の後継人になる予定。なるでしょ?」


「お断りします。」


ニコラスはとても驚いた。

「まじでか、なんでも言うこと三つか五つか聞いてあげるよ?障害も治せるし適性増やして三つ目にできるし。」


「そう言うのって一個だけじゃないんですか、、、」

カラスは難しそうな顔をした。

「もしそんなことしたら俺が今までやった努力が無駄じゃないですか、そんな簡単に強くなれるなら努力の意味がない。」


「ほ〜、そうかなるほど、君の様な者は数十人しか見たことがない。なるほど理解した君に似た人が言っていたがもしかして君より相応しい後継人がいると考えてるのかい?」


「はい、てかあなたなら知っているでしょう、あの子がいるじゃないですか。」


「あの子はねぇ、いいけど魔法の理解が少ないからねぇ、君が適任だと思って久しぶりに肉体を作ったのに。」


「その割に勧誘が適当じゃないですかね。」


「いいじゃんテンポの良い会話をしたって、どうせ並みの魔法使いだと俺の言うこと全部聞くから必要ないと思ってたから何も勧誘の言葉考えてなかったし。」


「なんか色々適当だなぁ、、、別に良いですけど、てかどうするんですかこの感じ多分断らせてくれるんでしょうけどそうしたら私どうなるんですか、候補生じゃなくなったら私死にますか?」


「どうしようかそれ、考えてなかったな。」

ニコラスは少し考えると言った。

「じゃあ候補生探しを手伝ってくれ、君は教官だ、候補生を探して育ててその子を俺に見せてくれ。」


「はぁ。」


「困ったことがあったらいつでも呼んでね、念じたら行くから。なんか困ったら呼んでねー。」

そう言うとニコラスはどこか遠くへ行った。


「、、、なんか俺の中の大賢者像が崩れていく、、、」




「てなことが6年前にあったんだ。」


「なるほどです、すごいですね。」


「スッゲーよなぁ。」


レヴィは少しそのままでいると、先ほどまでいなかった男に驚き静かに驚いた。

「っっっっっっっっ!?」


「俺あんた呼んでないんだけど。」


「良いじゃん教官が昔話してるんだよ、ちょっとぐらい見にきたってさ。それに呼んでなくても俺よく遊びに来てるでしょ?いつものことじゃないか。」


「レヴィは今混乱しています、もしかしてなのですがもしかしてこの方が。」


男はレヴィに向かって自己紹介をした。

「やあ初めましてレヴィさん、私の名前はニコラス・ダルク、みんなからは大賢者って呼ばれてるよ☆」


レヴィは白目を剥き倒れた。


カラスは珍しくわかりやすく驚くとニコラスに向かって言った。

「おいどうすんだよ馬鹿たれお前の後輩が大事な決戦の前に泡吹いて気絶したぞ。」


「馬鹿たれ呼びはやめてよこれでも大賢者だぞ、って本当にどうしようか。」


「はぁ、俺はこいつの保護者に渡してくるからお前もついてこい。」


「え、やだ僕人見知りだからちょっと。」


「は?お前この前賢者に挨拶するとか言ってたろうが。」


「あの、ちょっと、、、」


「うるせぇ大賢者!ついてこい!」

そう言うとカラスは片手でニコラスの服を掴んで引きずって行った。


「やめてよぉぉぉ俺これでも偉いんだよぉぉぉぉ大賢者なんだぞぉぉぉぉぉぉ。」

誰もが知るあの大賢者はこう思った(知らない人が今の俺を見ていなくて本当に良かったなぁ。)

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