プロローグ
「困ったなぁ、あぁ困ったぞとてつもなく困った」
老人がそう言いながら右往左往していると女が尋ねた。
「学園長どうしたんですか、いつも通り騒がしいですけどそんなに慌てるなんて。」
「魔法学の先生が一人育休を取ってね、いつもならどうって事ないんだがその他にも薬学の先生が一人入院していて人手が足りないんだよ。」
「へぇそうなんですね、あ、私は請け負いませんよもう手いっぱいなんで。」
学園長は女を見つめて言った。
「わかってますよティラナ先生。あぁどうしたものか。」
それを聞いていた男が言った。
「じゃああいつ呼びましょうよ、俺とティラナの大親友のあいつ。」
学園長は男のいるデスクまで近づくと手をデスクに置いて言った。
「カラス君かい!彼がいまどこにいるのかわかるのかい?!」
「うるさいですよ学園長、まぁ知ってますよあいつとはまだ鳩で連絡してるので、手紙通りなら東に数キロの町でやっと用事を済まして仕事探してるって書いてましたから。」
「ならヨハネス先生、ぜひカラス君を勧誘してきてください!」
「ってことがあって仕事を中断させられて俺が今ここにいるってわけ。」
ヨハネスは出された紅茶を飲みながら言った。
「俺との2年ぶりの再会がそれで良いのかよ、、、」
カラスは少しため息をついた。
「まぁまぁ良いじゃねーの、お前は仕事を探している、学園は優秀な教師を探している、Win-Winの関係だろ?」
「そういうことじゃないんだけどな。てか俺で良いのかよ、王都とか聖都を探せば良いやつ他にいるだろ。」
ヨハネスは紅茶を飲み干すとこう言った。
「学園長ずっとお前のこと勧誘したがっていたらしくてな、俺とかティラナに聞けば一発だったのにバカだよなぁあの人も。」
「まぁそういうことだから、よろしくな!」
「えぇ。」
いやそうに言った。
「拒否権はナシだからな!明日の早朝西の門で待ってるから来いよな、ちゃんと家はこっちで用意しているから安心しろよな!」
(そういうことじゃないんだよ。)
翌日 学園の正門
学園長が正門に近づいてくる人を見て飛ぶようにして走って行った。
「おぉ!カラス君きてくれたんだね良かったよ、いやぁ心配で22時から7時までしか眠れなかったよ。」
「学園長、それを快眠と言うんですよ。」
ティラナがツッコンだ。
「ティラナ!久しぶりだな。」
カラスは嬉しそうに言った。
「久しぶりねカラス、来てくれてありがとう。」
「私から言わせてくれカラス君、本当に来てくれて良かった。ついてきてくれ、色々と書類やら説明が君を待っているよ。」
「そう言う言い方されたら帰りたくなりますね学園長。」
「あぁごめんごめん帰らないでくれカラス君!」
「本当にカラスが帰るわけないじゃないですか学園長。」
ヨハネスがそう言うと笑いが起きた。
(俺が教師か、考えてもいなかったけどこうやって母校に貢献することになるとはな。)
(よし、頑張るか。)




