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二四話 邪神と奴隷と生きる理由

 一万ユニークと二〇万アクセスだって…!?

 ミクシに比べて数字がキモいよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


 みんなありがとーっ!!(*^_^*)

 旅は黙々と続いた。


 俺やシュトーリアがだるくなる度にホモ車から降りてちょっと走り、たまにそんな俺達に付き合うようにエマinミヨル9才が一分くらい走ってバテるか転けて泣くかでまたホモ車に戻っていく、くらいの物で。本を読みながらのバウムが横目でちらちらすごい心配そうにそのエマの様子を見てたので、実は子煩悩なんだなぁとかほくそ笑んだ。

 テントの上ではミュルーズ・アーツがサーチ&デストロイを旅中ずっと続けている。エマに破壊されて二機になってしまってどことなく寂しそうだった。やっぱり見た目的にも三兄弟じゃないとこいつらだめだ。マッシルドで探してあげなきゃなのである。


 ナツが夜ごとにエマの身体を診断するが、


「まだ、麻酔を切らすのは怖いなぁ………うーん」


 エマの目の処置のため、アフタの村の病院から拝借した薬草…それで強力な麻酔をかけているとのことだ。激痛を抑えこんでいるため、ミヨルの問題が片付くとそれに合わせて悪夢も見なくなったらしいエマは、夜は静かになっている。強力故に全身麻酔。痛覚も感触もないエマの身体は切っても止まらない即席ミイラである。


「やっぱり目の切除ってすごく痛いん?」


「そりゃそうですよヒカル様。男の人だったら、あそこちょん切っちゃうくらいじゃないですか?」


「それは痛いなっ!」


 何より喪失感が凄まじすぎて俺自殺しそうだわ。


 想像してぞくっと来たので、気を休めるために目の見えないエマをよそにナツのシャツに下から手を滑り込ませて触りまくった。シュトーリアより細い肉感は、どことなく背徳である。俺の手にしがみつくようにしてエマに聞かれないように声を堪えるナツが何とも可愛すぎて困った。






 

 湖の傍を通ることがあって、水浴びをしたいからという女性陣のため一日そこで野営をした。シュトーリア達が物陰で鎧を脱がしている最中に雑菌やら水中の魔物やらを湖の底から下から障壁ですくい上げて草原の向こう側にポイし、「み、見るなよ…っ!?」と顔を赤くして湖に向かうシュトーリアの期待に応えて覗きを敢行。だがすぐにバレた。水を綺麗にし過ぎたらしく、俺が水中でガン見してるのがめちゃめちゃよく見えるらしい。


「ふふっ」


 一人ずつなら全員俺のフィンガーの経験者なくせに三人だとだめらしい。ホモ車に追い返される俺は何とも幸せな笑みでほくそ笑んだ。桃源郷かぁ…とか車中で呟いていたのをバウムが聞いてて怪訝な顔をした。


「あ、エマはさすがに入らないの?」


「……………………………………………………………、」


 エマはホモ車の奥隅でうずくまったまま、動かない。ミヨルが傍で「いいってさ」と代弁してくれた。おそらくナツ達も誘ったに違いない。


 全身麻酔で感覚のない身体も気持ち悪いだろう。事件のあの日から自分の手で洗っていない。ナツが完璧に仕事をこなしているとしても、エマの感覚で言えば汚れたままなのだ。汚い物を触って他人に洗ってもらうより、自分で石けんを使って自分自身汚れが取れていくと納得すること。そういや精神科で自分でお風呂に入らせて身体を洗わせる、という自己暗示治療があったな、とふと思い出した。


「………………こ、これはエマのことを思ってだなぁ…」


 ああ…でも欲ぼ、じゃなくお節介で献身的な親切をしたいと言う気持ちを抑えることが出来ない!


 俺はエマにミヨルを憑依させた後、後ろから抱きすくめて一緒に空に飛んだ。ナツ達に見えないように超上空を通り、湖の木々で見えない角度の対岸に降り立つ。


「さぁー、脱ぎ脱ぎしましょうねぇ~…………………うへへ」


「お兄ちゃん、…きゃっ、も、う~っ、自分で脱げるったらぁ」


 この世界に来て指先だけは魔術士並みな俺のフィンガーは、脱ぎ脱ぎを手伝いつつ的確にエマの身体をまさぐる。お、俺が面倒見るんだ…などと知らず呟いていたのはナイショである。自分でも一瞬正気を失っていた。


 エマは、…すごく可愛かった。女性らしい柔らかさと抱けば腕の中にすっぽり収まってしまう背丈。角度の良い深緑のポニーテールは、元の気が強かったのだろう片鱗を感じさせ、お椀型をした双丘はすぐにミヨルがいっちょ前に恥ずかしがってタオルで隠してしまったがおそらくC~D。アレで脳内年齢が9才というのだからやばすぎる。アレでおねだりされたら一国くらい滅ぼしてしまいそうであった。ちょっとした、お姫様の超絶なわがままに応えてしまう王様の心境である。


「うっくっくっく……………、

 ……………さぁ、ミヨルちゃん背中ごしごししよっか~?」


「私自分で洗えるもんっ」


 ほらねっ、と自分が洗えることを証明したいのかタオルで胸をごしごし擦ってみせるミヨル。露わになったふくらみをあどけない表情で、自らの力でつぶしたり寄らせたりぷるんッ…と振るわせたりする光景には脳内では火山が噴火した。三回は死んだ。


「………くっ、ハァハァハァ…!

 ……まぁまぁ、エマの身体それでも一杯傷ついてるんだよ。あと俺が死にそうになるから、う、後ろ向いて…」


何より元気になった俺の男の子が見られるのが恥ずかしかっただけだったりする。


 欲ぼ、じゃなくて身体を洗って上げたいという極々親切な気持ちでエマの身体を隅々まで、隅々まで洗い尽し。何だか身体を洗ってやっていた俺の方が色々清々しい顔で湖に浸っている。

 もう裸を隠す相手ではないと判断されたのか双子のDを水に浮かせてぽよんぽよんさせていたエマに強引にタオルを巻かせていて、そんな彼女は俺を支えに何とか泳いでやろうと必死だ。犬かきみたいにして顔を出したまま水中でバタバタしている。


「はぁ……満足満足ぅ…………………」


「あ、うん。…………………………ねぇお兄ちゃん、エマがね、もう死にたいって」


「何ですと!!??」


 そうだった。そう言えば憑依しても身体のコントロールは奪われても意識はそのまんまだったじゃないか…!


 俺は冷汗浮かべながら、


「い、いいか? 今から何があろうと俺が言うまでエマにコントロール返しちゃだめだぞ…」


 まずいまずいまずい、これで自殺されたら洒落にならん。舌噛み切って死なれたら止めようがないし、何より自分の目を自分で潰せる子だ、舌を噛み切るくらいきっとわけない。

 日々自殺に戦々恐々としていないといけない生活を、これから成り立たせていけるとも思わないのだ。


「そ、っ、そうだっ!!!」


 召喚魔法による主従契約。これなら…!


「いや、でもシュトーリアみたいに身体の一部に紋様が残っちゃう…バレたらまずいな。絶対シュトーリアとか疑ってくるもんな…」


 しかもナツが毎夜全身を点検してるから絶対にバレる。


「……………………………………今、エマどんな感じ?」


「もう私お嫁さんに行けないとか言ってる」


 今すぐ自殺する勢いらしい。


「お、俺がエマをお嫁さんにするから! って言ってみて…?」


 ええい賭けである。こうなればエマを逆に惚れさせる戦法しかない。じゃないとエマが死ぬ。


「死んでもお断りだって」


「くそう、何て顔立ちに似合うセリフかしら…!」


 元は気の強そうな子なのである。自分でお店を開いたくらいなのだ。

 そうだ…………………エマ自身を引き留めるんじゃなく、何かをダシに…、


「エマ、じゃあバウムはどうなってもいいの?」


「ッ…!」


 一瞬だけ、自身の表情で歯を食いしばって俺を睨んできたエマだった。


「いいかい、君はバウムさんが殺されないための『対価』なんだ」


 三六九節を全開にする。目を心の侵略者のそれに変え、一歩エマとの距離を縮めた。


「確かに君は死にたいだろうさ。どうだ、犯されて、それを気づかう人に囲まれる居たたまれ無さは?

 …でもな、悪いけどエマがいなくなったらあんな獣人興味ないね。皮でも剥いでマッシルドで売りさばくか、俺達の食料になってもらうか、だ。自分を拾って育ててくれた人だぞ、幸せに余生を暮らしてほしいだろう? 

 あのバウムが何も心配することなく生きながらえてほしいなら、………この身体でどうすればいいか、分かってるね?」


「きゃっ…♪ お兄ちゃん、急に…っ」


 表面上は緊張感のないミヨルだが、その中でエマが凍り付いていることを確信して言葉を続ける。俺の右腕にわしづかまれる胸はぐにぐにと手の中で形を変え、9才のミヨルを笑わせている。


「本当は奴隷契約させる呪文もあるんだ。だけどあえてしようとは思わない。君が自分から俺に尽してこそ意味があると思ってるからだ。

 死んで逃げる? この世界のどこでそれが通用すると思う? 俺の目に止まった時点でお前の自由なんざとっくに死んでるんだよ。俺は傲慢だからな」


 嘘八百を並べながらエマを追い詰める。距離を詰め、空いていた左手でエマのを握った。意識がエマに戻りつつあった。少しずつ表情が凍り付いていくエマをそのまま岸に後退させ、上半身を岸上に押し倒した。


 両手を投げ出しつつも、身をちぢ込ませて猛獣に怯えるようなエマ。


「ミヨル。コントロールをエマに」


 すっ、と音もなくエマの表情が憎しみと恐怖で歪み、叫びだそうとするのを手で押さえた。


「さ、決めるんだな。どうする? バウムの事」


「お爺ちゃんは、私とは関係ないじゃないッ…」


「大ありだね」


 唯一の、未練だからだ。でも他にこの状況を収める方法が何も思い浮かばない…。


「バウムは、俺が面倒見てやるって言ったら喜んでたぞ。まるで自分の子がようやく結婚するみたいな親の顔をしてた。どうする? もうお爺ちゃんなバウムを、ぬか喜びに終わらせたい?」


「そんな…!」


「困ったなぁ、俺はバウムの前ではそういう風に振る舞ってやる気もあったのに…あくまで奴隷扱いが良いんだ? それならいいよ。それがエマの好みならね」


「いやよそんなのっ! この最悪男…!」


「最悪で結構。俺はエマにしか興味がない」


 吐息が当たるほどの距離まで顔を近づけてエマを見下ろす。ツバを吐いてきて頬に当たるが、俺はぬぐわずに、


「――そうか。エマはそんなにバウムが嫌いか」


 俺はエマから手を離し、岸に上がる。離れていく俺に驚いて声を上げるエマだが、


「今からバウムを殺しに行く。その後エマを殺す。どうせ死ぬんだからいいよな? 首は並べてやる」


「ま、待って…! やめて! お爺ちゃんは…!!」


「喚いてすむと思うな。今お前が俺にやったことはそう言うことだ。俺の機嫌を損ねればバウムが死ぬ。それをさっきから言ってやってたのにお前は聞かないからな。いっそ実際に殺して見せちゃった方が分かるかと思って。奴隷契約なんざその後で出来る」


 胸を隠そうともせずに岸に這い上がり、見えない顔で必死に探し、俺の足にしがみつく。俺は心を鬼にして足でエマを払い、その裸体を草の上に打ち付けた。


「死ねば楽になるぞ。死にたいなら死ねばいい」


「お爺ちゃんは…………何も!! それだけは、いやぁああああ…っ! お爺ちゃん、お爺ちゃんだけは…!」


「でもツバを吐いただろう。俺の提案を拒否したんだろう?」


「ち、違う…! あれは…!」


「頬に付いたままなんだよね。じゃあ、提案を受ける意思表示も含めて、ツバをぬぐってくれるか? 手を使わずに」


「え…っ?」


「これから犬になる女が主人の前で手なんか使ってどうする?」


 生まれてきてごめんなさい、と必死に心で謝りながら平静を装いつつ、俺は腰を落とし、裸体で無様に足にしがみつくエマに顔を近づける。

 この世界でまだ犬にあったことないけど、ネコがいるなら犬もいるだろうって奴だ。


「ど、どうすれば…」


「犬は御主人様の機嫌を取りたいとき、――どうすればいいと思う?」


「……………………ッ、

 変態…………………っ………こ、ころして、やる………――っっ」


「だめだな、なってない、なってない、なってないなぁ」


 俺はエマの首に手をかけ、力を込めた。反射的に握り返してくるも、俺は一切手を緩めない。彼女の額にキスをするように顔を近づけて、包帯の上から頭蓋に直接語りかけるように篭もった声で、


「殺すか? ん? 

 ふぅん、なら殺してみればいい。

 お前みたいな汚らしい奴隷に俺が殺せるかな? 悪いが俺の首は安くはない。

 ほら、この距離なのに俺はエマに気付かれることなく首に手をかけられる。周りは俺の味方ばかり。バウムでさえ俺の味方だ。

 ……、悔しい、だなんて考えるな負け犬。

 泣いて呻くだけの弱虫が、吠えるな」


 俺は、心を鬼にして言った。


 友人を一人、それで失ったから分かる。だからここでエマを苦しめる言葉に一切の情けをかけちゃいけない。


「面倒を見る? 飼い主が『可愛がってやる』ってことさ。今のエマにそれ以外の才能なんてないだろう。ミヨルにすがるか? 可愛らしいあの女の子に少々複雑な感情を説明して味方してもらうのは難しいだろう。

 なぁに心配することはないさ、すぐに慣れる」


「………うっ、うっ、だれか、だれかぁ………っ」


「想像してみろ、お前に価値なんてない。あるとしたらあの無口な養父の生き甲斐なだけだ。お店を開いたお金も、返すからって言って、バウムが今貸してくれてるんだってね。お世話になった人に恩も返せず、お金すらも返せず。

 ほら、死にたいなら死ねば? 今頼むんなら殺してやるよ。

 その後の身体の保障はしないけど」


 昔の話だが。京都の事件の時、生き残ったものの妖怪にその身を汚された奴がいた。腹に妖怪の子を宿してしまい、彼女の周囲はこぞって…俺すらもナツのように気づかい続けた。

 その子も俺が助けたのだ。

 彼女を労ろうとする素振りを見せない三六九に反発したかっただけかも知れない。


――思い出して、エマに重ねる。筋肉を損傷してアザを作っている鎖骨の部分を舐め、吸い付く。


「俺はお前をむさぼる。お前の意志に関係なく。


 殺したいなら殺しに来ればいい。だが失敗すれば、その度に俺に押さえつけられてあの時のように身を差し出さなければならない。


 何、もう、一回この肌で経験してるんだし、お前にはお似合いだろ?」


 身を汚され、

 汚れた自分を自分で許せなくて、

 現実を認めたくなくて自分を包む光景すら恐怖した俺の友達は――……。


 皆の思いに耐えきれず、あっけなく自殺した。


 だから、心のどこかで心配だったのだ。

 気づかえば、それに応えてくれるワケじゃない。

 生きていることが楽しいと思わせたければ、生きる希望を与えてやらなくちゃいけない。自分以外の誰かを理由にした未練を与えてやらなくちゃいけない。

 ナツは、まだそう言うところが甘い。あれではいつか、自己満足で人を殺すだろう。


「だ、…………………抱けばいいじゃない…っ! それが望みなんでしょ…? そしたらお爺ちゃんには手を出さない、んでしょ……?」


「それが御主人様に言うセリフか?

 可愛がってもらいたいなら、おねだりしなきゃ。さかったメス犬みたいに。これからのお前がそうなるんだ、ハハ、もうここらで壊れちまえば?

 壊れきった時には皆の前で、バウムの前で見せつけるようにしてやろう。ああ、それいいな。それだとこの世に未練なくなるだろ。お前も楽に死ねる」


「や、やめて…………! お願いッ…! もうやなの、もう、もうお爺ちゃんだけには…!

 な、何でもするから。お爺ちゃんは関係ないの、私が何でもするから…!」


「そうか」


 俺はエマの顔を見ていてふと思いつき、包帯に手をかける。エマは俺の一言に力をなくしてまな板の鯉のように身をさらけ出していた。


 包帯を取る。薬草と血肉の異臭が鼻をついた。瞼は閉じてある物の、『中身がない』ためかへこんでいて、閉じきっていない。確かにこれでは瞼を痛める。


 左目をこじ開ける。感触に俺の下で呻くエマは、唇を噛みしめていた。涙は目を失っても流れるのか、目がなくなった空間にたまっていっていた。

 この水気を帯び、血肉そのままの目の裏側を見た人はきっと多くない。


 そこに指先を向ける。

 ここならば、人目につかない。

 エマの死を縛る、召喚者の絶対権利。彼女からすればまさに悪魔の契約だろう。


「今日からお前は、俺の奴隷だ」









 俺はさっさとエマと身体をふきっこして(さっそく絞殺されそうになったが)、水辺で遊ぶ美女達をよそにホモ車に戻った。エマは俺から離れるようにしてまたホモ車の奥隅を陣取り、ミヨルの声すら聞きたくないという風にひざの間に頭を隠し俯いている。


「木の実………………………じゃないよなこれ」


「木の実ですよ? 人首ナツナって言う、ナツナの大きい奴です。まぁその分甘みも少ないし水気も多いですが」


 髪をタオルで挟むようにして乾かしながらミナが言う。雨が午後降りそうですから後で夕食分を取りに行きましょう、とシュトーリアに話しかけていた。

 人の首くらいの大きさで、身の外側は固く、茶色である。傍から見ればココナッツなのに、人の首のように瞼と叫んでるようにくぼんだ口が合って、キモい。


「あ、一個くれ」


 分身投げナイフのシェイドリックできこきこ切り分けて、おれはバウムの金属スプーンを持つとエマの側に行った。そばにはすでにナツがいて、エマに何か話しかけていたがエマは首を振ってナツを拒絶していた。


「ナツナだってよ」


「…いらない、です」


 ナツが俺の隣で首を振った。ナツも同じ事を聞いたらしい。

 俺はスプーンで一口分、ブドウのような感触のナツナをとると、エマの口元の前に持っていき、


「――エマ。食え」


 そんな、と俺の乱暴な言い方にナツが口を開ける。俺はエマの唇にナツナを押しつけ続ける。汁が首を伝い、


「食え」


 びくっと身体を振るわせる。…すると、おずおずとだが小さく口を開き、ナツナを口に含んで心のこもらない咀嚼をした。

 でもお腹は空いていたんだろう。俺はナツナを半分をエマに食べさせ続けた。エマが素直に食べている様子に唖然としているナツだったが、居場所をなくしたのかミナの所に行って自分もナツナを食べはじめる。

 途中で、嫌悪感一杯に俺の手にまたツバを吐きかけたが、俺はナツナを運ぶスプーンを中断し、腕をエマに押しつけた。先ほどの頬に吐きかけてきた後と同様に、舌で舐め取ってくるまでそれを続けた。

 

「どれ、ワシもいただこう」


 バウムが言う。それで皆がさっきまで自分に注目していたらしいことに気付いたエマは顔を薄く染めてまた俯いてしまったのだった。ミヨルが私も食べたいから代わってー!とそんなエマに抱きついて離れない。


「……………絶対、…殺してやるんだから」


 小さく。俺にしか聞こえない呟きでいうエマだった。

名前   坂月ヒカル

性別   男

種族   人間

職業   傭兵魔術士、邪神


戦術型  大規模殲滅型魔術士・人間兵器

『大規模殲滅型魔術士』

 戦争や一個軍隊を相手にする際に全能力に「×1.2」の上昇補正がかかる。近接戦闘を行なわず、遠隔大範囲攻撃を多用する傾向にある。

『人間兵器』

 『猛進』『戦上手』『体力が900以上or魔力が500以上』『精神力が120以上』を全て保有すれば手に入れられるスキル。ヒカルの場合は元からである。

 単独で敵陣に乗り込んでいく傾向が高いが、演出値による能力減少効果を上げる。


筋力   45     

 力の強さ。ギルド協会は握力で測定している。


体力   98    

 ヒットポイント。我慢強さである。


攻撃力  390~1580

 (呪いの武器一本での計算、ばらつきがあるのは武器の性能の違いによる。なお魔力は一切込めていない状態である)

ヒカルはいつも魔力を込めて使用しているため2MPにつき「×1.5」の修正を受ける。平均で常時4000を込めているが、これで最大攻撃力の呪いの武具を使用すれば、最強種である竜王族成年期のドラゴンの一撃と同等である。


防御力  85

 ヒカルは青の神服(ヒカル曰く中華っぽいらしい)を着ているだけで、防御的な装備をしていない。


敏捷   85   

 素早さ。身のこなし。この値が高いほど行動ターンが回ってくるのが早い。ただヒカルの場合は戦術型が『大規模殲滅型魔術士』であるため-40の修正を受ける。


気配 9    

 暗殺の成功率。本来ヒカルは暗殺能力を持たないが、ニルベの宝物である邪神の靴を装備しているのでわずかに上昇している。


健康状態 100  100が平均値


運の良さ 59   50が平均値


退魔力  0    守護を受けている者は60が平均値


精神力  154

 精神力。ヒカル自身荒事の経験が豊富なので、万事に耐性が高い。


反応速度 180

 攻撃に際して反応する速度。この値が高いほど敵の攻撃に対しての回避行動率が高い。ヒカルは敏捷が低いため、あまり反射速度が目立たない。


魔力   189455

 魔力=信者の数。なので最大MPの概念がなく、常に変動している。


魔力回復速度   約4800/S

 練度の高いタンバニークの王宮魔術士の平均値最大MPに関わらず10/mであることから、ヒカルの回復速度は異常であることがうかがえる。ヒカルのMP決定システムの性質による物である。


魔術知識  24/100

 魔術における知識、教養。この値が高いほど新しい魔術を覚える成功率が高くなり、その時間が短縮されていく。また、魔術使用時のMP浪費率が少なくなる。ヒカルはサブカルチャーとしての感覚と、書を読む技能がないことから最大値が低い。


武術知識  49/300

 武術における知識、教養。この値が高いほど新しい武術を覚える成功率が高くなり、その時間が短縮されていく。ヒカルは一般常識程度の武術の見解を持っている。


剣術    45/300

 ヒカルは剣を使うためこのパラメータを持つ。しかしヒカル自身に剣術の心得はない。


 使用魔法

 ヒカルは魔術知識が低いため、使用必要魔力量に「×1.76」の負荷がかかっている。

 ・神殿障壁(神聖魔法)

習熟度 7/10

 神聖魔法の障壁。白色結界。上位階層(天界、冥界)の力場を再現して展開する大魔術の一。成人であれば身を包む程度で毎秒10MPを使用する。

 ヒカルは最大MPが高いため圧縮や滞空、牢壁、大規模発動など応用していたため、神殿障壁の習熟度は人類では最高クラス。


 ・神獣召喚

習熟度 1/10

神獣、またはそれに属する魔獣を召喚する。しかしヒカル自身神獣を知らないので契約できない。シュトーリア、エマに使用している神獣契約は普通の召喚に比べ魔力を多く消費する。


演出値  463/500

攻撃の派手さ。この値が高いほど攻撃する度に威圧感を与え、相手の行動回数を減退させる。ただし精神力が高いと減少できない。


攻撃範囲 42種+魔術攻撃3種(拡大、圧縮、収集圧縮)

 99マス同時拡散攻撃、マス内複数同時遠隔攻撃、直線上掃討攻撃、範囲砲撃など殲滅系の攻撃に適正がある。

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