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十一話 邪神と無力とその答え (後)

「アン時の坊主!?」


「こっちを手助けしてくれ! 手が足りない! 今飲み込まれたばっかりで、お、おれも剣が折れちまってやべえんだ!!」


「ティル! アンタ何寝てんだい、起きないと死ぬよ!! こんなのかすり傷だろうが!! …あ、少年ッ!! お前まだ魔力残ってるなら――!!」


「ヒカル殿! しんがりは私が受け持っておきますから、そのまま前衛を!」





 俺が固まったのは。


 なにも難しい事じゃない。


 俺の目の前のミナが、もはや松明などなく味方の攻撃魔法による光で断続的に照らされているだけのミナが、自分達だけでも無事でいてくれるなら罪は被る、という強い目のミナが、…とても、元の世界の友達にそっくりだったからだ。




 色んな目にあってきた。三六九と一緒にいるとろくな事がなかった。

 彼は予言者。オカルトの世界の住民だ。ゆえに、アイツがオカルトに『気付く』度に俺は巻き込まれる。逆もある。三六九のせいで何だかそう言うのを見つけるのがうまくなってしまったせいかもしれない。


 本当にどうしようもない事態、っていうのを四、五回ほど。


 顔も知らない誰かの命がかかっている場合が三度。


 自分が死にかけるだけだったらもっとあったかも知れないが、思い出せない。


 もうちょっと決断が早ければな、というのも多々あったのだ。事が終わった後病院のベットでいつも「もったいないことした」と残念に思ってはまた繰り返す。


 だからこういう状況は、別に、珍しい事じゃない。


 またいつものが来た、と選択肢を前に立ち止まっているだけだ。





 その度に思うのだ。


 ああ、ここで悩んじゃいけないと。







「ミナ。それはハズレだ」


 覚悟を決める。

 もう後はない。

 邪神の名声、ニルベ村の進退もこの選択肢で全て決まった。


「『何とか』するのは得意分野でね。こういう時の俺を邪魔しちゃあいけないんだよ」


 勇ましく。それでこそ自分の友にふさわしいと言った友達のメンツにかけても。

 シュトーリアの時のように。ミナの、誰かを助けようとした時のワガママはきっと、ミナがニルベの巫女でなければ、そう選んでいたという彼女の本心にきまってるんだから。



「俺神様で、お前巫女だ。


 みんなの代わりに神頼みするのは、お前の役目だろ」






「神殿結界」


 イメージする。魔方陣を魔力で強引に形にする。俺が詠唱を必要としない理由だ。本当はこの結界の名前すら発する必要はない。まぁ言うならばゲン担ぎと言ったところ。

 俺の胸の前を中心に展開する、『魔物』を対象にした神域の魔法。色を隠さない真っ白な障壁が数秒を待たずして傭兵団を覆い尽くす。

 大体の傭兵団初期位置程度の範囲まで押し広める。突然の白色結界に動揺する傭兵団に、間髪入れず叫んだ。


「――――聞けお前ら!! 俺様が今結界を発動している!

 お前らはもう十分やった。もう戦わなくていい。今から『救助戦』を開始する!!」


 白色の濃度を薄くしていく。押しのけていった魔物が重なっていて後ろに転がっていくのがよく見えた。その中に巻き込まれた人の姿もいる。ギリリーが無我夢中でそいつに手を伸ばし、――そして結界に自分が行き来できることを知り――掴み、命からがら引き入れることに成功した。



 俺は傭兵団の皆の目に見えるように空いた空間に移動する。


 ミナやナツにさえ気付かれないように張っていた『結界』を、解く。


 ぱしゅん、と。夢の終わりのように溶けていく神殿結界の、その皮膜。



 そういやナツは影にだけは気付いていたっけ。銀貨二〇をはたいて買った俺の、




 ガンガンドスガキンドスンドスンズンドスッッッ!!!!!!!




 全員の視線が集中する中、俺の周囲に『空』からいくつもの武具が落下して、それぞれの重量、切れ味のままに地面に突き刺さる。


 地面にある物32。滞空して既に矢を出し引き絞り、命令を待つ弓達が3。

 

 装飾や輪郭は武具と言うにはあまりにもおぞましく、赤や青や緑に怪しく輝き、屍臭を漂わせ、見える者には憑依霊すら見えさせるという『いわく付き』ばかり。


 その一本一本に禍々しくも圧倒的な魔力を備え、――魔力を込めればさらなる効果を発揮する、聖域から迫害されてきた禁断の武具達である。


 中には――それらの武具の元の持ち主もいたかも知れないが、今は関係ない。


「再度、聞け――」


 邪神を名乗るに、見せつけるに、これ以上ふさわしい舞台は他にないんだよ――!!!




「俺はニルベが誇る邪神よ!!! 人間ども、我が巫女に免じて手を貸してやる、」


 なによりも傲慢に。どこよりも高い上から目線が、今この時、今この瞬間を動揺する人の心を掴んで離さないことを、それだけがこの場をまとめられる唯一の方法であることを確信して。


「今から俺が十秒猶予を与える。

 助かりたきゃ、その間に死ぬ気で、見える仲間を引きずりこむんだな!!!!!!!」


 四方の一番臆病そうな奴の足下に滞空する呪いの弓『ミュルーズ・アーツ』が自動射撃する。飛び上がって他の奴を押しのけ逃げようとするのを避けるのにきっかけを得てか、それぞれが死にものぐるいで魔物の群れに突っ込んでいった。最初に、ギリリが結界の中から引き込むことに成功したのを見ていたらしいのが幸いしたようだ。


 透き見の杖を抜き取り、情報展開を発動する。

 ――対象は、『遠征・マサド傭兵団』。

 すぐに各員の体力数値と結界内の人数、そして最大数、結界外の人数とその場所が表示され、


 残り、12人!


 俺だけを覆う神殿結界をまとい、いくつかの武具を滞空させて一緒に魔物の群れに突っ込んでいく。

 全く抵抗がない。俺が動くだけでどんなに踏ん張ろうと魔物達は押しのけられ、雪崩になって転がっていく。視界に邪魔な魔物はその度に魔力を込めまくった武具をぶち込んで爆発させた。

 例えば魔王が直々に生成したという超分身投擲ナイフ『シェイドリック』。

 例えば氷ドラゴンが酷死する涙を溶かし込んだ緑斧『ブルブムアックス』。

他にもただ刺さるだけでその部分に極太の黒い雷を落とし炸裂させる魔槍や、使用者の魔力を吸って熱閃に変える扇。そう、ミュルーズ・アーツも忘れてはならない。こいつらの矢に魔力を乗せて着弾させれば行き場をなくした超密度の魔力が暴風を引き起こしてくれる。魔力のみは衝撃波、ミナが教えてくれたことの応用だ。


 行っては帰ってくるを数回繰り返していると、ようやく自分達は何をすべきか、を皆やナツの言葉に諭されて理解したらしい傭兵達はそれぞれの応急処置と治療に取りかかりはじめる。


 走り回ったせいで肩で息をしている間も、ちゃくちゃくと自動掃射の浮遊弓3兄弟は次なる救助の傭兵の元への道を開かんと爆撃を繰り返していた。


 武器とその効果、その結界による殴打での投擲の仕方も慣れてきた。

 地面に刺さったままの残りの二十と数本を持ち上げ、俺の周りに持ってくる。

 そしてそれぞれが、大魔法をいくつつぎ込んでも足りないほどの魔力を押し込められ、おどろおどろしく発光している。


 残り、3人…!!

魔物の群れへ、武具達と一緒に突撃する。






 光線は、光だ。あらゆる意味で最速は、光。

 ならばダメージの元はその後から来る。


 大悪魔の魔界の障気を圧縮した『砲撃』に、私はとっさに切り札を展開する。

 神域。私は、教団が神と仰ぐ聖王神ムードゥルの加護を一身に受けたその障壁を発動する。

「神殿障壁!!」


 術者の意志に反する者を寄せ付けない最強の障壁。私の身体をギリギリ覆うだけで魔力が凄まじい速さで消費されてしまう。


「ぐ、ぅうううううううううッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 いくら武勇に名を馳せる誇り高きタンバニーク国将兵の王宮魔術士とはいえ、私はあまりにも新米だった。強くなったと思っていた。強さに、過信した。


 同僚の言う通りだ。師匠の…懸念通りだ。



 五秒。それも女の身体一つ何とか覆う程度で大魔法分の魔力を使い切ってしまうこの結界は多用できない。この魔物の海からどうにかして――!


「…はぁッ!」


 隙間などない。ならば、魔物を踏み台にして、


「クッ!」


 太股に激痛が走る。やはり急造の回復では間に合わなかったのか。ゴーレムの頭に着地し、次へ大きく跳躍する。


「…っ、エクサムラース…!」


 滞空するわずかな時間。

 扱い慣れた水の派生、単体回復系上位魔法を無詠唱で激痛がする部分にだけ、かける。


 元は筋力がなかった彼女が筋力(それ)を得たわけ。

 それはこの強力な回復呪文があったからこそである。

 超回復という人間の機能だ。酷使した筋肉は、次の酷使に耐えるように以前より強靭になる。ただの回復呪文は怪我の治癒や疲労回復のみだ。身体の再生機能にまで干渉するこの回復魔法は、幼い頃から身体が弱く床に伏していることが多かったシュトーリアには理解の届く、馴染みの深い魔術だったのかも知れない。


 一秒と数コンマのわずかな時間に治療を完了し次の跳躍をした。

 いける。逃げ切れる。

 そう鼓舞し、眼前の魔物が積み上がった高い山を越えて跳躍した、

 

 が、

 

「……………………・・な、

 なんだ、あれ、は…………………………………!!!!!」


 目の前に。余りにも。長く、そして強く聖なる光を放つ巨大な神殿結界が、彼女の眼前に広がっていたのだ。

 あんなのは神話の話だ――そう、おとぎ話でのみ許されるような…!!


 目の前のドーム光で、分からなかったのか。

 ひるんで跳躍の力をなくし滞空している隙だらけの彼女の背中を、再度発動していた障気砲が無慈悲に打ち抜いた。







「そろったッ……!!!!」


 爆撃一閃で帰り道を一気に奔りきる。


 ミナに負傷者を引き渡し、足りない酸素を大きく吸った。


 最大数213にして現在数213。

 完璧、だ…!


 運が良かったとしか言いようがない。食われる寸前、や、骨を折られた激痛で気を失っている奴、恐怖で錯乱している奴なんかを運んで、色々負傷しているところはそれぞれあるが、終わってみれば、死人は奇跡的にゼロ。

 神様が気を使ってくれたとしか思えない。


「ヒカル様、こちらも全員応急処置終わりました!」

「よし、じゃあもう誰もいないな!?」


 透き見の杖を掴み、言った。もうわかりきっていることである。

 後は、俺の一人舞台の殲滅戦だけである。この杖を掴んだのも、魔力を純化して精度を上げるという、いかにも杖らしいこいつの効果に期待したからだった。



『否定』



 俺だけに見えるという、眼前にホログラムのように映し出された言葉は、この世界では存在しない言語でつづられる、漢字二文字であった。


「ちょっと待て、魔物は抜きでだぞ…!?」



『負傷者  1

 種族   人間

 性別   女


 筋力   154 D 

 体力   225 C

 防御力  80  D

 敏捷   270 A

 健康状態 4   E-now

 運の良さ 9   E

 退魔力  39  D

 魔力   247 A   

 武勲   0   E












 姓名 

   ノースランド・タンバニーク・ラ・シュトーリア



 職業 

   タンバニーク王国将兵 一軍隊所属王宮魔術士



















 背中を、打た、れた。

 愕然と、衝撃を感じたコンマ一秒にも満たない時間の、絶望。


 シュトーリアの身体が、光線の速度で地面に打ち付けられる。周辺の魔物が吹き飛び、大きいクレーターの中心にうつぶせになるようにしてシュトーリアの身体が転がっている。

 濃密な腐卵臭が辺りに広がる。直、撃。背骨はへし折れ、肋骨が肺に食い込み、残りの命をさらに削っていく。


 えくさむ、ラー…す


 蚊も感じない吐息のような声で。すると身体は光りだし、べきべき、と骨や内臓が『痛み』というものに遠慮せずに元の身体へ復元していこうとする。

 背骨の生成が絶望的だった。

 神経が断絶しているのだから、下半身がまるで動かない。

 横を向いていた顔が何とか見上げる先には、穴に転がり落ちてくる魔物魔物魔物。中にはシュトーリアが低級と相手にしなかった種類までいて、彼女の手負いの睨みをあざ笑うかのようにその穴へなだれ込んでくる。


 半分以上使い残った魔力が、無様だった。


『神殿障、壁』


 復活した肺で、それでもきついのか言葉にならない言葉で、強引に発動する。

 背骨の外郭をようやく接続する。曲げられるようになった身体。

 少しでも魔力を節約しようと、身体を丸め、意志にならって障壁も子供を守るゆりかごのように小さくなっていく。


 回復してるのにもかかわらず、強烈なまでに倦怠感。回復魔法で痛みは引くものの、体力が奪われていくばかりなのだ。


(障、気……………・・破邪には特別に生成した聖水が必要、か)


 勤勉だったシュトーリアは、知らず知らず、書物の記述を諳誦する。

 無意識にシーツを掴むように手を丸めているのも、あの白で満ち、弱かった幼少時の記憶を走馬燈しているからなのか。

 シュトーリアは、外のおぞましい魔物達の海は見たくなくて、白色に身を閉ざした。







「だぁああああああああああ!!!!」


 あんまりにも邪魔だから、シュトーリアを巻き添えにしない辺りを狙って神殿承壁で圧死させる。大小ひっくるめて三〇〇体くらいの死骸とその体液で満ちる大地。


 見渡しは良くなるが非常に景色は悪くなった。


 神殿結界で地面を清掃するようにすすんでいきながらも、気の利く俺はシュトーリアのいる辺りに向かおうとしているウザいオーク兵どもを、超分身する投げナイフに思い切り魔力を込め一〇万本くらいにしてぶん投げる。これ貫通力がすごいらしいから挽肉より細かくなるに違いない。


「でぇい!!!」


 雷神の一振り。

 魔力を込めた雷撃は直線方向を疾走するように焼殺していく何とも俺好み。さっきまで適当に投擲していたらこの武器が気に入ったので解呪してそのまま使用しているのである。じゅわっ…がいい。以前からのの何気ない願いが叶った瞬間だった。


 シュカー――!!!!!!!!!!!!!!!


「…………アん?」


 俺の喜びに水を差すように赤色怪光線かましてきたデカブツを、睨みあげる。

 ゆらり蠢く巻き貝のような。いやむしろイカだ。三角の胴体に無数の腐肉の触手が辺りの魔物を食い散らしながら進んでくる。


「上等、上等。…失せろデカブツ」


 白色結界を、振り下ろす。

 直径四キロの大白色結界が、周囲の魔物もろとも八万の魔力をこともなげに押しつぶす――!!!! 






 何かあのでかい奴、ものすごい量の体液とか中身とか出していったけど気にしない。

 俺をびっくりさせた当然の報いなのである。


「シュトーリア! 返事しろーっ!!」


 透き見の杖を頼りに辺りを見回す。いねぇ。ポイントここなんだけどな。

 ふと、先ほど鳥獣に空に連れて行かれた傭兵を思い出した。(巣に持ち帰ろうとしたらしく、狙撃して打ち落としてから神殿承壁でキャッチ、結界の球面をスライダーのようにしてこちらに運んできた次第である)


 お空か!?


 うーんなんとも。星空が戦前と全く変わらずに――…


「というか、」


 地面を見た。


 臓物やら毛皮やらスライムのベチョベチョになったのやら――


「うぷ」















        ガリッ、ガリッ、


 白い玉子の中で目が覚める。


        ガリッ…チチ、バリバリバリ!


 ものすごく…何か近くで電撃が走った。


        ざくっざくっ


 目を空けているのに、見えなかった。

 障気が、魔界の呪いが、もう視力まで奪って。


 ぬるん、べと、ざくざく、ぺっ


 パリッ…


 私の魔術が一瞬途切れた音。その一瞬の間に障壁から零れた何かが私の頬に付着する。生暖かく、咽せるようなヘドロの臭い。

 しゅぅう、と酸を浴びたかのように煙を上げ。とても、とても痛いのに、はねのけようとしても手が動いてくれないのだ。


 見なくても分かる。見えなくても分かる。

 この玉子の殻の外には、魔物とその死体がひしめいていて。

 あと一分足らずで結界は解け、魔物の海の質量に身体は潰れ、内臓を吐き出して死ぬだろう。


 思えば、だ。

 昨日の夜からおかしかったのだ。ようやく目測ついた母親の敵の魔物を追って遠方まで来て、まさかの返り討ちを食らい。

 気を失う寸前で見た光景は、何か強烈な光が私の傍を通り抜けていき、魔物の身体を、近くの樹木をへし折りながら押し飛ばしていく、というなんともおかしな光景だった。


 それが自分の最強の障壁と同じ物だとは、とても信じられなかったけど。

 

「いいかげん汚いんじゃコラァあああああああああああああ!!!!!!!!」


 ドム!!!



 ピシッ――、

 終わりかけの障壁とはいえ、ヒビを入れるなんて。何て力業だろう。もうわずかの聴力がそれを最後に力尽き、魔力を維持していた精神が感じ、同時に折れた。



「………シュトーリア! おまえ、なに、やってんだこんな所でッ!」






 …………・。






「うわ、怪我ないのに意識ないとか…っ。

 末期やな。

 胸、拝借するぞ

 ……………………………我慢我慢我慢。今は我慢。うう、頬がどうしても緩むぅ…」





 ………。






「うっそ、……………・鼓動ないし! おい杖、嘘言ってるじゃないだろな!!??

 こんな時に故障とかナシだからな!」






 ……。






「え、呪い? 魔界の…魔王の吐息? なんだそりゃ。

 でも魔王程度だろ。


 神様な俺の敵じゃねえし。


 はい、解呪~♪」






 …。






「さーて、どうするかな。こいつも隠し事してるみたいだし。

 でもなー、ミナ達には心配かけるわけにはいかないし。

 俺にいびられて、酒場の裏通りの隅っこで泣いてたって事にしちまうか。

 いいなそれ。

 とりあえずオネムなシュトーリアにはお空からかえってもらうとして、と」



 ふわっと。

 夢見心地のまま、私の身体は空に上る風を受ける。



「さ、いってらっしゃい」








 微睡みの中、夢を見た。


 変な夢。


 生まれてから一番、

      星空が近くに見える夢だった。













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