31/144

第31章: 勇者の秘密と島の探索

2023年12月18日、日曜日

隠者のように日々を綴る、日記よ。

朝、ヴァルと共に島のさらなる探索を始める前に、私はある決断をした。勇者であるという自分の真の身分は、この魔族には隠し通すことにする。なぜなら、ヴァルとの関係は互いの存在そのものに基づいて築かれており、肩書きや過去の業績がその純粋な絆を曇らせてしまうのを避けたかったからだ。

私たちは島の内陸部へと向かった。ヴァルの知識は広く、彼は島の各地を詳しく案内してくれた。彼が話す言葉からは、この島への深い愛情が感じられた。彼は何度もこの島の様々な場所で起きた小さな奇跡について語り、それが彼の生きがいであるかのようだった。

私は勇者であることを隠し続けたが、ヴァルの案内によって、勇者としての経験が私の視野を広げ、島の秘密を解き明かす手助けになっていることに気づいた。私は洞窟で見つけた首飾りや剣の光については話し、それが何かしらの手がかりになるかもしれないと考えた。

私たちの探索は、島の未踏の領域へと進んだ。そこでは、珍しい植物や、未知の生物が我々の前に姿を現した。ヴァルはこれらの発見に興奮し、私はそれを内心で勇者としての新たな冒険と捉えた。

日が傾き始めた頃、私たちは小高い丘の上に立ち、島の全景を眺めた。この島が私に何を教えてくれるのか、その答えはまだ見つかっていない。しかし、ヴァルとの交流と、島での毎日が私の心を豊かにしてくれている。

P.S. 今後もヴァルには勇者であることを明かさずに、この島の謎を一緒に解き明かしていきたい。そして、いつか真実を告げるその日が来たとき、彼が私を今と変わらぬ目で見てくれることを願っている。

以上。