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Rule of Scramble200話達成記念短編!!

作者: こーたろー

「レディイイイイイイイイイイイイイイイイイイイス、ェエエエエエエエエエエンドッ、ジェントルメェェェェェェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエンッ! 今夜はよぉおおおおおくお集まり頂きましたあ! さあ、さあさあさあさあさあ! さあッ! 皆様方ッッ! それでは一緒に、声を揃えて祝いましょう! 祝福の言葉を、泣きたくなるほど善良なみんなと一緒に叫びてえんだよ!!!!!

小説『Rule of Scramble』連載200話達成おめでとうございますってなあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああ!!!!!! ぎゃははははは ギャ――――ははははははははははははははは! 

ぅゥゥううううッ! んんんんぅうううう……めでたいねぇ~。おめでた過ぎて真っ当な心を持つ俺様は今にも泣いてしまいそうだアアアアアアア……きゃきゃきゃ。ギャハッ、ギャハハハッ アハッ! イヒッ、ヒヒヒヒッ、ヒィ―――――――ハッははハハハハハッ! 楽しいなあ。楽しい楽しい腹痛えッ! ギャハハハハッ!」」


 光ひとつ存在しなかった暗黒の世界に カッ、と一条の光が天蓋から降り注ぎ、その哄笑の主の姿を浮き彫りにする。

問答無用で人を不快にさせるような笑い声が響かせるその男は、金髪を首のあたりで縛っており、紺の改造軍服をだらしなく着崩している。

面貌に映るその笑顔は邪悪そのもの。

 しかして男は心の底から今日という日を祝福していた。彼なりの祝福を、その幕開けを今ここに歌い上げる。


「ってなわけで! これよりRule of Scramble200話達成記念茶番回を始めるぜぇえ……ッ。茶番だから当然見なくていいが、見たら見たらで楽しいはずだ。なんせ司会はこの俺様、デモニア・ブリージアが務めるんだからなあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!! アヒャヒャヒャひゃひゃ! ひゃはははははははは! これで楽しくないわけがない! 楽しいだろ? 楽しいに決まってるよなあ? そう思うだろうがどいつもこいつも。

生粋のエンターテイナーであり、この世界でも五本の指には入るくらいに人の心を理解しているこの俺様だ、読者様サマのハートを掴むくれえわけないつぅーか? むしろ俺様が永遠に喋ってるだけで読者様サマは嬉しいに決まってんだよなァ。キヒヒヒッ!」


 ペラペラくちゃくちゃ、邪悪の化身は勝手気ままに口を動かし、楽しそうに嬉しそうにこれから始まる喜劇を前に、待ちきれない様子を隠しもせずに呵々と笑う。

 身振りに手ぶり、体を大きく動かして、彼なりの祝福を歌い上げていた。


「ってか、あれぇー? なんか肩透かし食らってるみたいな雰囲気が感じるんだけど何だこれ? まさか。ま・さ・か! あ、ま☆さ☆か!? 読者様サマサマサマサマともあろうお方様が!? この始まりを予想できなかったとでも!? 主人公(笑)やヒロイン(笑)(笑)(笑)が司会を務めて行くとでも思ってたのかァ? え、思ってないよな? 思ってた……? キヒッ、キヒヒヒヒヒヒ! きははははははははははは!!!! あひゃひゃひゃ!!!!!! ひゃははははははははは!!!! あひゃひゃひゃひゃ!!!! カカッ、カッカカカカカカカカ!!!!!! ウッソだろおい!? そんなアホ丸出しの勘違いしてたのか!? おいおい~。おいおいおいおい~~~~~~~。アホ過ぎて愚かどころかこれじゃあもう愛しさすら感じるぜェ?」


 そこで一度言葉を切ったデモニアは深く息を吸い、ニッ、と人の良い笑みを浮かべて。



「残☆念でしたぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! どこの馬とも知れないしょんべんくせえガキどもにこの席は渡しませええええええええええええええええええええええええん!!!!!! MCは俺様がやります! なんつったって一流エンターテイナーですから! 本編でも質のいいドッキリを捨てるほど用意して視聴者を楽しませてやったしィ? 三人称視点が俺様に向いてない時でも、スタジオ魂を忘れずきちんとリアクションしてましたから! ワイプ対策もバッチリ! ダウンタ○ンの浜ちゃんかよってツッコミが聞こえてくるぜ。やっぱ長く大衆に愛されるのには理由があるんだよなァァァアアアア……。玩具との格の違いってやつ? まァよくわからんがそれだよそれ。ああいう叫ぶしか能のない奴はいつまでも体張ってりゃいいんだよ。だいたいリアクション芸人がMCできるわけねえだろォが。テメエらあれか? 出○やダチョウ○楽部の上島がMCやってる番組見てえか? いや、確かに違う意味では見てえが、そォじゃねえだろ。適材適所ってやつだよ。彼らには彼らなりの活躍の場がある。熱湯風呂とか大車輪とかおでんとか。そういう笑われる訳ってのがお似合いなんだよォおおお……。わかるだろ? わからない? もうこれでわからない奴は俺様が直々に調教してやるから名乗り出ろ。どうだ、いるか? いないな、いない。いないに決まってんだよ、よォし次行くぞお!

 というわけで、だ。

 MC『異界卿(マルケーゼ・アヴァロン)』ことデモニア・ブリージアでお届けする、小説『Rule of Scramble』200話記念企画、『登場人物たちに読者への感謝と今後の抱負を語ってもらい〝魔障(ましょう)〟の回』ぃぃいいい~~~~~~~!!!!! ぱちぱちぱちぱち~! 拍手! はい、拍手ッッッッッッ!」


 一流エンターテイナーは一人でこれでもかというほど手を叩き、空間をシャッフルすることでその振動を至るところへ転移させ、共鳴させることで耳を弄するほどのものへと増幅させた。

 その姿、まさにエンターテイナーの鏡である。

 一人しかいないのならば、空間を入れ替えて大勢いるように見せればいい。

 これほど下らなく無意味な行為を、恥も外聞もなく、寂寥すら感じることなく行えることこそが、デモニア・ブリージアがデモニア・ブリージアたる所以なのかもしれない。


「はい、じゃあ普通に時間ないし俺様もだいぶ飽きてきたからぱぱっと行くぞぉ。

 エントリナンバー一番! この物語の主人公(笑)であり、この世界で最も遊びがいのある最高の玩具こと安堵友介くんです、どうぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!」










「…………」


 スポットライトを浴びた友介は目を閉じ、押し黙っていた。

 しかしやがて、うっすらと目を開けると、深く息を吸い――――






「デモニア・ブリージア死ねゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッ!

 何が一流エンターテイナーだよボケ! テメエのせいで人生滅茶苦茶にされた奴がどんだけいると思ってんだよボケが死ね! クソが死ね! 死ね! 無様に死ね! メインキャラ気取ってんてんじゃねえよ世界のゴミが! クソの掃き溜めで野垂れ死んでろ淡壺野郎がァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




「はい0点でェェえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 ちょっとうもう~~~~~、話聞いてたァ? 誰がいつどこで俺様への感謝の言葉を捧げろって言ったよォ。読者様への感謝と今後の抱負。ほらあるだろ? 僕の無様な姿を見てくださってありがとうございますぅウウウウウウウウウ! 情けない僕をこれからも見てくださいぃいいいー、僕どMだから興奮しちゃうんですぅ、とか」

「っせぇよカスッッッ!!!!!! お前カルラに散々なことしといてよくもまあ読者に愛されてるとかのたまったなこの野郎ッッ! 全員速やかにお前が死ぬことを望んでるに決まってるだろうがボケ。死ね!!!!」

「そんなことより読者への感謝と抱負を。早くしてください~。時間押してるんですケド。ちょっとは人の迷惑とか考えたらどうですかあ? 常識、あります???」

「お前に人の迷惑とか常識とか説かれたくねえわゴミ!!!! 鮮やかなブーメラン決めてんじゃねえぞ!!!!」


「早く」

「~~~~~~~~~~~~~~っッッッッ!」

「あれ、俺様の可愛さに萌えた?」

「死ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 これでは埒が明かないと考えたのだろうか。

 友介は咳払いをすると居住まいを正し、正面を向いて口を開いた。


「えーっと、まあ。何だ。その……ここまで俺が戦ってこれたのは、こんな無様で弱っちい俺を、それでも応援してくれたアンタらがいたからだと思ってる。だから感謝してる。ありがとう。

 これからもまあ、色々とカッコわりぃとことか、ダサい所とか見せるだろうが、それでも応援してくれると嬉しい。頼む」




「ツマンネ」

「あ? 何だてめえ」

「な? 言ったろ? こんなくそつまんねえ、ユーモアの欠片もない友達ゼロ彼女いない歴=年齢の童貞シスコン変態どMにMCさせたところでカスみたいなもんになるって。どうせ寒い突っ込み入れて寒いノリにするに決まってんだから。これで主人公? ハッ、程度の質が知れるぜヒャッハァ!」

「よぅーしいいぜテメエ。もはや本編とか番外編とかギャグ時空とか関係ねえ。今ここでテメエの全てを撃ち砕いてやらァァあああああああああああああああああああ!!!!!!!」

「デモニアワープ!!!! この技を受けた人間は消える!」

「な、おい待てゴラ!!!!! 雑だぞてめえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ………………――――」


 そして、少年の叫びは消えた。


「ふぅ、よし!

 デモニア・ブリージアがいる限り! この世に悪は栄えない!!!!(シャキィーンッ!」


 ポーズを決めたデモニアは、もう消えてしまった玩具のことなど放って、次へ行く。


「あ、ちなみに登場人物が多すぎるしさすがに人数は限らせてもらうぜ? さっきの奴を入れて三人? だったかあ。あと二人はメインヒロインだ。大丈夫、安心しろ。ちゃんと空夜唯可と風代カルラだから。

 ってなわけで!!!! エントリーナンバー二番! 安堵友介の恋人にして遠距離恋愛中のメインヒロイン一号、空夜唯可だぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」




「あ、あははは……ごめんねみんな、友介があんなんで。ほんとは友介もみんなに感謝してるんだけど、ちょっと色々ショックが大きすぎてあんなになっちゃったんだって。……でも大丈夫! 私が友介の分もしっかりみんなに感謝を伝えるか「長ぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 終わりだ終わり! 長ったらしいんだよカス女! ろくに出番も貰えてねえ分際でこんな時だけメインヒロイン面か? 厚かましいにもほどがあるわ、身の程を知れっての! 本編の出番がない人は、こういう特別企画でも尺が短えんだよ。ちゃんと比例してるし対応してんの。それをまあ、ペチャラクチャペチャラクチャラ……大阪のおばはんかテメエ。商店街で鉢合わせたババア四人でもこんなに長く喋らねえぞ? じゃり○子チエのマサルの母親じゃねえんだからサァ。もっとこう、コンパクトに! え? 撮り直し? ねえよ。馬鹿かお前? 言っただろ、感謝コメントに咲かれる尺は本編の登場頻度に応じてるって。テメエ、カスみたいな登場頻度でよくそんなでかい顔できたなあ。謙虚で控えめで常識仁和俺様には無理だぜ。納得したか? したな? したんだよ、したと言え。よし、首を縦に振ったなオーケーオーケー。じゃあ次だ。……あァー、安心しろ。今後はさすがに本編に出る頻度も高くなるだろ。大丈夫だ! 俺様が保証するからさぁ……ぎゃはは! ぎゃははははははははははははははははははは!!!!!!!!!

 あー、飽きたな……風代カルラの番、いるか? いらねえよな。だって多分、あいつも安堵友介と同じ感じだろうし。同じリアクション見るほどつまんねえモノもねえ。てなわけで、宴もたけなわでございますが、この辺りで締めさせていただきますぅううウウウウ。

 司会は俺様、正義の味方ことデモニア・ブリージア様がお送りしました! キャストの皆様にも拍手を! 今回の件でこの物語の主人公にだれがふさわしいかもわかってもらえたかと思いますので、これからは俺様が主役の座をいただくと約束させていただきましてと。

 じゃあ、また会おうなァ……。カカッ、カカカ……カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ! ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははッッッ! ばいばーい!!!!!!!!!!!!!!!!」


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