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三國のダマスカス  作者: 羽有ル蛇
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序章 ―北軍の進軍 11―

 橋本は辺りの様子を伺い、安全である事を確認すると崩れ落ちた兵士の懐を探る…案の定、鍵が出てきた。鍵は倉庫の物と一致した…橋本達は手分けして、兵士を倉庫の中に引きずり込むと外の様子を確認するかの様に伺う…


 本当に静かな夜だ…橋本は倉庫に内側から鍵を掛けた。



 倉庫の積み荷を一通り確認すると…ビンゴ!後藤は身振りで任務の成功を喜んでいる。


 雑納からプラスチック爆弾と真菅、そして受信機を取り出す。


 発火性の高い弾薬、RPGの辺りから仕掛けていく…任務の成功を確信し、表に出たその時…パァーンと言う乾いた音ともに橋本の腹部を鈍い痛みが走った!


 腹に手を当てるとヌルッとした生暖かいものを感じる…月の灯りに照らされた手のひらは、赤黒いテラテラしている…


 知覚した途端に火が噴いた様に焼け付く痛み…


「ここまでか…後藤!先に行け!…行って任務の成功を伝えろ!」


うろたえる後藤…


「二曹!大丈夫です!…大した傷ではありません…」


余程正視に耐えない傷なのか後藤の目が游いでいる…


橋本は後藤の様子を見ると…


「正直なヤツだ…発火スイッチをよこせ! ここは援護する…早く行かないか!」


後藤は幾度も振り返っては闇に足り消えていった…



「さて…随分とお客さんだな…」


 橋本は壁に体を預けると安全装置を連射にし、銃を構え…タタターン!


続けて薬筴が排出され、金属音が鳴り響く。


うめき声と共に数人の兵が倒れるのが見えた…


 ヤツら何やら喚いていやがる…出血の為か意識が薄れる中、銃口をこちらに向けて歩んで来るのが見える。


「…早く…こっちに来いや… 後2m… もっと… もっとだ…っ」



橋本は銃口で体を小突かれる…最早、引金を引く力もない…その時、橋本は満面の笑みで


「…ざぁまあみろ!…」


橋本の手の中でスイッチが押される。


全てがスローモーションに見える…


連続する炸裂音…


後方から押し寄せる爆風に体が浮く…


吹き飛ばされる鋼鉄制の扉…


凄まじい業火が辺りを呑み込んでいく…


橋本は瞼の裏に焼き付く様な光りを感じた…

これにて序章は、終了致します。

事後は、三國志に物語は移行となります。


何分、急ぎで加筆・変更を行った為、お見苦しい文章で申し訳ありません。


誤字・表現等でお気付きの点ありましたらご指摘頂ければ幸いです。

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