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第十七話 大企業の法則

新大久保研究所にて、協力者の白垣レイダ(体操のお姉さん)を加えて、ゲポゲポ団ロボットの対策会議が行われていた

「回収してきた壊れたロボットじゃが、事前に図面の情報があってほとんどその通りだ。

 問題なのはロボットに使われている部品だ。海外製の部品の割合が20%で、それは主に特殊な部品だ。

 80%が国内製の部品だが、実際60%は1つの会社とその関連会社のものだ。

 ほとんどが八寺馬やじうま電機製のものなのだ。

 そのことから、このロボットの作成は八寺馬電機により行われた可能性が高いと言えるだろう。」


八寺馬電機はゲポゲポ団と何か関係あるんでしょうか。

あんな大手の企業がどうしてゲポゲポ団なんかに関わる必要があるんだ。

しかし、しっかりした証拠があるわけでないし俺達にできるのはここまでか。


対策会議も行き詰まった雰囲気の時に、白垣が発言

「あの、、、私、非常勤ですけど八寺馬電機の本社工場では最近にしばらく働いたことがあります。

 そんなに会社の仕組みが変わっていなければ、まだ社内に入れるかもしれません。」

「それは有難い話じゃが、女性が1人で諜報活動を行うのは、かなり危険だな。」


諜報の能力は無いかもしれませんが、俺が一緒に行けば、いざという時に力になれると思います。

ノロイダー2号の岐和土は少々興奮気味だ


「うん、では白垣君と岐和土君の2名で八寺馬電機に入り込み、ゲポゲポ団との関連を調査してくれたまえ。

 社内状況は白垣君が詳しいので、計画は白垣君主導で頼む。

 しかし、くれぐれも無茶はせんようにな。」



2日後、八寺馬電機の本社工場入口にて、白垣と岐和土の最後の打ち合わせが行われていた

「非常勤の作業者風にして入っていきます。」

俺は全然分からないので頼みますよ。

「私が目をひきますので、その間に社内に入って下さい。行きます。」


2人で並んで歩いていくが、守衛所の前で白垣がつまづく

「あっ、大丈夫ですか。」

「いたーっ」

「お怪我は無いですか。あれ、もしかして体操のお姉さんじゃないですか。

 いつも見てますよ。あのう、すいませんけど出来たらサインもらえますか。」

「えっ、サインなんてあんまりしたこと無いんで、ただの名前になっちゃうけどいいですか。こんな感じかな。」

「ありがとうございます。応援してますよ。」


「すいません、来客用の名札貸してもらっていいですか。」

「ああ、どうぞ」

「もうちょっとサイズの大きいのがいいな。」

「運動してる方ですからね。おっきいサイズのがありますんで。こちらでどうでしょう。」

「有難うございます。すごく助かります。」


白垣は先に入りこんだ岐和土と合流

「来客用の名札、2枚借りちゃいました。社内ではこれを下げていてください。」


2人は本社ビル4階の産業用ロボット課へ向かう

「社内の情報を検索するのには、部屋の隅のテーブルに置いてある共用のパソコンを使うことが多いの。

 社員の個人情報とかは、外部のネットワークとは遮断してあって、社内専用のコンピュータに入ってるのよ。」


白垣は社内用のパソコンを操作しはじめる

「あれっ、ログイン出来ないわ。パスワードが変わったのかしら。」


白垣が慌てていると、知り合いらしい男性社員がニコニコ近づいてくる

「おっ、白垣さん久しぶり、元気?」

「ああ、こんにちは。うまくログインできなくてね。」

「ちょっとどいて、やってあげるよ。。はい、OK。(えっ、あやしくないかって?)

 こんな、日本中の人が知ってる体操のお姉さんがあやしく成りようがないよ。

 じゃあ、体操もがんばってね。」


「なんか助かっちゃったわ。

 'GEPO'や'ゲポゲポ団'などの関係を調べてみるわね。」

しばらく検索すると、関連社員の一覧が表示された!やっぱり関係がありそうだ


「所属部署はいろいろだけど、みんな若手の人ばかりですね。現在、地方に単身で出張中という事になっています。

 でも注意欄に'GEPO'と書いてあるわ。カメラで撮っておいてね。」

地方に単身出張に行っているというのは、

実際は、ゲポゲポビームを浴びて、ゲポゲポ団に入れられてしまったのではないだろうか。

それなら、最近急激にゲポゲポ団の人数が増えてきた理由も分かる。


「あと、会社幹部の1名がゲポゲポ団の団長のようです。資本的な影響力があるみたいですね。

 あっやばー!うるさい部長が来たわ。もうちょっと調べたかったけど、この辺で帰った方が良さそうね。」


2人が帰ろうとしたところで、後ろから部長が声をかけてきた

「あれ、白垣君じゃないか、めずらしいね。今日は何の用だい。」


「あっ、今日はちょっと忘れ物を取りに来ました。」

「そっちのかたは。」

「プログラマーの同僚で、今日ちょっと会議がありまして。」

「へー、何の開発やってるんだね。」

「あの、新型ロボットの。」

「そんなのやってるのかね。聞いたことないね。」

「まだ打ち合わせ段階なんで。」

「知らなかったね。がんばってくれよ。

 そっちのかたもプログラマーですか。今回は開発言語は何を使われるんですか。」

「あっ、アリャリャン語です。へっへー。」

「なんか冗談のお好きなかたで、楽しそうでいいじゃないですか。

 私、そういうタイプ好きですよ。がんばってくださいね。」


2人は無事に調査を終え、会社内から脱出した

「よくあんなので通りましたね。もう捕まったと思いました。」

 

翌日、新大久保研究所では、あらためて紹介される白垣の姿があった

「白垣レイダ君には研究所職員として、しばらくここで働いてもらうことになった。」

「分からないことばかりですが、がんばります。よろしくお願いいたします。」

こちらこそ、こんな状況で申し訳ないですが、よろしくお願いします。


「白垣さんというと体操のお姉さんのイメージが強いのですが、ここでは研究者っぽく、レディレイダと呼びたいと思うがいいかな。」

「あっ、その方が新しい仕事につけた感じでいいです。」


挿絵(By みてみん)

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