6話「作戦開始」
「さて、作戦は頭に入れたか?」
実際の作戦はこうだ。26人が八方向に分かれ、八方向から突撃する。場所は聡の家からおよそ5キロ離れた高層ビル29階。一階からくまなく探し、目標である組織<カルファ>を殲滅すると言うものである。尚、作戦の障害になるものは、各々の判断で排除してもよいというもの。
各々の編成は、第一グループは聡、ヴァルキリー、クシナダ。第二グループは鞠菜、イザナギ、月夜見。第三グループは瑠菜、ガブリエル、信長。第四グループはミノルン、イザナミ、ロキ。第五グループはアポロ、シヴァ、悟。第六グループは沖田、龍我、アマテラス。第七グループはタケル、ブラフマー、紅茶。第八グループは卑弥呼、ナポレオン、スカーレット。全体アシストが油圧式、パルテナだ。
「愚問だな。どれもこれもずば抜けているが、これくらいの量は全員こなせるだろう。」
「アシストを含めてこの人数だものね。でもアシストを二人に任せて大丈夫なの?相当きついわよ?」
「私はかまいませんが…」
「気にしないで。伊達にここまで生き残ってない。」
「ねぇねぇ聡、僕此処よりアシストの方がいいんじゃない?」
「そこの馬鹿二人はむやみやたらと突っ込んでいくから、お前の能力で抑制しておきたいんだよ。」
「「馬鹿とはなんだ馬鹿とは!?」」
「ハモってる時点で確定よそこの二人。」
「おい、そろそろ行くぞ。時間は刻一刻と迫ってるんだ。」
いらだたしそうに聡はタケルとブラフマーに告げた。そう、此処まで使った時間は一時間。この作戦時間に必要な時間は少なくとも三十分はかかる。敵はいつまでも待ってくれるとは限らない。此処に居続ける程、相手に作戦を遂行する時間を与えてしまう。
「「わ、分かったよ。」」
「だからハモるなこの馬鹿共!」
「「やろうと思ってやってるわけじゃねぇ!?」」
「ま、周りの人がほとんど空気になってる!?」
「日常茶飯事だもの、慣れればこうなるわよ。」
「絶対に慣れたくねぇ…」
全員が一瞬にして雰囲気を変え、あたりにいた気配が一気に聡の家から離れていく。
「さぁ…行くぞ。」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「各自散開、指定位置より目標に侵攻開始!」
森の生物がざわつく中、二六人が剣鎧世界を救うために動き出した。