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第7話 大当たりで大金持ちになるしかないんですけど…1

今日の話はお子様読むの禁止でゲロ。

○館って質問しないでゲロ(笑)

 ショパン王国第2の都市クルトスガーデン。ここは観光地であり、様々な商品が集まる商業都市であり、そして公認カジノが集中する娯楽都市でもあった。お金持ちにはちょっとした刺激と暇つぶしを提供し、貧乏人には値千金の夢を見させてくれる。

 

 今、俺の懐には383デナリの大金がある。金貨で383枚もあるから相当重い。今日はこれを1万倍にするのだ。1万倍の三枚賭けで日本円換算3億円の大儲けである。ゲームをやりこんだ俺にはこの勝利は確定なのである。


(ウシシシッ……もうすぐ俺は億万長者だ~)


 一応、ケインには休暇届けを出してここに来ている。ケインの奴、次の任務までに準備が忙しく、俺たちは待機状態だから問題ない。だが、次のシナリオは結構厳しいことを俺は知っている。俺が行き残るにはスパクロア銃という新兵器がないといけないのだ。それには1万デナリを武器職人のクローディアに渡す。試作品を元に俺の小隊が使う程度の数は量産できるだろう。それで次のシナリオをクリアするのだ。


 俺は宿泊したホテルに高級馬車を呼びつけた。一応、ホテルは最上級ほどではないが4ツ星の高級ホテルを選ぶ。というより、俺が目指すカジノ「クルトスロワイヤル」にはドレスコードと馬車コードが設定されていて、4ツ星以上のホテル宿泊客でないと会場に入れないのだ。高級馬車のチャーター料金に5デナリ必要で、ホテル代と共に8デナリが消えた。だが、そんなのは必要経費である。要は勝てばいいのだ。


「お客様、カジノへ行く前にちょっと寄っていきませんか?」


 そう馬車の御者が俺に声をかけてきた。確かに夕方5時には時間が早い。今は3時である。クルトスガーデンは歓楽街も巨大で、あらゆる大人の遊びが堪能できるのであるが、案内されたのは綺麗な女性がたくさんいる店だった。いわゆる娼館である。


(こ、これは……ちょっと俺には早い……)


 そう思ったが、案内されるままにそんな店の一つに足を踏み入れてしまった。それなりに高級なところなのであろう。建物もきれいにされていて調度品も高級だ。


 俺が傭兵隊の軍人で、しかも男一人だったので御者の男が変に気を回したのであろう。そんな気を回さなくていい。俺はまだ童貞なのだ。こんな店で童貞捨てるわけには……。

 

 なんて、紳士ぶっていたが案内された部屋で俺の理性は吹っ飛んだ。ガラス張りの窓から一人ずつ待機小部屋が見えるが、そこに綺麗なお姉さんがセクシーな格好で座っている。


(ああ……だめだ~鼻血が出るううう…)

「主様、これは年齢制限かけないといけないでゲロ」

「いや、このくらいはまだ許されるだろう」

「セーフでゲロか?」

「って、ゲロ子、お前は引っ込んでいろ!ここは男の遊び場だ」

「主様。エロエロなことは妄想だけにしておくでゲロ」

「うるへー」

 俺はゲロ子を指で弾き飛ばす。ゲロ子はコロコロと肩から転がり、パッと消えた。ここからはナビキャラといえど、女の出る幕じゃない。


「お客様。こういう店は夕方からすぐ込みますんで、予約しておくのがベストなんです。実物も見てから予約しておけば間違いないですよ。この店、安全安心の優良店。当局からも認可されているんですよ。お客様だからこそ、特別にタダで教えるんです」


 御者の男、そう言って俺にアピールする。俺は童貞だがバカじゃない。どうせこの男。この店からリベートもらっているに違いない。だが、悪い話ではない。1、2時間後には俺は億万長者なのだ。ここで豪遊するのも悪くはない。


「当店は高級店でして、女性も美人ぞろいの若い女の子ばかりですよ。2時間で5デナリしますがサービスはいいですよ」


 そういってこの店のオーナーという女性が出てきた。四十代ぐらいだろうか。派手な服をきた中年女性だが、顔は美人だ。指にはゴテゴテと宝石をいくつも付けている。


 俺は窓をのぞいて美人たちを眺める。みんな美しく着飾っていて、にっこり微笑んでいる。どのお姉さんでも十分楽しめそうだ。だが、最後の窓を覗くと毛色の変わった女の子が椅子に座っている。その女の子は服こそ綺麗なナイトドレスを着てはいるが、それを十分着こなせてない感じだ。下を向いてブルブル震えている。肩で切り揃えられた髪の数本に震えが伝わって揺れている。薄化粧でどう見ても素人娘って感じだ。


「あ、あの娘……」

「おお、お客さんお目が高いですわ。あの娘、名前はネル。今日、入荷したピチピチの生娘ですよ」


「にゅ、入荷?」

 女主人がキセルのタバコをひと吸いし、気持ちよさそうに煙をはく。かぐわしい香料の匂いがする。俺の頭も余計クラクラする。


「ここの女性は通常、自分に意思で働いていますが、あの子は別なの。父親の借金を返すために今日から1ヶ月だけここで働くのよ。今日は初仕事ってわけ」

 

 そういってオーナーが片目をつむる。借金の肩に娘が身を売る話は昔あったと聞いたが、ゲームの中でもあるとは知らなかった。そもそも、ゲーム内でこんないかがわしい店はなかったし、入れないはずだ。まあ、主人公はこんな店に来なくても女の子には不自由しないのだが。


「父親の借金って、ギャンブルでもしたの?可哀想に……」

「話を聞くとかわいそうなのよ。これが……」


 俺がネルと言う女の子に興味をもったと直感した女主人は、同情を誘うようにネルがこの店に来なくてはいけなくなった話を語って聞かせた。


 ネルの父親は農民で近郊の畑で採った野菜を街で売って生計を立てていた。土地は地主の土地で、地代を払って野菜作りをしていたのだが、その地代一年分を払いに行く途中で落としてしまったのだ。金額は63デナリ。払えないと権利を失い、生活の糧を失ってしまうのだ。

 

 父親は八方手を尽くしたが落とした金は出てこず、心無い人間にネコババされたということだ。権利を失いたくない父親は泣く泣く、娘のネルを娼館で一ヶ月働かせることで63デナリを支払うことにしたのだ。


(金を落とすって、なんて間抜けオヤジだ。そんなんであの可愛い子がこんな店で働かせるなんて! 63デナリ……ネコババ? うっ!) 


 俺はその話を聞いて卒倒した……。その心無い人間って……。

「俺じゃん!」


「ゲロゲロ……主様、やっちゃたでゲロ!」

 ゲロ子がポンと再び顔を出した。

やっちゃったでゲロ……

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