幕間 2
登場人物
ゲロ子…ナビキャラ。カエルスーツを来た女の子。体長は15cm。フィギュアサイズ。脱いだらすごいんですっと自分で言ってる。
よく見れば、美少女に見えなくもないが、すべてを無にする。カエルコス。
さらに性格わる! でも、読者様には何故か人気。
ツッコミが調子良いせいか?(笑)
「うるさい、チ○カス!」
「へ?」
チ○カスなどとえげつない言葉を聞いて俺は固まった。声の主がフランちゃんだったからだ。
清楚で可憐で華奢で、大人しい女の子。
恥ずかしくて友達の背中に隠れてしまう女の子。
それが口汚く俺に罵声を浴びせているのだ。
「邪魔だ、チ○カス。お前のせいでケイン様の姿が見えなかったじゃないか!」
「え、フランちゃん。性格が……ちょっと、というか、全然違う!」
「かーっ! 慣れないことすると肩が凝るわ~。おい、お前、あたいの肩もめよ」
首をコキコキと振ってフランちゃんが俺に命令する。俺は恐る恐るフランちゃんの肩をもむ。道端のカフェの椅子に座るフランちゃん。
「あ~気持ちいいわ~。おい、チ○カス、お前、マッサージ上手いじゃないか」
「は、はい。フランちゃん」
「ちゃんじゃないだろ! フラン様だろ!」
「うっ!」
ドカッと肘打ちを俺のみぞおちに見舞う。俺は手を当てて苦しがる。
フランちゃん、手に持った売り物の花が入ったバスケットをテーブルの上に置き、出てきたお茶をゴクリと飲んだ。足を開いた座り方でお下品な姿。ウェーブのかかった美しい金髪の清楚な美人には似つかわしくない姿だ。
「はあ~っ。かったるいわ~。こんな花を売っても1日1デナリにもならないし! 男引っかけて玉の輿と思っていたのに、おい、てめえ!」
「は、はい」
「てめえ、どう落とし前つけてくれるんだ?」
そう凄むフランちゃん。
あのギルド窓口のナンナちゃんも裏の顔は(したたか)だったが、この花売り娘フランちゃんは、清楚で可憐な姿からは想像できない正反対のビッチだったとは!
ついでにフランちゃん、タバコを取り出して口にくわえやがった。
(やめてくれ~。これ以上、俺の中のイメージを壊さないでくれ~)
「あのう……フラン様」
「なんだ?」
「未成年はタバコ吸っちゃいけないのでは……」
「はあ~ん?」
フランちゃんは俺の腹に瞬時にパンチを入れる。「うっ」と言って倒れる俺。その頭を足でガシガシと踏みつけるフランちゃん。
(鬼だ……ここに鬼がいます!)
「こう見えてもあたいは21だ!」
(あ~俺の中のフランちゃんイメージが音を立てて壊れる~)
「あ~男欲しいわあ~。もう1ヶ月もやってないからなあ」
タバコをふかしながら、エプロンドレスをバタバタさせて風を送り込むフランちゃん。
「や、やってないって……?」
「てめえは童貞野郎か? あれに決まってるじゃないか!」
「あれって……」
そりゃ、いくら俺が童貞君でも想像がつく。でも、想像したくない。この清楚で可憐な大人しい花売り娘のフランちゃんが……。俺がケインだった時にハーレムに入れた時にはそれはウブな反応で俺はしばらく、ゲームのハーレムタイムの時にはこの娘の指名を続けたものだった。
(それなのに……。あれは全て演技だったのか~!)
フランちゃんはタバコの煙を俺に吹きかけて、足で俺の股間をグイグイ踏む。
「おや~。童貞君はあれとか知ってるんだ?」
「フラン様だって、未経験じゃないんですか?だって……」
俺はその後の言葉を飲み込んだ。俺がプレーヤーでケインだった時にこの花売り娘フランは攻略済みであった。最初の時は、それはそれは……。
でも、あの時の感動は一撃で切り伏せられる。
「ぷっ! 今時、未経験なんてダサッ! ヤリまくりの入れまくりに決まってるだろ。このチ○カスが!」
(あ~あ……神様。今、俺の中のフランちゃんが死にました。青春よ……さらば……)
「ああ……。俺のハーレムが~」
(ハーレム)という単語を聞いてフランちゃん、いや、フラン様が反応した。
「おい、チ○カス」
「は、はい。じゃなくて、そろそろ、そのお下品な呼び名は勘弁してください」
「じゃあ、C。成績AでもBでもなくてC。ぎりぎりのC」
「フラン様……俺、なんだか悲しくなります」
「その悲しいC! てめえ、今、ハーレムと言ったな?」
相変わらずスカートをバタバタさせて、タバコをふかすフラン様。
「てめえのその大それた夢のために、このフラン様が教えてやろうじゃないか?」
「え? 何を?」
「女の落とし方だよ!」
(え? えええええええええっ!)
「次回 ビッチによる、ヘタレな男のためのハーレム作り講座でゲロ」
ゲロ子が看板を持って画面前を横切っている。
「続くって……、ゲロ子、勝手に次回に送るなよ!」
「乞うご期待でゲロ」
消えても最後は締めくくるゲロ子……。




