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CAFE カプチーノ

 あんよが上手。まだ、覚束ない足取りで歩くその足。

 私はまだ、そこにも至っていないことを享受した。

 段取りはこうだ。

 1、寝返り2、立ち上がる3、あんよ4、歩行5、走行

 1、カフェを知る2、コーヒーの種類を知る3、喫茶店に入る4、チェーン店のカフェに入る5、家で豊富なコーヒーを入れられる

 と言った、工程が分けられているはずではないか?

 先日、スーパーに買い物しに行く途中で見かけたのである。

 『CAFE カプチーノ』

 元来、世の中ではここがCAFEと呼ばれている場所だ。このカフェという場所をたくさん作るために作られたのがチェーン店だ。ここなら、チェーン店では出されない種類のコーヒーも楽しむことが出来る。ならば、ここを極めればチェーン店なぞ虫の息。

 ならば、このカフェに入らずしてどこのカフェに最初に入るのか。私の思考がこんな簡単な思考まで至らなかったことを私は悔いている。

 なに?今まで通り注文に迷ってしまうという点はどうしたのかと?

 そこが一番のミソだ!

 チェーン店はレジに最初に行かねばならない。その反面、普通の喫茶店と呼ばれる場所は席についた先のメニュー表を見ないとその店オリジナルのメニューを知れない。つまり、メニューをじっくり吟味する猶予時間が与えられるのだ!

 勝った。すでに、勝利への活路は見出せたぞ!

 実はこの喫茶店『CAFE カプチーノ』は私の町での活動範囲に丁度面さない場所に位置していて、先日スーパーの帰りに買い忘れをコンビニで済ませるために迂回路で見つけた場所である。

 こじんまりとした外観で大きなガラス窓で落ち着いた雰囲気の内装が見える。それでも、道行く人が視線を寄せないように設置された花と木々。雰囲気も中々のものだった。

 私は意を決してついに喫茶店のドアノブに手をかけて手を引いた。

 心臓がバクバクする…………

 ……………

 ………

 …

 バタン。

 あっという間に扉は閉まり私は喫茶店の中に進入することに成功した。推定3秒。体感1秒。

「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」

 ウェイトレスの服を着たお姉さんが落ち着いた声で柔和な笑顔を浮かべながらお辞儀をしている。

「あ、はい」

 無言で入るのも無礼かと思い小声ながら小さくお辞儀して席を選定する。

 外で見たときから気づいていたが、全然人は入っていない。もともと交通量の少ない場所であるためだろう。私が入ることのできる喫茶店なのだからきっと大通りに面した場所に構えれば客入りは桁違いに伸びるだろう。

「あ、その制服もしかして水桜高校の子?」

 !?

 ウェイトレスさんに話しかけられてしまった。なんなしに来店の挨拶をされたからそのままスルーかと思いきや思いっきり面を食らってしまった。

「え、あ、その、はい。そうです。水桜高校ですけど」

 だったらなんだというのだ。なんて口走りそうになったが流石に口が悪すぎると思い次の言葉も思いつかづ口どもる。

「いや、水桜高校の子がうちのお店に来るのは珍しいなと思ってね」

「はぁ」

 また、だったらなんだというのだ。

 正直、そろそろ口走りそうだ。

「あ、とりあえずお席へ案内するわね」

 また、柔和な笑顔に切り替わって私は謎のウェイトレスさんにカウンターの中央らへんの席へと誘われて行く。

 というよりか、答えを出さないまま案内にうつられると悩ましい気持ちになるじゃないか。

「はい、お水どうぞ」

「あ、どうも」

 差し出された水を受け取ると同時に、ウェイトレスさんの顔をじっと見つめてみる。

 …うん、学校で見みたことはないが、まだ私は高校に入って半年もたっていないのだからまだ見たことの無い人でさらにここで働いている点から水桜高校の学生であっても高学年のはず。

「あら?私の顔に何かついてるかしら?」

 白髪で腰まで伸びた長い髪、それを腰の上らへんで黒いリボンで縛ってある。ウェイトレスの服はメイド服の様なタイプでコルセットのような部分でくっきりと胸のラインが区切られていて男の心をくすぐる仕様。ぐへへへへ、そそられるぜ。なんて。

「その服、可愛い服ですね」

「えへへ、そう?ありがとう。あ、そうそう水桜高校の学生さんなのよね、なら軽食一つ無料でつけてあげるわね。そこにメニュー表があるから決まったらそこの、おじさんに注文してね。あ、私でもいいけど」

「え?あ、ありがとうございます」

 目の前を見ると、おしゃれヒゲを生やしすましたスーツを着こなす男爵がいらっしゃった。

「いつでもご注文ください」

 声は意外と高く好感を持てる雰囲気であった。

 流されるがままに、ここまでやってきてしまったがウェイトレスさんも男爵さんもほかの仕事に移り一人となった空間でやっと我に返った。

 私は喫茶店に入っているのだ。そして、注文をしなければならない………

一名様ごあんなーい!

ついに喫茶店に入ってしまいましたな、新キャラを使用せずに入ってしまいました。

いやーこれですっきり、めっきり、もっさり終われますね。

次回は、当然のことながら注文表に弄ばれるトルテちゃんを見る回です。いや、僕的にはウェイトレスさんの胸にご執心なんですが、そこはあえて今はなんとか押さえて押さえて………………

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