知識は力なり
知識が詰まった空間。図書室。
は、使いません。学校の人にコーヒーの本を読んでいるところなんて見られた日には脅しの材料にされかねない。高校というのは非情な空間だと昔誰かに聞いた気がするから。
だから、私が利用するのは、本屋である。
そこで私はコーヒーの専門書を探し、見つけた。
・エスプレッソ
よく分からないけど、コーヒーらしい。
・エスプレッソ・ソロ
よく分からないけど、普通のコーヒーらしい。
・エスプレッソ・ドッピオ
よく分からないけど、エスプレッソ・ソロの二倍の量が入っている模様。
・カプチーノ
エスプレッソに、スチームミルクという新種のミルクを注ぎ込んだものらしい。魔法みたいだね!
・カフェモカ
カプチーノにチョコレートを投入すると、カフェモカと言うものに変化するらしい。追加詠唱だね!
・ロマーノ
エスプレッソにレモン汁とレモンの皮をティースプーンの半分ほどのサイズに切り取ったものを添えるものらしい。メニューに書いてあったら卒倒します。
……………
………
ここまで理解するのに所要時間約二時間。
先日、『アーモンドチョコチップモカ』なる商品広告を見てついに私の脳内が爆発してしまい今日は本屋まで出向いて下調べに来たわけだが。
どうも私に『アーモンドチョコチップモカ』と言うものを理解するのにはまだ情報が足りなかった。
まず、カフェモカと普通のモカの違いは何があるのだろうか…喫茶店ないしカフェで出されるモカがカフェモカであって、家で作ったモカはモカと称する……いや、そこまでして名前を変える必要はあるまい。
そもそも、モカとはチョコレートを入れたものもしくは書籍によるとココアなどを入れたものを呼称するらしい。だというのに『アーモンドチョコチップモカ』は、モカだというのにチョコチップが入っているというのか。それはもうダブルチョココーヒーのアーモンド添えとかじゃだめだったんだろうか。もしくは、そう呼称できない何かがそのコーヒーには施されていて、仕方なく『アーモンドチョコチップモカ』と呼称せざるおえないのか。
「ダブルチョコーヒー」
ぼそりと呟いてみる。うむ、実にいいネーミングセンスだ。
辺りを見回して人が居ないか確かめてみる。
ざっざっざっざ
見回した瞬間奥から人が私の後ろを横切った。
これをボッチ系ポテンシャル『錆防止』という。
ボッチは基本的に学校では言葉を発しない。家でももし声を出す機会がないと喉が錆ついてしまったかのように自分の声を忘れてしまうのだ。そんな時、ぼそりと冗談を呟くのが『錆防止』だ。
そして、暴発すると家の一人のときなどではなく野外でそれを巻き起こすこともしばしば。そんな時、彼女らは冷や汗をかいてことなきをえるのだ。どうせ、赤の他人だから結局は気に留められても三歩歩いたらすでに忘れているというのに。
「はぁ」
なんら私の方にリアクションを起こさずに立ち去った通行人に肩をなでおろす。
背後に気を配らせていたのを切り替えて、視線を専門書の方に降ろす。
ふふふ。今日の収穫はでかい。
なんといっても、あの謎の飲料水『カプチーノ』と『モカ』を知りえることが出来たのだから。さらにはロマーノと言う謎のコーヒーも覚えることに成功。
実はここはディティールコーヒーの横の本屋。(第二話参照)
今からならディティールコーヒにも入れる勇気が湧いて出てきた気がする!ははははは!やはり謎の少年向坂迅の力なぞ必要ないわ!
私は高鳴る胸とともに足早になり、本屋の戸を開き、すぐ真横に見えるディティールコーヒーを見据えるがてら自転車まで戻る。
上はどこかの会社が入っているのか、見たことも無い会社名の看板が町の喧騒を作り上げていた。
「ふぅ」
息を一息ついて、いざ一歩前へ前へ!
…………………………
………………
………
と、一歩踏み出す前に思考回路を巡らせて見た。
未だに私は『アーモンドチョコチップモカ』の正体を明かしていないではないか。さらに言ってしまうと、アーモンドチョコチップモカが存在するということはさらにはもっと、こったネームをした商品も数多に存在するのはず。
ふと、私は戦慄が走り視線を下に降ろす。
『モカジャバ』
ディティールコーヒー一押しのコーヒーらしい。看板にでかでかと商品が見えているが、上に泡のようなものが浮いていてどのような商品か分からず。
最後にモカという単語をつけるなら分かる。いや、まずジャバが分からないから分からないや。でも、結局ジャバというものをトッピングしたのならば『ジャバモカ』と呼称すべきではないか?
思考を巡らせていると、一つの有名な商品名が頭をよぎる『ビック○ック』
あれは、ハンバーガーだということをすでに明かしていない。そう考えると『モカジャバ』もまだ許せる商品名なのか。
………………
……
足はふらふらと動く。
「こちらのレジへどうぞ」
さほど笑みの含まれていないお客への対応。そこに私は足を運ぶ。
ピッ!
レジの勘定が表示される場所に金額が表示される『2400円』
「ブックカバーはお付けしますか?」
「結構です」
以外に高い買い物であった。
こうして、今日の戦利品『BOOK OF COFFEE』と言う知識の塊を得たのであった。
先日僕もコーヒーの専門書を購入してまいりました。
それが2400円です…ええ、そのまま利用させていただきました。
ええ、そしてそのままお高いですねと思ったのでそのまま記載……え?これ僕の日記になってない?って途中から思い始めたのは内緒。
残念ながらボッチ系ポテンシャルの発動はしませんでした。