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ステップ  作者: 鷹橋達也
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よくある日常



「達也、もうフトンで寝たら?」


 と、身体を揺さぶられて、ぼやけた視界が見えてきた。


 どうやら寝入ってしまったらしい。




残業終わりで仕事から帰ったのが午前1時前。


遅い晩酌の缶ビールを開けて、テレビを点けると、懐かしい洋画がやっていた。




眠気まなこながら最初はちゃんと見ていたのだが、ブルース・ウィリスが椅子をぶん投げたあたりからの記憶がなくなっていた。




テレビを見ると、アナウンサーと、画面の左上の4時半の表示が映されていた。



トイレで起きてきた智子はすでに寝室に戻っているようで、


鷹橋達也は半分ほど残っていたぬるい缶ビールを一気に飲み干した。



画面は変わって、羽柴官房長官が記者の質問に答えている映像が流れている。



羽柴はまだ40代ながら、次期総理大臣に挙げられている有力者だ。



人懐っこい顔立ちと、それとは反対のハッキリした物言いから国民からの人気も高かった。




達也から見ても、羽柴はほかの政治家と違って魅力的なものを感じる所はあった。



 長引く不況とコロコロと看板だけ変わる総理大臣。



そんな国民の閉塞感からか、


この羽柴なら何か変えてくれるかもしれないという期待感が膨れ上がっているのかもしれない。




画面は変わり、アナウンサーがニュースを伝えている。


昨夜、 神奈川県某所の雑居ビルで起こったガス爆発事故だ。



消化活動は終わったようだが、死傷者は不明のようだ。



「さて、寝るか。」


4時間後には出勤する。


そんな自分の姿など想像もしたくないと、

達也はテレビと部屋の明かりを消してそそくさと寝室に入っていった。



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