REUNION
ビル全体に衝撃が走り、
轟音が鳴り響いた。
四階の床にも亀裂が入り、爆発の凄まじさを物語っていた。
田崎は、壁際に体を押し付けて、固く閉ざされたドアに銃口を向けている。
体の線が細く、官僚のように神経質なその顔は冷静さを保っていたが、足の震えを止めることができずにいた。
ドアの隙間や床下の亀裂から侵入する煙が鼻を突く。
轟音は収まり、室内は次第に静寂をとり戻しつつあったが、
田崎の不安は一層強くなり、鼓動が早まっていく。
その緊張に耐え切れなくなった田崎が、窓を開け防犯シャッターを押し上げた。
外の景色とともに、田崎の目に飛び込んできたのは、
眼前に突き付けられた銃口だった。
声も出ずに後ずさりした田崎に、アキラは銃弾を放った。
肩を銃弾が貫き、田崎は傷口を押さえながら、仰向けに倒れた。
窓から侵入したアキラは、続けて田崎に発砲した。
両足の大腿部に埋め込まれた銃弾に、田崎は絶叫し、のたうち回る。
アキラは田崎の胸倉を掴み、皮張りのソファーに強引に座らせた。
「久しぶりだな、田崎さん。」
眼前にある銃口越しに、
アキラを睨みつける田崎に向かってアキラが冷徹な表情で見下ろした。
遠くで鳴るサイレンの音が耳に入ってきたが、まだ時間はかかるだろう。
「全てお見通し、というわけか…。」
無駄な反論はしないとばかりに、田崎が呻くように口を開いた。
「ああ。
公安にタレコミをし、俺にメールを送ったのも、
そして、森田の件で真弓に協力し、その後真弓を裏切ったのも、
全てあんたがやったことだということは調べがついている。」
アキラは、そこで言葉を詰まらせながら、声を搾り出した。
「………そして、
香織と真弓が…、
実の親子ではないということも……。」
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