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暁に跳ねる

霜ヶ原駅は、どこか時の流れから取り残されたような場所だった。冬枯れの風がホームを吹き抜け、遠くから警笛の音が木霊する。

榊原澪は、駅案内係として今日も静かに持ち場に立っていた。制服の袖を整え、定刻の放送を確認し、無言のまま構内を歩く。言葉は少なく、しかし誰よりも周囲に気を配っている。

駅の片隅に、彼女の手帳が置かれている。色あせた表紙の中には、列車の通過記録、構内設備の不具合、すれ違った車掌の名前までが記されていた。
祖父に教えられた習慣。それが彼女の生き方だった。
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