02:勘当
寒くなってきましたが身の回りに半袖の人が数人いて少し心配になる今日このごろです。
家に帰ると母親はまだ家にいてメイクをしていた。今日はすぐ殴ったりしてこないので機嫌はいいのだろう。僕は母親の気が変わらないうちに部屋の隅へ移動する。
その時電話がかかってきた。母親の彼氏だろうか?
「もしもし、うん駅前でしょ?え、今日はやっぱりなし?!今度にしようって…なんでよ?!予定が急にできたからいけないって…ってもう切れてるし何なのよ?!」
母親は彼氏との予定がなくなってしまい苛ついているようだった。僕は当たられないように部屋の隅で小さくなる。そうすれば母親からの暴力をあまり受けなくなるから。
「何でよ…何でこんなに私が無視されないといけないの?!ムカつく…おい、いるんだろお前」
僕は母親からお前などの適当な名前で呼ばれている。名前を読んでもらったことなどとうの昔で終わってしまった。
「…はい何でしょうか」
「何でしょうかじゃねぇんだよクソガキ。高校生にもなるのによ、メソメソ逃げ出すことしかできないお前が居るからさぁ私は何もうまく行かないんだよ」
「…はい。ごめんなさい」
「ごめんなさいじゃねぇんだよお前。あーわかった決めたわ」
「な、何をきめたんですか」
「決まってるでしょ?お前を追い出すことをだよ」
「え…」
「え、じゃねぇんだよ。だいたいもう高校生にもなるんだからよさっさと出ていけよ」
「で、でも」
「でもじゃねぇんだよさっさと出ていけ。どうせ荷物も何もないだろ」
「ど、何処に行けば」
「何処に行けば?ふ、あはははお前これからも生きる気でいるの?てっきり死ぬと思ったのに」
「え…」
「聞こえなかったのかい?死ぬと思ったって言ったんだよこのノロマが。さっさと出ていきな」
「う…痛い…」
要大はみぞおちや顔などに数発の蹴りを入られて髪を捕まれ家から放り出されてしまった。
「もう二度と顔見せるんじゃないよ。さっさと野垂れ死ぬんだね」
扉が閉められたとき僕は生きるのが辛くなった。死んでもいいかなでもあいつの言うとおりになるのは嫌だな…そんな思いがめぐりまわって気づけば僕は街の近くまで来ていた。
街に行けば路地なんかも多いので僕は街に向かって重い足取りを向けた。
街に行ったところで僕はどうにもできず聞こえてくる生活音と自らの腹の音だけを聞いて座ることしかできなかった。
座り始めてどれぐらいたっただろうか数分だったかもしれないし数時間であったかもしれないそんな苦痛が自分でもわからないほど続いたときだった。
「ねぇ、あなた大丈夫?」
「あれ?この子さっきの子じゃない?」
公園で助けてくれたお姉さんたちと出会ったのは
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