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見果てぬ大地  作者: えっちぴーMAX
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季節の移ろい

その日から徹底して剣の稽古が始まった。朝から晩まで剣を担ぎ、夜寝る時にやっと剣を降ろす。

朝起きて、まずは筋肉トレーニング、腕立て、腹筋、背筋、懸垂などを限界まで行う、その後は朝食を取ってランニング、城の城壁の上を走る。残念ながら、城壁は50キロメートル以上あるので、1時間を全力で走り、20分ゆっくりと休憩して、さらに、1時間をかけて城に戻ってくる。それが終われば師匠との戦闘の模擬稽古が始める、もちろん真剣でだ。ここでも全力で剣を振らなければ、師匠の大きな剣に吹き飛ばされる。見よう見まねで、魔力で体を強化する。


 ギリギリの手加減、今持ってるカズマの全力でやっと相殺できるかどうかの力加減で、ゼノスは剣を振るう。

その証拠に、少し気を緩めれば、無情にカズマの体は宙をに投げ出された。カズマが最初にゼノスから受け取ったミッドソードはすでに無い。代わりの剣は30代目を数えた。

 ゼノスの剣を避けることはできない。剣をまともに受けたらカズマの負けだ。剣は折れ、簡単に体は二つに別れるだろう。ゼノスの降ろす剣に全力で剣を打ち込む、外から力を受けたゼノスの剣は僅かに横にずれ、なんとか剣を逸らす。その連続、無我の極地、余計な考えは即、敗北を意味する。


広い庭で、林で、狭い路地で、至る所で稽古は行われた。次第に動きも2次元から3次元に変わっていった。壁をつたい、木の枝を足場に蹴って飛び、砂塵を目隠しにした。

目に魔力を流すと、視界がさらに広がった。脳に魔力を流すと、瞬間がさらに引き延ばされた、呼吸や心臓の鼓動の間隔も引き延ばされた。相手の呼吸を読む。呼吸が止まった瞬間、猛烈な剣圧が襲い掛かかった。

初めて、師匠の剣を躱す。そして、反撃…。袈裟切りの剣は躱され、逆に反撃される。剣で受け止める。

衝撃で火花が生まれる。その火花の先に、ゼノスの剣がカズマの剣に食い込んでいた。


"斬鉄剣"


完全に刃が断ち切られる前にカズマは剣から手を離した。その手で相手の剣の柄を握り押し返す。

さらに魔力で筋肉を強化し、相手の重心をずらそうとする。

しかし、大木のように根をはってゼノスは寸分も動かない。

逆に、力の方向を変えられ、カズマは宙を舞った。


そこには、2匹の魔獣が存在していた。本能に従って戦う2匹の獣。


「なかなか、上達してきたのではないですかな?」


「お陰様で、魔力強化はかなり向上したと思う。」


体から迸る魔力と限界まで酷使された体から発する汗が蒸発し、二人の体から白い湯気が出ていた。

ゼノスは心地よい、澄んだ空気を大きく肺に入れ、息を吐く。


「そろそろ、別の訓練に移りましょうか。」


「しかし、まだ師匠の剣もまともに受け止めることもできておりません。」


「確かにそうですな、けれど学ぶことは他にもたくさんありますぞ。」


「なぜ、私の剣と切り結ぶことができないのか、それはカズマ様の心のどこかに、相手を傷つけてしまうという心があるのです。それが力の開放を阻害している。」


「次は、実戦で心を鍛えましょうか…。」


そう言ったゼノスの顔は、凶暴な野獣のような笑みをしていた。

季節はいつの間にか冬になっていた。





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