異世界
「ここは」
俺は目が覚めたら知らない家のベッドにいた。半身を起こしかけてあった布団を退けてベッドであぐらをかき、部屋を見回す。そこはなんでもない普通の部屋だ。外はもう暗い。俺は昨日の事を思い出し、ここはあの人の家と理解、他の誰かという可能性はない、この世界で会ったのはあの人とドラゴンだけだから。
「コン、コン、コン」
ドアを叩く音がしてドアが開かれる、入ってきたのは全く知らない茶髪の少女だ。
この子誰?
「ああ、起きたの」
「誰…ですか」
「私はスズで、こっちは…」
「僕はウサギの妖精のラビーだよ、よろしく」
少女スズの後ろから灰色の羽が生えたウサギが出て来た。
この世界にはこんなのも居るのか。
魔法とかはあるのか、俺はラビーに聞いてみる。
「もちろん魔法はあるよ、でも使えない人の方が多いかな。ちなみに僕は火の魔法が使えるね」
「じゃあ、私はもう行くから」
そう言ってスズは部屋から出て行った。じゃあ俺はこのウサギと話をするか。
そうして俺はラビーに世界のこと聞いた。
どうやらこの世界には、モンスター達を支える魔王や、超強い七人の大罪モンスターがいるらしく、人間側は、魔法が使えるものや騎士達でモンスターと戦っているらしい。
あと、レベルというものがあり、モンスターを倒すとレベルが上がり、能力があ上がり、強くなるらしい。
ゲームみたいだな。
「なあ、俺は魔法を使えるのか?」
「僕には分からないよ。そういう事を教えてくれる所があるから明日行ってきなよ」
よし、この世界の事は少しわかった。じゃあ明日はそこに行って魔法が使えるか教えてもらおう。
話が終わり、ラビーは「じゃあ」と言ってでていった。
お腹すいたな。俺は部屋を出て階段を下りて良い匂いがしている部屋に入った。そこにはなんと素晴らしいお料理が並んでいる。まるで料理の宝石箱や〜。
「おはよう」
机に料理を運ぶ水色のかみの女性がいた。
俺は椅子に座り料理を食べる。
「何かいいことあったんですか」
スズがそう聴く。
「いや、あなた達の働く場所が決まったの」
え、働くの?
「え、働くの!」
スズも同じことをおもったようだ、すごい嫌な顔をしている。
「そうよ、だからこれがうちで食べるさいごのご飯だからたくさん食べてね」
これがここで食べる最初で最後のご飯か。
俺はご飯を全て食べ、部屋に戻って眠った。流石に寝起きで食べ過ぎた、気持ち悪い。
*
「ここか」
俺とスズは朝早く家を出て俺達が働く場所へ来た。そこは、すごく大きい屋敷だ。
こうゆう所では何をするんだろうな、やっぱり料理とか掃除か、こんなに広いとこを掃除するのは辛いな。
俺はそんな事を考えながらドアを叩く。
「ごめんください」
「シャーロット家へようこそ」
目つきが悪いメイド服を着ている少女が出てきた。メイド服なんて初めて見た、こうゆう所では普通に着のか。
「まあ、とりあえず屋敷に入ってください」
ショウとスズは屋敷に入り、ある部屋へ案内された。
屋敷の中は、外を見てもわかるが一目で一流の豪邸だと分かる。綺麗だ凄い手入れをされている。ショウが屋敷を見回していると、もう着いたようだ。
「さあどうぞ、この中に家主様がいますわ」
真っ白な髪でイメージしていた家主とは全然違った美しい少女だった。
「こんにちは、私は、シャーロット・メアリー、君たちはショウとスズだね」
「はい…今日からここで働かせていただきます」
「やることは、そこのマリンに聞いてくれ」
その後、ショウとスズはマリンの指導受けて屋敷全体の掃除、スズはもうサボってたけど。その後は庭の手入れ、その後は晩ご飯の用意、指を切りまくって料理に恐怖を覚えた。
仕事を終えて、自分の部屋のふかふかのベッドで眠りについた。
この時は四年後、まさかあんな事になるなんて全く予想できなかった。