あまり強い言葉を使うな。弱く見えるぞ…?あ、ごめんなさい。強すぎて泣きそう。②
痛い。左目が焼けるように痛い。
左目に一太刀うけて受けてそこからなんとか刀で攻撃を受けることが出来たが防戦一方だ。
付加:狂化 魔力の流れを乱し人ならざる力を出す。その間理性を失くす。
特性状、自分もしくは親しい人間にしか使うことはできない。
家を出る前に読んだ本で知ってはいたがまさかこれ程とは。
かろうじて攻撃をかわしているがそれも致命傷になり得る攻撃だけ。
それ以外の攻撃は避けることをしなかった。いや出来なかった。
10分くらいたっただろうか。目の痛みが引いてきた。
血が抜けたおかげか、頭はこれ以上ないほど冴えている。
「付加:雷」
…?以前使った全知全能の神を使おうとしたのに雷になった。
しかし、身体に雷をエンチャントしたので少し身体が早く動く。
だてに今まで剣を振ってきただけじゃないことを思い知らせてやる。
互角以上に切り結ぶことが出来ていたがそれでも決定打には至らない。
「お前…いいな。殺す殺す殺す殺す殺す。お前の血を吸い俺の血肉にしてやる。ギアを上げるぞ。頼むからすぐに死なないでくれよ?」
こいつ息1つ切れていない。
「付加:狂乱」
明らかに男に宿る魔力量が増えスピードと一撃の重さが増した。
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。」
ダメだ。攻撃を交わしきれない。
いくつもの攻撃を受け息を切らすと男も動きを止めていた。
大きな力にはそれなりのデメリットもあるようだ。
よく見ると腕や脚などから血が出ており身体がついていないのだろう。
「ちっ、この身体もそろそろ限界か。じゃあとどめを指させて貰おう
。付加:狂乱!!」
死を覚悟した。
こんなところで死ぬわけにはいかない。
「付加:全知全能の神」
そう口にしたとき一瞬意識が途絶えた。
朝日の光に目蓋が反応し意識が戻った。
自分は血の海に倒れていた。
その血のおおよそが自分のものではないことを起き上がると同時に知った。
近くには昨日自分が死の縁まで追い込まれた男が見るも無惨に切り刻まれていた。
そして恐らく自分の太刀筋と同じであるので意識が途絶えた後に自分がやったのだろう。
身体の節々が痛い。
全知全能の神は身体に大きな負担がかかるようだ。
それにしてもこいつ、目が良さそうだったな。
自分の失った左目に手を当て1つ思い付いた。
過去、回復の魔法は苦手だったが付加としてなら…
自分の身体にこいつの目を付加すると考えれば…
うん、出来た…!?目に魔力が吸われる。視界が…これは?
魔力の流れが見える。これは儲けもんだ。
こいつの目、魔眼が付加されてる。
魔眼は魔力の流れを見ることが出来、付加を主流とするこの世界に対してなにかと都合が良い。
さて、この村を早く出なくては間に合わなくなる。
村の住人を弔い再び王都に向けて出発した。