表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/68

馬頭(メズ)13

R13くらいかと思います。



「はい、背中拭いて」



「え……?」



牛頭ゴズは仰向けの状態から、上半身を少し起こして両肘を布団についた状態になった。



「これなら、背中拭けるでしょ?」



「背中を浮かせてくれるのは有難いんだけど、これじゃあ……」



腰の上に座って、抱きつくようにして背中を拭けと言われているようなものだった。



「寝間着を脱いでうつ伏せになればいいでしょ?」



「沙羅、早くしないと腕痛いよ」



「もう!

なんで痛い腕を使う体勢になってるのよ!」



肘が痛そうだ。



仕方がなしに牛頭ゴズの腰の上に座り、寝巻きの間から濡れタオルを差し入れた。



なんか、座り心地が…………



完全に下半身の上に座らせられているので、なかなかの違和感があるけど、意識したらいけない気がする。



目の前は牛頭ゴズの胸やお腹がドアップになっていて、その胸板や腹筋のゆるやかな隆起が嫌でも目に入った。



強烈な色気を前に、ドキドキしない方が難しい。



早く終わらせないと、危険だ。



それにしても、左手をついて自分の体重を支え、右手で牛頭ゴズの背中を拭くので、かなり拭きにくい。



しかも背中の奥の方を拭くのには結構密着しないといけない。



左手がプルプルし始めたところで、牛頭はニヤリとこちらを見た。



「あ……」



軸にしていた左手をすっと薙ぎ払われた。



左手がカクンと崩れる。



支えを失った体は、牛頭ゴズの上半身になだれ込んだ。



「ちょっと!」



仰向けに寝転がる牛頭ゴズの上に、向かい合って重なるような体勢だ。



完全に密着してしまった体を起こそうとすると、牛頭は右手で私の背中をロックしていた。



「ふふ、可愛いねぇ。

沙羅から抱きついてもらえるなんて、嬉しいよ」



「事故でしょ!

事故らせたのは牛頭ゴズでしょ!」



ふふっと、悪戯っぽく牛頭ゴズは笑った。



どうしよう、正面から完全に密着してしまっている。



その胸に頬をつけ、全体重を牛頭ゴズに預けているような体勢でロックされ、身動きが取れない。



そんな密着状態で、牛頭ゴズの肌から立ちのぼる上品な匂いが、ふわりと鼻腔に舞い込んできた。



その香りに、脳がゆっくりと痺れていく。



逃げなきゃ、なのに。



襲われたくないのに。



………………どこかで、もう少しだけ……なんて思うのは、とても罪深いことだと思う。



「・・・」



いつの間にか、幼子を寝かしつける時のように背中をさすられていた。



その体温が心地よくて、うっとりと目を細めそうになる。



私はすっかり…………油断していた。



いきなり身体を引っ張り上げられて、牛頭ゴズと目線が合う。



「えっ!?」



わけも分からずそのままの体勢で牛頭ゴズを見下ろすと、その淡い色の双眸がキラリと光った。



「湖で全部流されちゃったから、また注がないと……ね。

絶対に帰さないよ。

ここで、僕と生きよう?」



私が上になったままの体勢で、後頭部を引き寄せられる。



ちょっと待って、これ絶対キスされる!?



逃げようともがいたけれど、背中ごと引き寄せられて普通に力負けした。



「んむっ!?」



薄い唇に塞がれて、その柔らかさにびくりと身体が震える。



その唇は角度を変えると、水気を含んだ舌で唇を割り開かれ、あっさりと口内で舌を絡め取られた。



その微細な動きに翻弄される。



なにこれ…………



昨日は必死すぎて気づかなかったけど、この人キス上手すぎる。



思わず、はしたなく内腿を擦り寄せてしまった。



目は潤み、身体中を駆け巡るようなゾワゾワ感が止まらない。



やばい、なんか………………おかしくなる。



脳内は溶けていき、やがて何も考えられなくなっていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ