表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/68

異世界に迷い込んだ女子高生2



……長い、な。



トンネルに入ってから、全く止まる気配がない。



携帯を見て適当に時間を潰していたのが、それもすっかり見終えて飽きてしまった。



時計を見ると18時。



え……?



もう15分近く止まってない。



静岡の電車に乗ったことはほとんどなく、土地勘もないけれど、15分近く止まらないのはさすがに異常だと思った。



なんとなくの感覚だけれど、この電車はトンネル内を緩やかに下降して走っているような気がする。



何かが、おかしい。



この車両に乗っているのは、私一人だけ。



夕方の帰宅時間帯に、そんなことあり得るのだろうか。



だんだんと冷静になり、おかしいところがあることに気づく。



新浜松?



さっきの看板にはそう書いてあった。



でも、東京からの電車の終点は熱海だし、浜松市って静岡でも愛知に近いほうだった気がする。



東京から電車で一時間弱でつく程、近いわけがない。



気づいてしまえば背筋が寒くなる。



あり得ないことが起こっている。



止まらない電車、誰もいない車両、緩やかな下降。



手足が急に寒くなって震えだし、不安から心臓が早鐘を打つ。



何が起こっているの……?



その異常さに急激な不安が立ち込めて、両手をぎゅっと握りしめた。



……誰か、いないかな?



辺りを見回したって、目に映るのは誰もいないがらんどうの電車。



ソワソワと落ち着かなくなり、臙脂色の横長の座席に黒い学生鞄を置いたまま、何かに駆り立てられるかのように覚束ない足取りで歩き出した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ