13/68
異世界に迷い込んだ女子高生12
跨線橋を渡り、転がるように階段を下りる。
改札窓口に駆け寄ると、駅員さんが現れていた。
「あの、すみません!」
「どうしました?」
30代くらいの男性の駅員さんだ。
「私、元の世界に帰りたくて、だから、その、上り列車はいつ来ますか?」
駅員さんは少し困ったような顔をしている。
さっきの若いお兄さんもそうだったけど、やはり「元の世界」っていう言葉はおかしいのかもしれない。
「はぁ、上り列車ですか、まだしばらくは来ませんよ」
「なら、タバコ持ってませんか?
1本譲って欲しいのですが」
すると駅員さんは私を見て、呆れた顔をした。
「お客様、未成年ですよね。
渡すわけにはいきませんよ」
「私が吸う訳じゃなくて、ホームに立ってる茶髪のお兄さんに頼まれたんです!」
「そう言われましても、困りますね」
「じゃあ、近くにタバコの自販機とか、売店とかありませんか?」
「売店でしたら、すぐそこにございますが……」
駅員さんが改札出口の先を指さした。
確かに小さな平屋の商店が見える。
「わかりました。ちょっと買いに行きます。
あ、これ私の定期なんですけど、降り過ごしちゃったみたいで」
定期券を見せた。
「はい、降り過ごし分は60円ですね」
びっくりするほど安い。
私は鞄からお財布を取り出し60円を支払うと、改札の外に出た。




