異世界に迷い込んだ女子高生11
……神様、助けてください。
祈っていた目を開けると、ホームの先に人が立っているのが見えた。
人が、いる!
小走りで近づいてみると、その姿がはっきりとしてくる。
なんだか、派手な感じの男の人だ……
ヤンキーのような若い男性が、ホームの一番先の柵を背に凭れ掛かって立っていた。
「あの、すいません!」
声をかけると、茶髪の男性は不機嫌そうにこちらを見た。
初めて、ここの人と目が合った気がする。
「なんだ、ガキか。
あっち行け、今イライラしてんだよ」
茶髪の男性はこちらを睨んでいる。
ガラが悪くて、正直恐い。
普段だったら、こんな男性には絶対に自分から話しかけはしない。
でも、他に人がいない以上、話しかけてみるしかなかった。
「ごめんなさい、でも私、ここから帰りたいんですけど」
「は?
何言ってんだ?
勝手に帰れよ」
うんざりした顔で、私を見下ろしていた。
耳のピアスがものすごく多い。
「その……元の世界への帰り方が分からないんです」
「はぁ?ガキの妄想に付き合ってる暇はねぇよ。
ああ、どーしても俺と話したいなら、タバコ買ってこいよ。
今、切らしててイライラしてんだよ」
そういえば、物を燃やすと帰れるとサイトに書いてあったことを思い出した。
「……タバコ、ですね。
分かりました、探してきます。
あ、ライターは持ってますか?」
「ああ、あるよ」
「探してきますから、消えないで、そのままでいてくれませんか?」
「は?消えねーよ。
だから、早く行け」
犬でも追っ払うかのような仕草で、男はシッシと手を振った。
一応、少し離れて振り返ってみる。
しかし、若い男性はそのままそこにいた。
それを確認して、ホッとする。
どうやら、この人は会話を終えても消えないようだ。
それで、タバコは……
辺りを見回しても、タバコの自販機はない。
となると、駅の売店だ。
しかし、さっき見てきた通り、駅構内に売店は無さそう。
これは改札の外に行くしかないかもしれない。
そう思っていると、改札の窓口に駅員さんらしき人がいるのを見つけた。
駅員さん!
その制服姿の安堵感は計り知れない。
私は、急いで跨線橋の階段を上った。




