第3節 帝都入城
そして、出発の日が来た。
光介たちは、伯爵が調べたとおり、現在帝都の居城で戦い続ける新帝とルビ―候、サファイア候の元に急ぎ行くことになった。
サファイア候が治める国も既に攻め落とされ、残すは帝都の居城のみとなった帝国軍は、四方を敵戦力に囲まれていた。
帝都までの道には、多少の敵軍勢もいたが、今は帝都へ反乱軍のほぼ全軍が集まっており、そこまで辿り着くのにさして困難はなかった。
帝都に着くと、敵4軍の王候やその配下の大軍団が海のように広がっていた。
10万?いや100万はいるだろうが、とても数え切れない。
光介が見たことの無いような人の数だった。
反乱軍は帝都で略奪・虐殺を繰り返したようで、帝都の様子は見る影もない。
敵軍はこちらの数人が来たところで、まるで眼中に無いようだ。
これはチャンスと言ってもいいだろう。
光介はシルバーブレスレットを使い、《青銀の師団》1万を分身として作りだす。
そしてマテリアと伯爵を帝都の城へ行かせる道を開くため、敵軍100万の中へ切り込んでいく。
そして、瑠璃はグリーンドラゴンを呼び出し、加勢する。
青銀の師団とグリーンドラゴンは強力だった。
人間だろうが、魔族だろうが、機械仕掛けのロボットのような軍団もいたが、ものともしない。
水銀の軍団は流体の不思議な敵軍で、ドラゴンの炎こそ効かなかったが、伯爵の槍に入ったシトリンが発する効果でせん滅できた。
また、アンデッドの軍団もいたが、アクアマリンを装備した一部の部隊が一騎当千の活躍でなぎ倒す。
そう、青銀の師団はまさに一騎当千。
100倍の軍勢を圧倒的な強さで打ち砕いて行く。
突然の敵襲に、敵の王候たちは法具を使うタイミングを逸したようで、伯爵、マテリア、瑠璃、ゴート、それに光介は皇帝の城へ入城できた。
光介たちが入城したそのすぐ後に、信じられないことが起きた。
空に大きな岩石の塊が現れたかたと思うと、それらが、急加速をして、あらかた敵を片付けた青銀の師団へと降り注ぐ。
大量の隕石が、青銀の師団を打ち滅ぼしていく。
俺とゴートを除いた分身たちが一人残らず、その攻撃で消えてしまった。
そう青銀の師団が全滅してしまったのだ。




