第4節 その1 分身くん
暗い分れ道に入り、奥へ進んでいくと、ひんやりと冷えた洞窟に、なぜか生温かく嫌な風が吹いている。
先へ進むとはるか前方に青白く光るものが見えた。
「もしかするとあれがアクアマリンか?」
僕は道を急ぐ。
「待って、コースケ!」
マテリアの声が聞こえたが、僕の足は止まらなかった、そして、目の前にある大きな暗い穴の存在に気付かなかった。
「うぁ!!!!!」
僕は体勢を崩し、穴に落下する。
「サモンセルフ!!!!」
僕はその刹那、自分がもつ唯一の魔法を叫ぶ。
僕の分身が、青い揺らぎとともに現れ、僕の手を取る。
かろうじて、落下を免れた。
「ふぅー、良かった。
本当にびっくりしたんだから。」
マテリアが抱きついてきた。
心配させてしまった。
つい、あの青白く輝く綺麗な光に誘われ、危ないところだった。
そうして、僕たちは、念のためこの先に行くのに、《分身くん(マテリアがつけた)》に様子を見に行ってもらうことにした。
どうも穴は奥まで続いている。
というかこの先に道はない。
良く見れば、はるか先の青白い光は、やや斜め下で光っている。
「オーケー! 任せてよ、相棒!」
やっぱり微妙に性格が違う気がするが、頼もしい奴。
装備品からロープを出すと、それを近くの岩に結びつけ、分身に渡して、穴の下に降りてもらった。
穴は5メートルぐらい下で床に着き、そこでランプを照らしてもらった。
穴の底には、地下水だろうか、川が流れている。
そして、その先に、僕らは最悪のものを見つけてしまった。
あたり一面に人骨と思われるものが、大量に落ちている。
頭蓋骨、大腿骨、肩甲骨、それはあきらかに複数の人間のものだ、明らかに子供と思われる小さなものもある。
そして、その骨の上をバリバリと踏みならしながら、何かが歩いてくる。




