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第3節 その1 サウスカパー

いったん、城塞都市に戻った僕らは家に帰ると、ゆっくり休んだ。


1週間程度の旅だったが、初めての旅に加え、初めての戦い、そして分身魔法の実践で、かなりの疲労がたまっていた。


しかし、精神的にはとても充実していて、予想以上の成果を上げられた事を喜んでいた。


とはいえ、数日休んだら、また次の冒険をしなければいけない。


交易をしてくるノース・カパーの人たちに、新鮮な海産物や野菜、穀物、それに工業製品などを提供できるようにしなければいけない。


僕がそんなことを考えている間に、マテリアは役場のクプラムさんに報告に行ってくれたようだった。


そのあたりは任せておいても大丈夫だろう。






僕らの二つ目のクエストは、「皆を守る力」を身につけることだ。


そのために、強い宝石を手に入れる。


南方の島にアクアマリンのオリジナルがある。


それを手に入れることと、島の人たちに交易を再開してもらう。


今度も上手く行くかは分らないが、行くしかない。


港の封鎖は解除してもらった。


今度も情報収集を二人でしたが、主な事前情報をまとめると以下の通りだ。




1.港からの船は出ており、一晩のうちに着く程度の距離だ。

2.海の町の名前は、サウス・カパー。

3.島民は魔族が多い。

4.アクアマリンについての情報はない。

5.これは現地で聞き込みをするしかない。

6.何故、サウス・カパーの民が交易をしないのか、詳細は不明。


 今度も伯爵の手紙を預かっているというマテリアと、夕方に出発する船をクプラムさんに手配してもらった。


船は骸骨兵が2体やってきて、動かしてくれる。


念のため、数日分の食糧と水、それら旅の支度とオオカミの魔物から手に入れたお守りの首輪チョーカーをつけて、僕らは、島へ向かった。






 一晩、穏やかな波に揺られ、サウス・カパーがある島についた。


島は割と大きく、城塞都市よりも大きいのではないだろうか。


とりあえず、海岸から延びる一本道をすすんで5分程度歩いて行くと、すぐに町の入り口に着いた。


そこは、みるからに海の町という雰囲気にあふれている。


漁業が中心なのだろう、干した魚、修理しかけの網や船、その部品を造る工場、釣り竿や銛などがいたるところにある。


人もたくさん歩いている。


訊いていた通り、ほとんどが魔族だ。


髪の色は皆水色や青色で、マテリアやクプラムさんとは少し違う。


ただ、どこか全体に元気が無い。


街全体に暗い雰囲気が漂っている。


やはり、何か問題があるのだろうか。


ここには看板や地図のようなものはない。


マテリアが近くの人に声をかけている。




 「すみません。


町長さんはどこにいますか?」


こういう時子供がいると変に用心されることもなく、大体の人は、優しく対応してくれる。




(まあ、僕もまだ子供だけど・・・・・・・)


マテリアが町長の場所を訊いて、戻ってきた。


マテリアの言うことを整理すると、どうも町長は行方不明になっている。


数年前に同じように行方不明になった娘さんを探しに行ったまま、戻ってこないらしい。


今は、代理の人がこの町を仕切って問題は起きていないようだが、他にも突然いなくなる人が後を絶たず、大きな漁や交易どころではない状態らしい。


この町の警察が、町の北にいるので、話を聞くと良いというので、早速行ってみようということになった。




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