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第8節 その5 伯爵の講義(世界と種族)

「それは、人間以外の種族がいることだ。


君が人間なのか正直わからんところだがな。」


伯爵はそこでまたニヤリと笑う。


なぜ僕が人間でないかもしれないことが嬉しいのだろうか。


もしかして、僕を実験動物か何かにしようとでいうのだろうか?この部屋には怪しい実験道具がたくさんある。


そんな不安にかられている光介にお構い無しに伯爵は話を続ける。




「人間、見た目は君と同じだな。


次に魔族。


見た目はやはり、ほぼ人間と同じ。


ただし髪が違う。


彼ら魔族は髪に金属が混じっているかのように艶と輝きを持っている。


マテリアも魔族だ。


彼らは人間のおよそ5倍の力をもつ。


人間もそうだが、訓練された魔族はさらにその倍の力はもつだろう。


今の君はこの大人の魔族と同じ程度の力があるらしいが、訓練された魔族に当然歯が立たない。


このあたりは大変興味深い。


やはり物質の組成に大きな違いあるのか、重力に違いがあるのか・・・・・・」


伯爵は顎に手を充てて瞑想をしている。




今の話は、月に行った人間は月の重力が地球より小さいため、地球の何倍ものジャンプができるとかそういったことだろうか。


と光介がなんとなく納得していると。




「まあ、そんなところだろう。


それは今後のおいおい調べていくので、今は良い。」


やはり、僕の事を実験するのだろうか。


痛いのは嫌だなと光介は思いつつ、伯爵から目をそらせていると。




「さらに、マテリアも知らないかもしれないが、この世界には他にも種族がいる。



純粋魔族と魔物だ。


魔物の成り立ちは良くわかっていないが、魔力を持った動物が変化・進化したものなのか、どこからか、そう君のように湧いて出たものなのかは不明だが、凶暴で力の強いものが多い。


魔力も扱う。


会わないように注意しろ。


まあそれは無理な話なのだが。」


伯爵はまたニヤニヤと光介の方をみながら、マテリアにフルーツとジュースをあげている。


マテリアは嬉しそうだ。


お茶よりはジュースの方が子供は好きだ。


光介もそうだった。




それよりも、今の発言の中にいくつか気になるものがあった感じもしたが、伯爵は間を入れずに話を続ける。




「そして、純粋魔族、これは圧倒的に人口が少ない。


この大陸の最北端の国が純粋魔族の国だが、そこ以外には、はぐれたものがたまに現れるぐらいだ。


その場合、大抵極悪人か、逆に街になじんだ良いもののどちらか極端だ。


彼らの見た目は魔族に近いが角と尻尾が生えている。


もし角の生えている魔族をみたら、気をつけるのだ。


力も普通の魔族の2倍程度は最低でもある。


人と魔族と純粋魔族の人口比はおおよそ、100:30:1程度だ。」


「そして、最後の魔法の話だ。


魔法はさっき話をした2系統以外にもう一つ特殊なものがある。


これは、とても数が少ない。


具体的には、1種類の鉱石・宝石のうち、この世界で最も純粋で存在が大きいもの。


つまり、端的にいうと密度xかける量が最大のものというのが基本になる、もちろん、余計なものが混ざっているのは問題外だ。


それらを《魔法具オリジナル》と呼ぶ。


これらオリジナルは大きな魔力を持つ。


例えばカルスのような者を召喚することもできるし、私の《シルバーブレスレット》は銀の特性である増幅の力で1万もの複製をつくったり、消したりすることができる。


純度と量が織りなす銀の最大魔法ということだ。」


光介は一つの疑問を伯爵に質問した。




「では、カルスさんは何によって召喚されたんですか?銀ではないのですよね?」


「ふむ。


良い質問だ。


もう少しマテリアと話をしたかったのだが、その話をするとなれば


仕方ない。


私はね、自身が一つの鉱物なんだよ。


そして私自体が、オリジナルだ。


カルスは私自体が呼び出した。


そしてそれを話したからにはこうするしかない!」


伯爵はマテリアへ手を伸ばす。


その手の先は鋭い白銀のナイフに変化していた。





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