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──雲が、波打ち揺れ動く天界・グローリア。此処には朝昼晩は無く、常に黄昏が黄金卿を作り上げている。
「ふふふ。まさか、君まで参加をするとわね?」
いつもは、十字架に身を拘束している、三柱の神が、円卓を囲い邂逅していた。その内の一柱・ウィレは、艶やかで淫靡な声音を発し、嘲笑い気味に一柱の女性を瞳に写し言った。
白髪、白眼をした彼女は、惑星・エウプラーギアの創造主である。
「誰も参加しないだなんて言っていなかったじゃないですか。それに、賭け事はすきなんですよ」
惑星・地球の創造主・アムスは平坦な口調で言った。
「とは言え、君が飛ばしたのは四人じゃないか。幾ら何でも無謀すぎないかい?」と、ウィレが馬鹿にしながら言うと、アムスは気にもせずにため息を一つついた。
「別に、人数に規定はないはずですよ。ルールを守っているんですから、後は結果次第──と、言っても生き残りが四人と言う結果にはガッカリでしたが……」
「確かにアムスの言うとうりだ。俺達の賭博はルールさえ守れば良いだけだ」
短い赤髪、鋭い赤目をした一柱・イカリは惑星・イブの創造主。
その言葉を聞いて、黄金で出来た円卓に肘を付き、顔を両手に乗せるとウィレは興味なさげに答える。
「まあ、確かにそーだけどさ。私達に唯一ある感情、“愉悦”を楽しませるに足るのかが不安よねー」
「そこは、問題ないだろ。何の為に、容姿を変えてると思ってんだよ」
「ま、そういう事にしとくよ。──ホラ、また新たな動きがあったようだよ」と、指をさすと円卓には世界が映し出された。