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異世界気まぐれ探検記(仮)

作者: のんびり+

リハビリと暇潰し程度に書いてみました。

未完の短編ですが、良かったら見てみて下さい。

 

 青天の霹靂へきれきだった。本当に、なにから突っ込んだら良いのかわからなかった。まるで、唐突に新たな水槽へと移し変えられて戸惑う金魚のように。開いた口が塞がらなかった。


 眼前には、青空があった。その中を、綿菓子のような雲が散り散りに浮遊していた。

 良い天気だと思う。うん、ピクニックに最適な天気だ。

 ただ、問題はそこではない。ぶっちゃけ天気とかどうでも良い。問題なのは、その光景が目覚めて最初に俺の目に映ったということだ。

 おかしいじゃないか。俺は昨夜いつも通りに部屋で寝た。だから、起きて最初に見るであろう光景は部屋の天井の筈なんだ。もし天井でなくても、見慣れた部屋の光景であるのは変わりない。

 なのに! 空だよ! 青空!


 しばらく空を眺めた後に、とりあえず体を起こした。いつまでもボーッとしている訳にもいかないと思って。

 そして、空から地上へとアングルが変わると、そこには我が目を疑うような景色があった。

 それは、地平線の彼方まで続く広大な野原。空と同様に、その果てを感じさせない、どこまでも続いていくような平らな緑。まるで緑色の海のようだ。

 後ろを振り向くと、前と同じく野原が続くが、先の方には丈の長い広葉樹の集合体(つまりは森林)が見えた。

 それを確認すると、俺はもう一度寝転がり空を仰いだ。


 落ち着け、俺。澄んだ空気を深く吸って、大きく吐く。荒ぶる気を静める為に。

 そして、次は今自分が置かれている状況の整理にかかる。

 昨日は、確かに自分の部屋で寝た。これは間違いない。昨日の記憶はしっかりとある。夕飯だって覚えてる。床に就いたのは、十一時くらいだったか。

 それから日が変わり――昨日は金曜日だったから――今日は土曜日。目が覚めると、広大な野原に、寝間着のスウェット姿のまま一人ぼっちでいた。俺が見た限りでは、人はおろか電柱や建造物も一切ない。ここまで人の手が加わってない場所があるのかって感じだ。時間帯は、日が結構高いからもう昼が近いのだろう。


 まあ、なんとなく状況は把握できた。

 しかし、理解はできない! できる訳がない! 何故だ、何故起きたらこんなところにいるんだ! つーかどこだよここ! 国内? 国外? そもそも本当に現実世界? 夢じゃないよな、流石に。


「……まいったなぁ、チキショー」


 あぁ……腹も空いたし、これからどうしよう。

 やっぱり、まずは人を探してみるか。この際、もう誰でも良いから。言葉が通じれば、最悪ここがどこなのかくらいはわかる筈だし、運が良ければなにか食べ物を貰えるかもしれない。よし、決まり! 後のことは後で考えよう!


 さて、目的も定まったし早く行動に移りたいんだけど。

 野原を進むか、思い切って森林を抜けるか。前と後ろを交互に見ながら考える。森林はあまり行きたくないけど、野原を進むよりかは可能性がある。小さな村とか、なにかしらありそうな予感がする。逆に、野原サイドは安全そうだけど人とは出会えなさそうだ。こんな、ただ芝生が広がっているだけの野原で会える訳もない。

 ならば、多少の危険は覚悟して森林を進んだ方が良い気がする。

 OK! 考えもまとまったし、有言実行タイムだ!

 いざ行かん、未知なる森林!


 そうして俺は、この地で初めての第一歩を踏み出した。


ありがとうございました。

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