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「大阪に現れた柱、実は僕のせいかもしれないなんて口が裂けても言えない〜実験で生まれたスライムは元・魔法使いでした〜」  作者: なな日々
転移柱の始まり編 〜大阪異変の発端〜

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第2話 スライム、子供になる

研究室のドアが閉まったあと。


青葉ひまりは隣の部屋へ荷物を置きに行ったらしい。


僕はそっとビーカーを覗き込んだ。


透明なスライム――グレイが、ぷるんと揺れる。


「おい」


「なんだ」


……糖分はあるか。


「またかよ」


魔力が少し戻ってきた。

この姿では動きにくい。


「姿って……」


僕は棚から袋ごと砂糖を取り出した。


「これでいいのか?」


うむ。


ビーカーに少し落とす。


さらにプリンを落とす。


ぷるぷるぷる。


スライムの動きが急に激しくなった。


「なんか揺れ方おかしくない?」


グレイが言う。


「お、戻れそう」


「え?」


その瞬間。


スライムの体がぐにゃりと伸びた。


そのまま歪み、光が弾ける。


研究台の上に、小さな少年が座っていた。


銀色の髪。

金色の瞳。


年齢は小学生くらい。


そしてなぜか偉そう。


「……ふむ」


「成功だな」


僕は固まった。


「スライムが人間になった……」


「元から人間だと言っただろう」


グレイは腕を組もうとして――


自分が服を着ていない事に気づいた。


「……」


「……」


「服はないのか」


「ないよっ!」



コンコン。

「先輩ー?入りまーす!」

急いで白衣をグレイに被せる。


研究室のドアが開いた。


青葉ひまりが顔を出す。


そして。


僕の後ろにいる少年を見る。


きょとんとした。


「……あれ?」


僕の背中をひょいっと覗き込む。


そして。


「え」


三秒沈黙。


「その子……誰ですか?」


「えーと」


言葉が詰まる。


横でグレイが腕を組もうとして、ぶかぶかの白衣の袖が揺れた。


偉そうに言う。


「ふむ」


「ここがこの異世界の研究施設か」


「喋るな!」


僕は小声で叫ぶ。


ひまりはぱちぱちと瞬きをした。


そして――


目が輝いた。


「かわいい!!」


「は?」


グレイが眉をひそめる。


ひまりはずいっと近づいた。


「銀髪!金目!しかも耳ちょっととがってる!」


「え、コスプレ!?」


「いや違う!」


僕は慌てて手を振る。


「えーとその……この子は親戚で!」


「親戚?」


「そう!ちょっと預かってて!」


ひまりは少年をじっと見た。


そしてにこっと笑う。


「こんにちはー」


グレイはじっとひまりを見返す。


そして言った。


「我はグレイアルト・シルヴェリス・アルヴァリオン」


「長いね!」


「グレイだよ!」


湊が言う。


ひまりはぱっと笑った。


「グレイくんですね!」


「くんではない」


「え?」


「我は大魔導士だ。グレイアルト様と呼ぶが良い。」


僕は頭を抱えた。


ひまりは少し考えて――


うん、と頷いた。


「設定がしっかりしてるんですね!」


「違う!!」


その時。


グレイの視線が机の上に向いた。


プリンだ。


じー……


「……」


「……」


「食べてもいいか」


「ダメだ」


ひまりが言う。


「いいですよ!」


「よくない!」


しかしもう遅い。


グレイはスプーンを持ち、真剣な顔でプリンを一口食べた。


「……うまい」


「さっきのより美味いではないか」


「見た目は同じでも、魔力の質がまるで違う……」


金色の瞳が少し輝いた。


ひまりが笑う。


「かわいい」


「……解せぬ」


グレイは真顔で言った。


「魔力補給だ」


僕はため息をついた。


研究室の机の上で。


元スライムの大魔導士が、

ぶかぶかの白衣を着てプリンを食べている。


そして僕は思う。


……この状況。


どう説明すればいいんだ。


――いや、その前に。


絶対バレたらまずい。

本日2回目の投稿は21時を予定しています!

続きもぜひ読んでもらえたら嬉しいです!

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