決して”転けては”いけません。決してですよ
「なぁ、知ってるか?甘々河川敷の前を
夕方の18時18分18秒に通ると若い女の人がこう言うらしい
決して"転けては"いけません。決してですよ
ってな」
暑い夏を過ぎ、過ごしやすい季節となった秋
カフェの一室で高校生のカップルが噂話をしていた
「何かの漫画の話?仮に転けたらどうなるの?」
彼女は、彼氏の話を作り話かと思い聞いていた
「いや、これ現実の話なんだって。そんでよ、転けたら…」
プルルルル
彼女のスマホが鳴った
「ごめん、部長からの招集だ。また今度聞かせて」
彼女は、代金を置いていくと店を後にした
「選抜に選ばれてるもんなー」
残された彼氏はポツリと言った
彼女が学校に着き、部長の下に行く
息を切らせながら
「夏美、思ったより早かったな。
オシャレして、彼氏くんとのデート中だったか?」
意地悪な笑みをしながら聞いてくる部長
「そうですよ。なのに、招集連絡が来たので急いできたんです」
息を整えながら、彼女は答えた
「それは、すまなかったな。
いや~、良い天気だから急遽練習をしようと思ってな
夏美以外は、もう全員スタンバイオッケーだぞ ほら」
部長が指を指した方向には
ユニフォームに着替え
ラケットを握りしめた
やる気に満ちたテニス部員がいた
「強豪校だからって、皆やる気ありすぎでしょ、、、
はあ、、、着替えてきますね」
ため息をつきながら、更衣室に向かった
~10分後~
「皆、うちのエースの準備が整ったようだ
恋人が居ない我らは、テニスで汗を流していこうではないか!!」
\おおおおおおお/
(ファンクラブがあるくらい、人気なのに
部長はテニスバカすぎる。もったいな…)
こうして、熱血テニス部の練習が急遽始まったのだった
そして、夕方
「部長張り切りすぎ。今何時?うわ、18時じゃん
今日の埋め合わせをちゃんとしないと」
甘々河川敷まで学校から走って約18分
彼女は忘れていた
昼間のカフェでの噂話を
そして、彼女は出会ってしまうのだった
甘々河川敷 到着
現時刻18時17分
一人の女の子が立っていた
目の前を通り過ぎようとしたとき
口を開いた
決して"転けては"いけません。決してですよ
現時刻18時18分18秒
彼女の足が止まる
転けたらどうなる?死ぬ?
何かやばいことが起きそう
彼女は、走るのをやめ歩くことにした
横を見ると、少女が微笑んでいた
薄気味が悪かった
微笑みの意味を知らないこの時は、、、
その日から、毎日毎日
少女を目にする彼女だった
そして、ある日の部活中
下校する少女を見た
(あれ?あの子って甘々河川敷の?」
「こら、夏美よそ見しない!」
部長の喝とともに、強力なスマッシュが飛んできた
「すいません…」
そんな彼女の異変に気がついた部長
「夏美、最近どうした?何かあったのか?」
そして、部長は一旦休憩タイムを取ることにした
「なるほどな、そんなことが」
部長は、真摯に話を聞いた
そして、彼女の背中を強く叩いた
「気にするな。ただの噂話だろ?
気持ちを切り替えて、テニスをしようじゃないか」
訂正しよう
全然真摯に話を聞いていなかった
彼女は、痛みでヒリつく背中のまま
再び、コートに戻るのであった
(こんの、テニスバカめ)
内心腹を立てながら
彼女のことを心配してかせずか
いつもより、一時間早く練習が終わった
現時刻17時30分
甘々河川敷
少女は居た
芝生に腰を下ろしながら、川を眺めている
彼女は、勇気を出して話しかけることに
「ちょっと良い?」
少女は、きょとんとした顔をしながら首を傾げた
「いつも、ここで何をしているの?」
言った
聞いた
とうとう
「もしかして、18時18分18秒の事だったりします?」
質問を質問で返したーーーー
さぁ、どうなる
少女の答えとは!?
「うん、その事について」
彼女も、ここまで来たからには引けない
盛り上がってきたああああ
「うふふ」
彼女が笑う
何の笑いだ
身構える彼女
「この、甘々河川敷 18時18分18秒になると
蟻さんが一列になってお家に帰るんですよ
私、蟻さんが好きで
転けてしまうと、蟻さんが潰れてしまうので
毎日ここで注意喚起してるんです」




