第一話 お父さん学校に電話する
これは事実を基にしたフィクションです。
大筋はそのままですが、会話内容は結構違います。
ご了承ください。
「ねえ、うちの子が虐められてるんだけど・・・」
仕事から帰った俺に対するいきなりの妻の発言。
・・・思考が追い付かない。
「まあ、先ずは整理して詳しく、簡潔にしゃべって?ダラダラいらん話は無しで。」
「ちゃんと聞いてよ!」
「ちゃんと聞く姿勢にさせてください。お願いします。」
今の状態から聞かねえよ!
せめて落ち着いてからにしてよ!
こっちも人間だよ?
虐められてるって発言から少なくとも動揺してんだから!
うちの子は小学二年生、療育手帳を貰うB級の障害児だ。
普通の人ではなんのこっちゃと分からないだろうが簡易に適当に説明すると、
療育手帳は障害者手帳、B級は重さ。
ABCだから二番目だね。
一番目はマジ一人で動けないレベルだから二番目って結構ヤバい。
・・・まあ実際はよくわからんが。
最初は知能指数30~40って言われてマジヤバやん!ってなっていたが、どうもなんか違うな~って感じがしている。
正直ホント一年知能が遅れてるってだけっぽいんだよね。
とりあえず、お上の判断に従っています。
あんまり信じていません!!!
でも出ている結果には従います!!!
そんななので、公立小には個別級として通っています。
ここでも普通は解からん!ってなると思うので補足説明。
障害児ってなると学校に行くのに大筋で3通りくらいあります。
まずは養護学校。
こちらはマジで授業出来るのってレベルの子が行きます。
まず一人で座って授業できない子が行きます。
トイレも一人で行けません。
そのレベルですので、よっぽどじゃないと、ここには親は入れたくありません。
次に小学校には普通級と個別級があります。
普通級とは障害も何もない子が入ると言われているクラスです。
何故言われているっていうかというと、基本、学校側は親の言う通りのクラスに入れなければならないからです。
よって普通級でも障害を持っている子が混じります。
もっと言っちゃえば障害児でも親が違うと言って調べてもいない様な子も混じっています。
ある意味混沌です。
それに対して個別級。
此処は障害を持っているため普通の子に混じって勉強できない子が行くクラスです。
一人でトイレ行けます。
座って授業受けれますが前提です。
但し、ここも結構混沌とします。
なぜなら養護学校には入れたくない親が結構無理言って入れてくることがあるからです。
前提を校長が話しても無視して入れて来ます。
よって前提満たさない子供が結構入ります。
すごいですね!義務教育!!!
そりゃ教師減りますわ!!!
・・・おっと失敬。個人の感情移入が・・・。
まあ、普通は健常者、個別は情緒又は知能障害、養護は身体障害と分けてもいいと思ってください。
ホントは違いますが、雑把な適当説明ですのでご了承ください。
ですので、正直私には
「ああ、やっぱり来るのね、その問題。早いな!」
っていう気持ちしかありませんでした。
私自身、虐めをくらっていた時期がありました。
小学校から中学まで?様々ないじめっ子に目を突けられ虐められました。
小学校低学年の頃は、そのいじめっ子が私の実兄の弟に対する虐めを初めて見てドン引きし、優しくなって友達になりました。
・・・雪に埋められたり、砂に縦方向で埋められたり、アリを生で食わされたり、改造モデルガンで撃たれたり様々な虐めを実兄がやっているのを目のあたりにしたら、そりゃ子供でもこりゃやべえってなるわな。
・・・兄の友達やそのいじめっ子はよく私に辛くなったらいつでも家出して来いと言ってくれていました。
一応言っておきます。
今現在兄は少し反省してます。
・・・ホント少量ですが。
小学校高学年あたりでもその他のいじめっ子が出て来ます。
・・・全部暴力で返しましたが。
流石に相手の歯を仕返しで折ったときはめっちゃ怒られました。
友人は皆庇ってくれて、そいつも悪いで喧嘩両成敗になり、私自身はその時納得していませんでしたが。
中学あたりは上履き隠したり、学校に持ってきていたお金を盗まれたりと虐めの趣向が変わりました。
・・・全部親や教師にチクりましたが。
その時のあだ名はチクリ魔です。
・・・ヤルやつが悪いに決まってるやん!!!
こんな感じで目には目を歯には歯をで対応してきました。
・・・正直親や教師はそのころから頼っても無駄と理解させられたので。
おかげでヤバい奴認定されました♪
だって殺されそうになったら逃げるかヤルかしかなかったんだもん。
俺は悪くない!!!
・・・・・ごめんなさい。知ってます。
極端すぎだって・・・。
これではいけないと目には目を歯には歯を、を封印!
暴力はいけないLove&Peace!
をモットーに生きて来ました!!!
・・・高校の先生にはお前は菩薩か人殺しの目をしていると言われましたが。
極例の極み!!!
どっちやねん!!!
まあ、そんな背景があったので、自分の子供の時はこうしようとシュミレートしていたので、とにかく背景とどのようなことがあったかの情報によって考えようと思いました。
流石にうちの子に俺のようなバイタリティはないと思っていたので。
っていうかそれを発揮する前に如何にかしてやりたいと思ったので。
「よし!着替えてお茶飲んで聞く用意が出来ました!お願いします!」
「フザけてるか本気にしてない?」
「本気です!」
妻がめっちゃため息してくる!!!
本気なのに!!!
「で?内容は?」
妻のグダッた説明をかいつまんで聞くと、
どうやら4年生にADHDを持つ子がいて、その子がいじめっ子らしい。
その他の子にも手を出していて、どうやら学校の問題児っていうポジションだそうだ。
うちの子は首を絞められたり恫喝されたりしたとのこと。
・・・・・うわぁ、めんどくせえ。
それ絶対ADHDだからで親すましてる奴やん。
ADHDだからしょうがないよね?許してね?ってやつやん。
絶対そう出てくる。
俺でもそうする。
想定がここで崩されたんですけど?
ちなみにADHDとは注意欠陥・多動性障害といって簡潔に適当に説明すると一般に理解できない理由で癇癪を起こすような障害である。
「・・・とりあえず、やられた日時を日記に書いとけ。証拠とする。あとは俺が出る。学校に今電話してってかするわ。あとボイレコある?無かったら買っとく。」
それでも首絞めはダメであると思うよ?
「こういう時は頼りになるよね。流石トラブルになれている男だけあるよね。」
「・・・褒めている?貶している?」
「誉めている、褒めている。」
「嘘だ!!!」
・・・・学校は電話出ませんでした。
そりゃそうだよね。夜9時過ぎてるもんね。