表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

第8話 「出航」~本当の旅立ち

2日連続投稿です。最後の方に演奏会のプログラム(?)を載せました。

 花がゆれ、春も中頃にさしかかっている中、県立伯耆高校の部活動体験も終わり、俺は正式に吹奏楽部に入部した。打楽器は全学年で7人。1年は俺と里香の2人だけで打楽器パートは男性陣俺1人……。わかってたけどなんかとほほ……。誠が「良かったな。ハーレムじゃん」とかバカにしながら笑ってくる……。許さん。そんな誠は中学のときと同じでAlto Saxだそうだ。いいなー。男の先輩いいなー。


「みーんなー集合ーやー!」パートリーダーの佐倉先輩が集合をかけるがなかなか癖がすごい。


「1年生にとって初舞台となる出航演奏会配ろうとー思います」

「出航演奏会?ってなんですかー?」里香が質問するが誰も答えず先輩たちは無言で笑っている。陽キャパートは苦手だ。何だそのセンスのない……異様な名称は……。


「毎年1年生だけで1曲演奏しなくてはならない地獄の処刑場への出航演奏会だよー?」

「さく先輩ったら人がわるいですー笑」

 佐倉先輩のふざけた発言に対して2年の黒木先輩がふざけながら咎める。やっぱ陽キャ苦手だ。


「はい。りっちゃんと凌くんがやる楽譜だよ」ともう1人の3年の江口先輩から手渡された。江口先輩だけだな。陽キャまみれの動物園パートで唯一まともだ。

「あーいつも風 巡り会う空だー」ぼーっとのぼーっとした口調で2年の松井先輩が答える。自他共に認める吹奏楽オタクらしい。お前もだろ?え?オタクに見えますか?もっと俺は高明な存在だ。俺が別次元にツッコミをいれているうちに楽器の割り振りは決まり、俺はper.2をやることとなった。


「あとこれは最後に全学年でやるけん」と手渡された楽譜をみると右下には見覚えのある○○のロゴ……。

「これは野球応援でもやるから無くさずとっておいてねー」

「はい!」

「野球応援の曲もやるんですか?」

「そうだね。毎年この演奏会でやるのが慣例なんだようー!」

 なるほど。めんど。こういうノリの曲は陰キャにとって苦手である。


 打楽器はその都度楽器決めをしないと面倒なのだが、じゃんけんに負けて小物になった。忙しいようなひまなような……。
















































































































































第38回出航演奏会プログラム

指揮:小野晋一 上総雅隆


いつも風 巡り会う空【1年生】

  作曲:福島弘和


ロマネスク【2・3年生】

  作曲:J.スウェアリジェン


行進曲「美中の美」【2・3年生】

  作曲:J.P.スーザ


ピータールー序曲 【2・3年生】

  作曲:M.アーノルド 編曲:近藤久敦


オーメンズ・オブ・ラブ【2・3年生】

  作曲:和泉宏隆 編曲:真島俊夫


アフリカン・シンフォニー【全学年】

  作曲:V. マッコイ 編曲:山下国俊

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ