第7話 「クロッカス」~とある少年の望み
最近忙しく駄文の投稿が滞っています。また後日第1~3話まで修正します。イカロスの中でリクエストの曲がある方はコメントをいただけると幸いです。
桜もすっかり散って入学式から3日ぐらいたったのだが、ド陰キャの俺にとってまともに話せるようになったクラスメイトはまだ前と左斜め前だけだ。前の奴も斜めの奴もいかにも陽キャというかんじだし……話しにくい。授業も始まったがこの高校にギリギリで入れた俺にとっては苦痛以外の何ものでもない。数学Ⅰには殺意が沸き起こる。
そんなこんなで授業や終礼が終わり、放課後になると誠がやって来た。
「吹奏楽部行こうぜ。何かミニコンサートやるみたいだし凌も見なよ」
特に予定もないし行くか。しかしミニコン(勝手に略してる笑)って何をやるのか。あんまポップス好きな方ではないな。
そうこうしているうちに音楽室につき、パイプ椅子が列べられていたので座ると見知らぬ女子グループとさっき見た陽キャコンビがいた……え?なんでいんの?吹奏楽の男って陰キャしかいないんじゃなかったかな(ド偏見。誠やその他大勢に謝罪致します)。まだ開始時刻にはなっていないので誠と某ユーフォニアム吹きの女の子がトランペットの女の子や仲間たちと吹奏楽コンクール全国大会を目指すラノベを読むことにした。第1巻の中盤に達して良い場面なのだが時間切れのようだ。そうこうしているうちに演奏は始まった。
1曲目は「美中の美」のようだ。美中の美は、元アメリカ海兵隊音楽隊隊長のジョン・フィリップ・スーザが作曲した行進曲である。スーザの行進曲の中でもっとも美しく素晴らしいメロディをもっているものと言われているようだ。確かにどこか儚いような気がしなくもない。
2曲目は「アフリカン・シンフォニー」らしい。らしいというのも俺は知らないが、誠は知っている。誠が言うには野球応援歌では有名な曲らしい。確かに勇ましい。
演奏が終わると指揮を振っていた先生がこちらを向いた。年齢は30代前半っぽい男性だ。
「みなさんこんにちは。吹奏楽部の顧問を務めます。東 隆雅といいます。今回は「美中の美」と「アフリカン・シンフォニー」を演奏しました。みなさんは入部して最初の演奏会では全員でアフリカン・シンフォニー」をやろうと思っています。共に頑張りましょう」
指揮の東先生が礼をすると、Trpの人が前に出た。
「みなさんこんにちは。吹奏楽部部長の千葉 雄二です。本校の吹奏楽部は吹奏楽コンクール、管楽合奏コンテスト、アンサンブルコンテスト、2回の自主公演を主軸として活動しています。入部したらやりたい楽器のオーディションもあります。大変ですが、共に頑張っていきましょう!」
「中学のときとは違って大変そうだな。凌は入るのか?」
帰り道にいきなり誠が言ってきたが、俺の答えは決まっていた。
「ああ。俺はある程度は頑張ろうと思う……」
「それでこそ凌だぜ!」
パン!
いきなり叩いてくんなよ。背中がマジで痛い。たとえ里香を手に入れられなくともこの地で頑張っていこうと思う。やっぱり痛いから明日やすもうかな……。
とほほ……。