第3話 「独白」~とある少年の想い
凌市の独白です。凌市のコンクールでの成績に関する裏設定を次回やろうと思います。
思えば小学4年生のとき初めて吹奏楽部の扉を叩いた。大して理由はなかった。吹奏楽が何なのか知らなかったし、ほんの気まぐれだった。入ったときに同学年に同性の人が1人もいなくて悲観的になったのは今となってはお笑い草だ。
一応吹奏楽コンクールと小学生バンドフェスティバルは3年間出場したが、どちらも銀かダメ金で支部大会までは行けなかった。小学6年のときにやった「メリー・ウィドウ」セレクションは楽しかった。
中学校に入学した。オーディションの結果また打楽器になった。大して強豪校というかんじではなかったが、たまに支部大会に出場する学校だった。といっても上下関係は意外と厳しかった。先輩の足を引っ張ってばっかだったどんくさい俺はよく目の敵にされ学校からの帰り道はほぼ毎日泣きながら帰った。
中学校3年間で吹奏楽コンクールは最高成績が支部大会銀賞だった。1年のときはAの部のメンバーには選ばれなかったが、フリーの部とよばれる部門に出場して金賞(県大会で終わり)を取れたのは良い思い出だ。そのときらへんから顧問の爺さん先生に目をかけられるようになった。俺はまわりに比べド下手な分みんなの倍楽曲に対するアナリーゼや見識を深め、知識を貪りまくった。そのおかげで俺の唯一の趣味としてオケ編曲をやるようになったのはまた別の話。
いつからだろうか、里香に追いつきたいと思うと同時に里香の隣にいたいと思ったのは。一生叶わないと思いつつも想像してる俺は馬鹿だな(笑)。
里香の隣にいたいがために偏差値が高い高校に入学した。ある意味人生を棒に振ったかもしれないそれでも里香の隣にいることができれば本望か……。
俺は何処に向かって歩いているんだろうか……。