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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第2章
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転換点〈カイル〉

 その日の夜11時過ぎに水籠(みごもり)から連絡が来た。


 今日起こったルキアと水籠(みごもり)と俺の出来事、及びクリスマスイブのロメルと水籠(みごもり)の破局についても俺に会って直接説明するという。


 但し、この事はロメルには極秘だということで。


 年末ということがあったが、俺はそんな年明けまで悠長に待つなんて出来はしない。


 話し合いの結果二日後、31日の大晦日、午後1時に決定した。




 その場には、水籠(みごもり)と、ルキアと俺の3人が集まる。


 隣駅、黒豆駅の近くの雑居ビルの地下1Fの『アウトサイダー』という店に午後1時に来るように言われた。


 ルキアとは、その時まで会えないと言われた。


 ルキアは俺の彼女なのに、まるで水籠(みごもり)がマネージャーのようにルキアをガードしているのが気に入らない。


 俺は直接ルキアに連絡さえ出来ない。


 でも、後二日の辛抱だ。


 俺はルキアとの誓いでの約束を果たし、ロメルに伝言したことをルキアに伝えるように水籠(みごもり)に送信しておいた。





 31日。大晦日。


 やっと今日ルキア会える。

 たった二日だけど今日になるまでずいぶん長く感じた。



 今日は母さんも休みでロメルも俺もゆっくりしてる。


 3人揃って取った朝食。


 ロメルはここのところずいぶんご機嫌のようだ。



 朝食後、皿を洗っているロメルに何かいいことでもあったのかと聞くと、


「うふふ、カイル、内緒だよ‥‥‥‥?私ね、好きな人がいるの。片思いだけど。」


「えっっ!」


 俺は驚く。


 だってロメル、おまえ水籠(みごもり)と別れてからまだ1週間しか経ってないだろ?



 女の子って立ち直りが早過ぎない?ロメルだけ特別?


 俺が、失恋したらきっと何週間も落ち込んでうつうつしてると思う。


 今のところそういう経験はないけどさ。



「今度はうまく行くといいな、ロメル。」


「うん。ありがと、カイル。」


 ロメルが恥ずかしそうに微笑む。




 ‥‥‥‥‥‥あれ?俺‥‥‥‥おかしくね?


 何でロメルを応援した?今。


 なんか自然に‥‥‥‥‥‥そんな言葉が。


 俺、ロメルが他の男と付き合うのを認めてる?




 俺は自分の変化に自分で戸惑ってる。今までだったら必死で邪魔してる所だ。




 俺は自分の部屋に戻った。


 ああ、今のうちに用意を始めよう。今日はルキアにやっと会える日だ。


 俺とルキアはまるでベガとアルタイルのようだな。


 この二日間がまるで一年待つかのごとく感じていた。


 うーん。俺、何を着ていこう?


 ルキアはロメルみたいないかにも女の子らしいコーディネートじゃない。


 俺も合わせてジーンズと白ニットのセーターと上着でいいか。


 ルキアにプレゼントするために昨日買っておいたロザリオのネックレス。


 俺はこれに愛を誓って今日ルキアの首にかける。


 そしたら、もう俺たちは周りからも公認だな。


 早く会いたい。ルキアに。




 俺は早めの軽い昼食を一人で取ってから12時半前に家を出た。


 俺はスマホを見ながら水籠(みごもり)の指定した場所までたどり着いた。



 ‥‥‥‥‥なんだ?ここ。


 中学生が来るとこじゃないだろ?こういうビル。


 入って大丈夫だろうなぁ?


 俺は薄暗い階段を降りて行くとすぐに『Outsider』と洒落た金文字でかかれた小さなプレートが張り付いているドアを見つけた。



 ここか?



 俺はちょっと緊張してる。


 ほんとにこんなとこにルキアと水籠(みごもり)がいるのか?



 俺は深呼吸してから思いきってドアを押した。



 中には水籠(みごもり)とルキアがギターを抱えて座っていた。



「よお!待ってたぜ。」


 水籠(みごもり)がまるで友だちを迎え入れるような気さくな態度で俺を迎え入れた。


「‥‥‥‥ここは?」


「俺の母さんがやってるスナック。ロック好きが常連。母さんがそうだから。」


 水籠(みごもり)が答えた。



 ルキアがいる。


 2日ぶりのルキア。会いたかった。今日は一段と綺麗に見える。


 早く二人きりで話したい。


 俺の心の内を君にさらけ出したい。


 そして、君の隠し事も俺にも打ち明けてくれ。


 そしたら俺たちはくちびるだけじゃなくて心も結びつく。


 ルキアの隠し事を聞いた所で俺の気持ちはきっと変わりはしないさ。


 



「ルキアもギターを?」


「あ、うん。まだ超初心者だけど。カイルは何か楽器は?」


「俺は特に何も‥‥‥‥。」


「ふーん。カイルはかっけーしな、ベースやればいいのにな?沙入、そう思わない?」


「‥‥‥‥‥まあ、ルックスは合格だけど、他はわかんねーな。」



水籠(みごもり)と妙に打ち解けた会話じゃないか?



 ‥‥‥‥‥一体?この二人はどういう関係なんだ?



「そっちのボックスに3人で座ろうぜ。これ、そっちに持ってけ。」



 いつの間にかカウンターの中に入っていた水籠(みごもり)が氷を入れたグラス3つとスパークリングウォーターをカウンターテーブルに置いた。



 ルキアが手慣れたようにコースターを敷いてからグラスを置いた。



 慣れない雰囲気に飲まれ、俺は緊張している。



 テーブルをコの字型に囲みつながったシート。



 奥の席にルキアが座り、俺と水籠(みごもり)は向かい合って座った。






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