Give me your reason 〈沙入〉
カイルが向きを変えて帰ったのを確認すると、俺はルキアの姿をした流河に、向き合った。
カイルの乱入で中断していた肝心なこと、流河に聞かなきゃいけない。
今すぐ答えてもらわねーと、俺の気は済まない。
「なあ、流河。さっきまだ聞いてねーことがあんだけど。」
ルキアの顔をまじまじ観察する俺。
『ルキアは流河』
それわかっちまうとなるほど‥‥‥‥と思う。
確かに‥‥‥‥流河だ。いかにも男っていう角ばったりゴツいとこが無いこのなめらかな輪郭。ニキビのないきれいな肌。すっと通った鼻筋。
メイクで大きく見せた目とリップグロスで盛ったくちびるで騙された。
長い髪とニット帽がなかったら気づいていたかもしれない。流河に似てるって。
あー、俺、いろいろやばい。
いろんな意味で。
「何だよ?早く言えよ、沙入。結局バレちまったんだ。もう俺に隠さなきゃなんねーことなんてんてもうねーし。」
ルキアの顔で流河にそんな風に開き直って言われるのもなんか腹立つ。
「流河、何で俺と‥‥‥‥‥キスした?何であん時拒否しなかった?」
俺はこの事で何日も思い煩っていた。
ルキアは流河だろうって気がついた時から。
だって、そうだろ?俺だってわかってて何でだよ?拒むなり逃げるなりすりゃいいじゃん。
もしかして流河、俺に‥‥‥‥‥そういう愛してるが混じってたとか?
「ああ、あれは‥‥‥沙入がさ、俺の帽子のさ、この辺を押さえたじゃん。だからさ、動いたら俺の髪と帽子がさ、取れちゃうだろ?したら俺だってばれちゃうじゃん。あのシチュエーションでバレたらさ、さすがに沙入だってめっちゃ怒ってただろ?騙しただのバカにしてんのとかってさ。冗談だったじゃ済まねーじゃん。」
流河が目をキョトキョトさせながら、左サイドの長い髪を手持ちぶさたに右手で落ち着きなくしごきながら、軽い口ぶりで答えた。
‥‥‥そんな理由で?俺と‥‥しちゃったの?俺のこの想いを軽い気持ちで受け取ったの?
「‥‥‥‥‥俺の気持ちなんて全く考えてなかったんだな。」
「‥‥‥‥そうかもしれないな‥‥‥‥でも、でもさ、‥‥‥‥‥‥俺、沙入との友情を壊したくなかった。あん時、あれが俺だってわかったら沙入は‥‥どうしてたんだよ?‥‥‥‥きっと俺とは絶交してただろ?俺を嫌っただろ?‥‥‥‥だから‥‥‥‥‥動けなかった。絶対バレたくなかった。俺だってこと!」
美少女の目から‥‥‥‥‥涙が流れ落ちる。
すがるような瞳を俺に向けながら。
「俺、この先、俺の生活から沙入がいなくなるかもって思ったら‥‥‥‥そんなの絶対嫌だったんだ!」
ルキアが、流河が、俺に抱きついて来た。
おい、流河。俺、ルキアに惚れてんの知ってるよな?
ルキアは流河だってわかってる。わかってるけど、ルキアの顔で抱きつかれたら俺、どうすりゃいいの?
これ以上俺を惑わすの止めてくれよ!
「‥‥‥‥沙入、ほんとにごめん。」
流河が涙顔で俺に抱きつきこんな至近で俺の目を見つめてる。
あ"ー!
俺はもう限界だ。
「‥‥‥‥‥俺がおまえを嫌うなんて‥‥‥‥そんなことあるわけねーだろ?」
俺は流河を抱き締める。
「!」
そのまま口づける。
流河の目を見開いて驚いた顔。
「ばっ、ばっ、バカヤロー!何すんだよっ!」
俺を突き放して怒りだす。
ふふふん。焦り具合が面白い。
「‥‥‥ふんっ、俺を騙してた仕返し。」
俺は無表情を装い怒ってる流河をシカトして歩き出す。
「ったく、何考えてんだよっ!クソ沙入っ!」
流河が悪態をつきながらも俺の後についてくる。
正面を向いてる俺は密かににやけてる。
流河、俺たちはずっと一緒だぜ?これから先も、ずっとずっとな‥‥‥‥‥
カイルとの別れ際にした約束事。
ルキアに近寄んなとか触るなとか。
惜しむらくは、俺、返事はしてねーから。
約束を違えたわけじゃない。だろ?
黒りんご「こんな展開にしてくれてっ!次どうすりゃいいんだよっ?沙入!」
沙入 「俺のせいじゃねーよっ!俺は被害者だぜ?」
黒りんご「被害者ぶってんじゃねぇ!そろそろ最終回にしようと思ってタイトル回
収してあんのにどうしてくれんの?これ、どうやってまとめればいいっ
ての?
沙入 「そーゆーの、カイルに言えよ。」
黒りんご「クソ野郎ども!お前らまとめてめっちゃ不幸にしてやるからな!」
沙入 「そういうこと言ってっからアクセス伸びねーんだよ!バーカ。」
黒りんご「うぐっ‥‥‥‥!」=(> Д <;)⇒グサッ!!




