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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第2章
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From the outside〈二葉〉

 今日は流河くんとカイルが噴水池で待ち合わせだったんだよね。


 どうなったんだろ?


 流河くん、何とか収めてくれたのかな?


 もう、夕方6時半過ぎてる。外も真っ暗。


 とっくに終わってるよね。大丈夫だったかな?


 ロメルちゃんには内緒だもんね、これ。後で流河くんに聞いてみようかなー。



 私は私がセッティングしてあげた流河くんとカイルの待ち合わせの顛末を気にしつつ、自室にて、調子の悪くなったポップアップトースターを分解修理してる。


 これはトーストすると、食パンにかわいいハムスターちゃんの顔が浮き上がるという、お気に入りだからね、マジ絶対直す。



 あれ、スマホに何か来た。

 カイルからだ!どうなったんだろ?



 私は修理の手を止めた。


 やっぱ、こっちが優先。めっちゃ気になるじゃん。



『今日の水籠(みごもり)との待ち合わせにルキアが来た。二葉さんが教えたから来たんだろ?』



 えっ!流河くん、ルキアちゃんになってカイルと会ったんだ!


 ‥‥‥‥‥まあ‥‥‥男同士で会うより角が立たないかもね。


 流河くんが俺に任せとけとかいってたからねー、すべて任せたんだよ。



『そうだよ。』


 あまり余計なことは言わないように、墓穴掘らないようにシンプルな返答で。


水籠(みごもり)はビビってバックレてたけど、偶然会えた。でさ、ルキアと水籠(みごもり)はどういう関係?二葉さんとルキアはどういう知り合い?』



 うわーっ!痛いとこ突いてくるねぇ。沙入くんにも結局会ったんだ!


 私、何て返そうか?


 カイルとルキアちゃんになった流河くんと沙入くんが今日どんな話したかもわかんないのに私は何にも言えないよ。


『ルキアちゃんは私のお兄ちゃんの知り合いのきょうだい。ルキアちゃんは沙入くんを知ってるけど、沙入くんはルキアちゃんを知らないんじゃないかな。知らんけど。じゃ、バーイ。』



 私は最低限の返答でさっさと終わらせた。


 今ので大丈夫かなぁ?


 嘘偽りは言ってないよ。断言もしてないよ。

 差し障りないそれっぽいこと曖昧に。

 テレビのコメンテーターの人たち見習ってさ。


 こういうシーンで言葉使うって、まじ繊細でムズいよ。




 あー、失敗。することの優先順位間違えた。


 トースター修理→流河くんに聞く→カイルに返信


 だよね。やばやば。私、人生修行が足りないね。





 すぐさま流河くんにメッセージを送信。


『カイルがルキアちゃんのこと聞いてきた!』


『そうか。俺がルキアだって沙入にはバレてた。でも、カイルとロメルには言うなよ。俺が近い内自分でけりつけるから。』


『あと、カイルからルキアに取り次ぐように二葉さんに連絡くるかも。そん時はよろ。』





 ふーん。


 この件に関しては私の手はもう完全離れた感じだね。


 余計な手出しは余計なお世話。



 おーけー、流河くん。ガッテン承知。がんばって!






 はぁー‥‥‥‥‥私があの時流河くんにあんなこと言わなきゃね、こんなことも起こんなかったのにね。 





「いいじゃん。そのままで。かわいいよ、流河ちゃん。‥‥‥‥‥‥今日はクリスマスイブだよ?こんなにかわゆき乙女になった私と男子に戻った流河くんが一緒に歩いてたら付き合ってるって誤解されちゃうよ。知ってる人に会ったら。この辺うろうろしてたら絶対知り合いに会うって。いいの?私はそんなの気にもしないけど。」


「‥‥‥‥‥そうかなぁ。でもよぉ‥‥‥俺だってばれたらどうすんだよ?」


「大丈夫だよ!言わなきゃわかんないって。それにもう暗くなってきてるじゃん。ダウンコート来てれば体型だって隠れちゃうよ。」





 思い出す。美少女流河くんの姿‥‥‥‥‥




 後悔先に立たず!


 まあ、これもそれもどれもあれも人生修行だよ。皆さん。





 それでは、私、ここからは俯瞰させてもらおうか。ふふん。


 この私のささいな()(ごと)から起こってしまったスクランブル恋愛遊戯の顛末までね。





 さてと、ハンダ固まった?







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